DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

グランプリの拙い予想

予定通りGP最終日の「三番勝負」。

 

まず最初に言い訳しておくと、「ナイターGPの前日予想は大変」である。

通常のナイターは21時くらいに翌日の番組表が発表されるが、GPだとそれが21時30分くらいまで遅れることが多い。ナイターの場合予選最終日や準優勝戦は11R(かそれ以前)であるが、GPのトライアルは(11Rと)12R、それが終わった後に枠番抽選とかと行うのでどうしても遅れがち。なのでこちらとしてはトライアルの結果を受けてすぐに「手元計算」で最終日の枠番を作り、それで予想する。

…ここで厄介なのが「違反の可能性」。つまり待機行動違反や不良航法「かも知れないアクション」があった時にそれが減点となるかならないか、最終的に決めるのは番組編成委員なので、それによって手元計算と実際の枠順が異なる可能性もある*1

なのでいっその事ナイターGPの予想記事は翌日(の午前中)に上げようか、と考えたりもするが、それを通常通り「22時にアップする」のは言うなれば「物書きとしての矜持」だろうか…?

 

「残りのトライアルはイン全勝?」とか言った矢先(書いていたのは15日の0時くらい)にいきなりF*2、12Rもインが舟券を外す大波乱。…さすがにこれ以上波乱は起きないと思いたい。何せここは「イン最強」の大村だし【*3】。

…ただそれとは別に今年は「9月下旬に今年のツキを使い果たしてしまった」ようで(その意味は「11月の彩棋会の2次会に参加された方」だけが知っています)、10月以降ほとんど舟券が当たっていない(これは固いだろうと言うレースに限って波乱が起きる)…本当に平穏に収まるか不安である。

 

競走成績の見方(と文字色)は以下の通り。今年はちゃんとFLの欄も作ったので抜かりなし(笑)。

成績欄は左から順に「進入コース」「スタートタイミング」「着順」。進入コースは艇番=コースの場合○数字、異なる場合は左が艇番・右がコース(例えば「①011」は「1号艇で1コース進入、STは.01、1着」「54152」は「5号艇で4コース進入、STは.15、2着」)。下段はレースの内容(凹は文字通り「ヘコむ=スタート後手」)。

青文字…トライアル11R(2日目までは1st、3日目からは2nd)

赤文字…トライアル12R(同上)

紫文字…シリーズ準優勝戦

緑文字…シリーズ特別戦、復活戦(レース内容の表記はなし)

黒文字…シリーズ予選(同上)

 

ちなみに5日までの1号艇1着率は71.7%(43/60)、トライアルに限定すると60%(6/10)。大村のSGだったらもうちょっと高くなりそうなイメージだったが…

 

ここまでの5日間(というか昨今のSG全体)を見ていると、このクラスの「展開」は

1コース先マイ

2コース差し

3コースまくり差し

4コース(カド)最内差し

いう形が多い。スタートがばらけるとこの黄金パターン(?)はあっさりと崩れるが、やはりGPともなるとスタートは揃いやすい(優勝戦ならともかく10Rは順位決定戦なのでプレッシャーもそれほどではなさそうなし)。

…ただ、1号艇の羽野はトライアル1号艇で差されている。スタートもここまでオールゼロ台ではあるが、5日目が.01まで行ってしまったので最後まで勘どおりに行けるか、と「機力」と「見え過ぎているスタート」に不安要素がないわけでもない。一方で2号艇の菊地は4日目の原点がなかったらファイナル1号艇だった得点なので機力は問題なさそう、スタートも相変わらず。つまり1と2は「ほぼ互角」の評価と見て1着は両面作戦。逃げた場合は多分1-2-34の2点(56は切っても良さそう、2の3着も不要そう)、差しが入った場合は2-134-134の6点、合わせて8点。

 

※選手名のふりがなを間違えていたので訂正した図に張り替えました(島村選手の名「隆幸」は「たかゆき」ではなく「たかよし」と読む)。失礼しました。

進入は枠なりかも知れないが5と6が動く可能性もある。

「何でお前がこっち(シリーズ戦)にいるんだよ」と言われそうな毒島誠。選考順位の差でこっちに来てしまったがやはり足も技も一枚上という感じ。準優勝戦も壁が薄いにも拘らず危なげなく押し切ってPP。SG7V(うちナイター6Vでまさに「ナイターキング」)の毒島にしてみればシリーズ戦の1号艇なんて大したプレッシャーにならないと見て1着固定。進入が1256/34とかでも多分持ちそう。

問題は相手。鍵は進入なのでスタート展示を見ないと何とも言えない。一応考えられる進入ごとに予想するなら

・枠なり⇒1-2-全と1-全ー2

・125/346⇒1-5-全と1-全-5

・126/345⇒上記の5を6に代えたもの

・1256/34⇒1-6-全、1-全-6

「前日予想」という事なら進入は4番目になりそう、と予想して1-6-全1-全-6の8点としておきましょう。

 

GP優勝戦は「爆買い」の対象になりやすいが【*4】、そういう話は他の競技でもよく聞く話だし、GP優勝戦(予想売上40億円以上)ともなると多少の(?)大口購入くらいでは大きくオッズが下がる事はない(のをわかっているのでそういう人が出てくる、とも言える)。

1号艇は白井英治。1stからのスタートだが手にした22号機は2nd組(2連対率TOP6)のモーターにも劣らぬという評判機。過去にはGPファイナル1号艇で涙を呑んだ事もあったが(2014年平和島、この時はトライアル全勝で勝ち上がっていたが3着だった)、今度こそGPを制して師匠今村豊に「恩返し」の時*5

 

しかしその白井英治今年のメモリアル優勝戦のF罰則でSG出場停止中なので(GPは特例で出場可能、だからここにいる)、もしここでもFったら「2024年のメモリアルまで」出場停止になってしまうのでいつものような「アドレナリンや男性ホルモン出まくりのスタート攻勢」とは行けないかも(実際今節のSTは他の5人と比べると不安)まして隣は地元GPでバッキバキに気合が入っているであろう原田幸哉。また馬場貴也は6号艇だが51号機は今回最も評判のいいモーターで、5日目に2コースから差し切って結果的にファイナルの椅子を勝ち得た(差し切れず2着だったら羽野直也が優出だった)。また前述の原田も今節2コースから差して1着がある。

…頭痛の種(?)は尽きないが、自分は敢えて1から買う。白井英治の男泣きをまた見たいから。買い目は1-236-236の6点で。余裕があれば236-1-236を押さえておく手も。

*1:今節だと4日目11Rの菊地孝平。結果的に不良航法の減点となっている。

*2:トライアル(と順位決定戦)のFはSG準優勝戦のそれと同じペナルティ(SG4節選出除外、F休み後3ヶ月GⅠGⅡ選出除外。該当SGは優先出場権があってもそれを剥奪される)が科される。

*3:理由はいろいろあるようだが、大きな理由として「ダッシュ(外枠)のスタートが難しい」というのがあるようだ。

*4:今回のトライアル初日の11Rが「爆買い」された可能性があるオッズ(1-2-3が4.8倍、1-3-2が5.8倍、3番人気の1-3-5が11.4倍)になっていた。ちなみに結果は1-2-4。…ざまぁみろ(笑)。

*5:ここでいう恩返しは「師匠が到達できなかった場所に到達する」という意味(勿論この「定義」は森下九段のもの)。今村豊はSG7Vだがグランプリは勝っておらず、引退会見時に「賞金王は白井英治が取ってくれる」と述べている。

グランプリが始まった

詰パラ12月号の会合案内で香龍会で初形「セト」の詰将棋を創作とあるが、狙い(?)はともかく「セト」と片仮名で書かれると自分はどうしてもエジプト神話の悪神の名前しか思い浮かばない【*1】。

その原因はほぼ間違いなく女神転生」シリーズのせいである。皆勤賞ではないもののいろいろなシリーズに登場する悪魔であり、「ストーリー後半に登場する強敵(種族は『邪神』である事が多い)である事がほとんど*2シリーズによっては「本編最終ボスより強い隠しボス」だったりする事もある。

 

…そうか、藤井聡太の正体は「邪神セト」だったのか!!

 

…絶対違う(笑)。

 

くだらない枕(本題とは全く関連性がない)はさておき、グランプリである。ボートレース発祥の地であるボートレース大村での初開催である。一時は(売り上げが24場の中で)下から数えた方が早い」だの「早晩廃止される」だのと騒がれた時期もあったらしいが、今ではナイター開催や各種企画レースなどの効果もあって24場中で売り上げ1位を記録するほど。ちなみにナイター開催になる以前は「東京から日帰りで行けるレース場」だったという【*3】。

 

そんなわけで初となる発祥地グランプリ*4】。そして今年は37回目にして初めて女子レーサーがグランプリに出場する。遠藤エミ。今年3月のボートレースクラシックで女子初のSG制覇を果たしたのも大村であり、2017年のクイーンズクライマックスで完全優勝(トライアルを含めて全勝)でGⅠ初優勝を果たしたのも大村。そんな「験が良すぎる」地で初のGP。ツイッターでは「遠藤エミ」や「エミちゃん」がトレンドになるくらいに盛り上がっていた(?)。…しかしGPという舞台は我々が想像するよりはるかに過酷で壮絶で...(適当な言葉が思い浮かばない)

1stの初日は4号艇で3着。そして枠番抽選では…1号艇! 計算上3着で2nd行きが決まる(他選手の順位次第では4着でもOKだった)状況下で1号艇はこの上ない追い風、に見えたが、本番レースでは⑤毒島誠が2コースに前付け、それに対して当然ながらイン主張した遠藤の起こしはどんどん深くなって最終的に80mくらい。助走が付かないままスタートも.21と遅れ、毒島にまくられると立て直しも叶わず6着大敗、1st敗退となってしまった【*5】。

 

…何だかあっさり終わってしまった感がなくもないが(3日目以降はシリーズ戦を走るので本当に「終わり」ではないが)、ここで2nd→ファイナル→黄金のヘルメット、とトントン拍子に行ってしまったらそれはそれで藤井聡太を見ているみたいで(自分は)見ていて気分が悪くなる。むしろ1st敗退した方が「これを糧として遠藤(や他の女子レーサー)はもっと強くなる」のではないか、と偉そうな事をほざいてみる(笑)。実際「80m起こし」なんて女子戦じゃ数年に1回あるかないか、というくらいあり得ない(記念に多く出ないとなかなか体験できない)だし。

…なお、予想(昨年のように最終日の10~12Rは予想記事を書く予定)という面で言うと、「GPとQC(シリーズ戦を含まない)は大抵どこかでインがコケる(イン全勝は起きない)ので【*6】、2日目の時点でイン大敗が発生した→残りのレース(トライアル・順位決定戦・ファイナル)はイン全勝、という可能性が高まったかも知れない(…本当かよ)。

*1:本来だと「英雄的な一面」も持ち合わせているらしいが、「兄を殺した」事から今日に至るまで悪のイメージが強くなったようだ。

*2:そもそもシリーズ「初代」の原作である小説「デジタル・デビル・ストーリー」でもキーパーソン(?)として登場するくらいである。

*3:早朝(7時台)の飛行機で羽田→長崎空港へ飛び(飛行時間は1時間30~40分くらい)、そこからタクシーで15分くらいでレース場。長崎→羽田の最終便は21時くらいの出発なので十分日帰りができたようだ。今はナイター(最終レース終了が20時45分くらい)なのでさすがに無理だけど。

*4:大村は「発祥地○○」というフレーズがよく使われる(例えば「発祥地ナイター」とか。地方競馬とかでもナイター開催には「愛称」がある事が多い)。

*5:レースを「作った」毒島は最終的に2着だったが、「選考順位(=獲得賞金)」の差で次点=1st敗退となってしまった。

*6:もしかしたら「イン全勝のGP」もあったのかも知れないがそんな古い話は知りません(笑)。

レース中に病死、という話

競走馬がレース中に病死、という話はたまに聞くが【*1】今日の話はそっちの話ではない。

 

徳島県のカートコースで死亡事故が発生した、というニュースをネットで見た時に

 

「…また?」

 

と思った。…カートが絡む死亡事故に対してではなく、「ゴーカート」と表現するアホなマスコミに対して。

 

報道内容によると4日のレース中、走行中のカートがコースを外れタイヤバリアに衝突、運転していた50代の男性はその後病院に搬送されたがおよそ1時間半後に死亡が確認された、との事だが、

「衝突の直前、カートの速度は10㎞/hくらい、運転していた男性は力が抜けたようにハンドルから手が放れていて、顔も上を向いた状態だった」

という目撃者の証言から、レース中に体調に異変が生じたようで、一部の記事では「死因は病死」と書かれている。

…一部の報道では「衝突による事故死」みたいに書かれているが、「10㎞/h前後の速度でタイヤバリアに衝突」した場合、死亡はおろかかすり傷すら負わない可能性の方がはるかに高い*2ましてや今のカートには車両前方(と側面)に衝撃吸収のためのバンパー*3が付いているので、それこそ「10㎞/h前後だったらコンクリート壁に衝突しても死ぬのは難しい」。それを「カート=悪」と誤認させるような報道はもはや「悪意がある」としか思えないくらい。

 

最近は「運転中に意識を失った(かも知れない)」というニュースをよく聞く。20~30年前にはほとんど聞いた記憶がない。自分がカートをやっていた時も運転中に意識を失ったという話は聞いた事がない。真夏のレースで「レース中に脱水症状を起こした(コース脇にマシンを止めてその場に倒れ込んだ)」という話なら聞いた(というか自分が見ている前で起きた)事があるが(…これも一歩間違えば惨事になっていた可能性があるが)。

「業務での運転」だと最近は「過酷な労働条件(要は『過労』)」との因果関係を全否定できないが、カートに関しては「外的要因」がほとんど考えられない。もしかしたら亡くなられた方は仕事とかで過労や心労がたたっていた可能性もあるが、そんな事まで知る術はない(そもそもそんな状態でレースに出る余裕があるとも思えないし)。

 

ちなみにカートライセンスには「健康自認書」が付属しており、要は「自分はJAFが求める最小限度の健康状態を保っていますよ」と言う事を宣言したカード(下の画像)をレース参加時にライセンスそのものと一緒に主催者に呈示する必要がある。

字が小さいのでこの画像では何が書いてあるか分かりにくいが、以下の事が記載されている。専門用語はスルーしても問題ない(自分もよく分からない項目がある…)。

 

【健康管理事項】

 日本国内において、カート競技に参加するドライバーの健康管理について、一般社団法人日本自動車連盟JAF)が求める最小限度のものは、次の通りです。

 なお国際格式競技の場合は、国際モータースポーツ競技規則付則L項(第2章)が適用されます。

 

➀矯正前または後の各視力が最低0.9であるか、一方の視力が0.8である場合、もう一方は1.0であること。

②対光反応は正常であり、現在眼圧上昇を伴う疾患、視野狭窄、調節障害のないこと。

③使用される信号旗の色の識別ができること。

④59歳以下のドライバー:ライセンス取得時は36か月以内に心電図を受けていること。

 60歳以上のドライバー:ライセンス取得時は12か月以内に心電図と負荷心電図を受けていること。

 その後、毎年心電図検査および2年ごとに負荷心電図検査と循環器専門医の診断を受けること。

⑤慢性疾患を有する場合は治療を行っていること。

 高血圧症、腎障害、心障害(先天性心疾患含む)、糖尿病、肝臓障害、末梢閉塞症、動脈疾患、慢性閉塞性呼吸器疾患、神経障害など。

⑥両手の握り機能が損なわれていないこと。

てんかん(過去10年間に症状が確認されていない場合を除く)、覚醒剤中毒、麻薬中毒アルコール中毒の既往なく現に罹患していないこと。

⑧何らかの障がい者手帳を持つ場合は、競技会参加申込時にオーガナイザーへ申告すること。

⑨⑤、⑥、⑦に関連し、Condition欄に記載のあるライセンスを持つ場合は、その番号を以下の特記事項に記載し、またその番号に対応するJAFからの通知書をオーガナイザーに提示すること。

 

…おそらくは本人の気付かない間に何らかの(上記の⑤にある)疾患を患っていたのかも知れず、誠に不運だったと思う。

 

何はともあれ、亡くなられた方に対しここに哀悼の意を表します。

*1:GⅠを勝った馬がレース中に病死、という例もあったような気がするがもう記憶にない(笑)。

*2:それよりはるかに速い速度で壁に激突してほぼ無傷だった自分が言うのだから間違いない。

*3:素材は主に塩ビ製、これなしではレースに出れないどころか普段の練習走行すらできない事がほとんど。かつては「なくてもいい」クラスもあったが、20世紀のうちに全てのクラスで装着義務化されたはず。

やればできるじゃないか

詰パラ12月号は11月30日に届いた。…思わず

「やればできるじゃないか」

と口を突いて出た。もっとも、確認したのは帰宅後でその後11月号の学校の解答のメール作成&送信をしていたので、終了後にチラッと読んでさっさと寝てしまったのだが。

 

この「やればできるじゃないか」というフレーズ、別に誰でも言いそうな(言っている)言葉であるが、自分の中では本田宗一郎の名言」というニュアンスが強かったりする。

本田宗一郎が現役(の社長)の時は出社するなり各部署を回り、不審な点があるとすぐに説明を求めたり議論したりしていた。いい加減な作業(部品加工とか)をしようものなら

「そんなんでエンジンの馬力が出ると思ってるのか!!」

と怒鳴るが早いか、手にしているハンマーでその部品を叩き壊す、なんて事も一度や二度ではなかったという。

今だったらテンプラ云々で騒がれかねない話だが、次に巡回してきた時にちゃんと部品が出来上がっていると

「やればできるじゃないか、素晴らしいな」

心底嬉しそうにその従業員を褒めたという。

この本田宗一郎「やればできるじゃないか」という言葉には単に字面通りの意味でだけではなく、「負の感情(不機嫌とか八つ当たりとか)を引きずらない」「その人の人格を否定するような事はしない」という意味も込められているように思える。…今は部下の人格を否定するような事を宣うアホが多いから猶の事本田宗一郎の言葉に重みを感じてしまう。

 

自分もそういう意味で心の底から「やればできるじゃないか」と言えたらいいのだけど、自分はそういったものを「引きずる」質なのでそういう境地には至れないだろうなぁ、と自己分析(笑)。実際詰パラに対しても(人格否定はともかく)詰パラは2日に来るもの」と半分諦めていたから…

「ワンコイン」が天国と地獄の分岐点になっていたかも

27日に閉幕した第25回チャレンジカップ*1】と第9回レディースチャレンジカップ。年末のグランプリとクイーンズクライマックス出場権をかけた最終トライアル競走で、優勝戦終了日までの獲得賞金上位者が年末の「聖戦士」に選ばれる。…という話は以前も書いた。

 

近年のQC勝負駆けはLCC(格安航空会社ではない)の初日の時点で12人中10~11人が決まっている事が多く、残り僅かの椅子を賭けた争いとなるわけだが、女子戦に高額賞金レースが少ないせいかこのあたりのボーダーは大差になりにくく、それこそ最終日の一般戦の結果で「年末の過ごし方」が左右される可能性もある。12位と13位の差が「1万円未満の決着」だった3年前のように。

…今年はその3年前を上回るような僅差の決着になる可能性があった。11月26日終了時点での女子獲得賞金ランキングが

 

12位 落合直子   26,954,000円

13位 堀之内紀代子 26,953,500円

 

…なんとその差は「500円」である。なお、1000円未満の端数は「レース中止」がないと発生しない金額なので【*2】、自力ではどうにもならない要素と言える。

そして両者とも最終日はそれぞれ別の一般戦の1回走りなので、

 

もし両者が同じ着順でゴールしていたらこの「500円差」でQCの最後の椅子が決着していた

 

のである【*3】。最終的には

 

落合 …1Rで6着⇒27,135,000円

堀之内…5Rで4着⇒27,151,500円

 

…16,500円差で堀之内が逆転して暫定12位となった【*4】。歴史的な「ワンコイン決着」とはならなかったが、一般戦の着順1つ(の賞金差)で天国と地獄に分かれるのは「競馬にはない醍醐味*5だよな、と思う(競輪やオートレースにはあるのかも知れないが)。

 

もちろんグランプリの勝負駆けも余談を許さない状況。26日の時点で16/18が確定、優勝戦の結果であと2つの椅子の行方が決まる。

走る方(今回の場合④平本真之⑤篠崎仁志⑥深谷知博)はとにかくやる事をやるだけだが、「待たされる方(今回の場合丸野一樹と中島孝平)」の心理はいかばかりか。大雑把な計算だと

 

丸野…優勝戦④⑤⑥のいずれかによるワンツー決着だと陥落

中島…優勝戦の着順が「?-?-?-4-5-6」という順位でなかったら陥落

 

中島孝平の残留条件は実質「3連単の1点勝負」のようなものであった。またGP2nd発進となる賞金6位以内も未確定が1つあって、

 

勝戦で➀山口剛③片岡雅裕以外の優勝者>特別選抜B戦で⑤池田浩二が2着以内>白井英治

 

の優先順位で決まる。

まず特別選抜B戦(8R)、池田浩二は逆転2ndの条件を満たせず(5着)。

LCC優勝戦(11R)地元住之江でのQC出場を奪取するために気合バースト(?)の⑥鎌倉涼(前述の結果から2着条件)が前付け敢行で4コースに入ったが結果は5着で成就せず。レースは展示ではスロー4コースだった④守屋美穂がカド5コースから100起こしとなったスロー勢を大まくりするもインから伸びた➀高田ひかるが張って抵抗、その間を⑤中村桃佳が割って入って突き抜け5-4-2の高配当決着。

結果には結びつかなかったが、鎌倉の「地元QCにかける思い」は賞賛される事であっても「レースを壊した」などという非難(やっぱりそういうアホがいた)には1μも値しない。そもそも非難するくらいなら「そういう事が起きると予想して5から買えばいいだろ」というだけの話である。

そしてCC優勝戦6-1-2-3-5-4という着順。⑥深谷知博が逆転で圏外からGP(しかも2nd発進)の椅子を獲得、白井英治が1st発進となり、ランキング17位の丸野一樹がギリギリ残って18番目の椅子に、中島孝平は無念の陥落。もし鎌倉涼が優勝していたら「夫婦でウイニングラン」というこの上ないドラマチックな結末だったのだが。

 

今年はサッカーワールドカップが今の時期に開催されている。W杯が始まると(あるいは地区最終予選とかの段階で)マスコミは「あらゆる結果を想定した最終結果シミュレーション」を始める。この日もちょうどコスタリカ戦なので、スポーツ紙にはコスタリカ戦で1次リーグ突破が決まる可能性」の記事が。…別にいいとかダメとかいう話ではなく、

ボートレースの勝負駆けと比べると「仕組みが単純だよなぁ」

と思ってしまう。何せ「組み合わせが9通り(日本vsコスタリカ、ドイツvsスペインの結果の組み合わせ)しかない」から。ボートレースの場合レースの着順の組み合わせが720通りある上に場合によっては「優勝戦以外の結果」も影響してくるので…

 

今日の結果を受けてGP&QCの出場選手及び初日の枠番が決定。

 

グランプリ(大村)

12月13日(火)11R トライアル1st

1号艇 池田浩二(愛知)

2号艇 桐生順平(埼玉)

3号艇 毒島 誠(群馬)

4号艇 遠藤エミ(滋賀)

5号艇 上條暢嵩(大阪)

6号艇 瓜生正義(福岡)

 

12月13日(火)12R トライアル1st

1号艇 白井英治(山口)

2号艇 椎名 豊(群馬)

3号艇 石野貴之(大阪)

4号艇 磯部 誠(愛知)

5号艇 羽野直也(福岡)

6号艇 丸野一樹(滋賀)

 

12月15日(木)11R トライアル2nd

1号艇 山口 剛(広島)

2号艇 片岡雅裕(香川)

3号艇 菊地孝平(静岡)

4号艇 トライアル1st得点率1位

5号艇 トライアル1st得点率4位

6号艇 トライアル1st得点率5位

 

12月15日(木)12R トライアル2nd

1号艇 馬場貴也(滋賀)

2号艇 原田幸哉(長崎)

3号艇 深谷知博(静岡)

4号艇 トライアル1st得点率2位

5号艇 トライアル1st得点率3位

6号艇 トライアル1st得点率6位

 

クイーンズクライマックス(住之江)

12月28日(水)11R トライアル

1号艇 平高奈菜(香川)

2号艇 守屋美穂(岡山)

3号艇 香川素子(滋賀)

4号艇 中村桃佳(香川)

5号艇 細川裕子(愛知)

6号艇 長嶋万記(静岡)

 

12月28日(水)12R トライアル

1号艇 遠藤エミ(滋賀)

2号艇 田口節子(岡山)

3号艇 平山智加(香川)

4号艇 高田ひかる(三重)

5号艇 寺田千恵(岡山)

6号艇 堀之内紀代子(岡山)

 

チャレンジカップが決着してしばらくしてから

「そう言えば今日はジャパンカップをやってたよな」

と気づく(笑)。…短期免許で来日している騎手に1~4位を持っていかれる日本競馬の不甲斐なさしか感じなかった【*6】。

*1:くどいようだがJRAの重賞「チャレンジカップ」とは別物。

*2:以前も書いたが、レース中止の場合「そのレースの1着~6着までの賞金の合計の80%(開催打ち切りの場合60%)を出走予定者6人で山分けした金額(1円未満は切り捨て)」が加算される。なお「500円」は60%で割らないと出てこない数字。

*3:厳密にはLCC優勝戦で鎌倉涼が逆転で12位になる可能性もあったが一旦それを無視して話を進めます。

*4:出走手当の額が間違っている可能性もありますが、LCC出走者は全員同じ額をもらうので「差」に影響はないはず。⇒公式サイトに掲載されている11/27時点の賞金額に修正しました。

*5:競馬もオープン以上は「収得賞金」で出走順が決まるが、ボートレースのように「1万円未満の額による決着」がない(そもそも収得賞金には千円単位の数字が存在しない)。

*6:その要因の半分以上は「外国人騎手を好んで起用するどこかの誰かのせい」と言えなくもないが…

2022年11月彩棋会

11月5日に開催された。

今回はなんと(?)岩本氏が欠席(それでも道外からは荒川氏が参加された)、トータルでも6名とちょっと少なめ。

内容はいつもどおり作品展の作品選考…なのだが、出品者が(当日提出込みで)4名しかいなかったので各氏の作品を1作ずつ、という事であっさり決まる。…それにしてもこの日指摘されるまで「あれ」に気づかなかったのは何故だろう(「あれ」についてはそのうち分かります)。

 

今回は急遽2次会が開催された。そこでの話を含めた気になる単語。

・「図面認証システム」が欲しい

「データベースに作品を登録する時」に柿木将棋とかで盤面を並べる(入力する)のが大変だから、その図面(書かれたもの)をカメラか何かでスキャンする事で自動的に.kif(か.ki2)ファイルに変換してくれるアプリがあったら楽なのに、という話。

今は「顔認証システム」とかがある時代なので、図面に書かれた文字を解析して.kifファイルに変換する事は造作もないだろうと勝手に推測したが、いかんせん「そのアプリの需要がほとんどない(それこそ日本全国で10人未満と推測される)」のでそういうアプリを作る酔狂な人がいるとも思えない。…その一方でものすごい勢いで「戦闘力(データベースの作品数)」を増やしているT.K氏は「独自にそういうアプリを作って使っている」なんて疑惑(?)が。もちろん真相は本人しかわかりません。

 

・今度の彩棋会は「0次会」から?

彩棋会の前に「回転ずし」で昼食→13時から彩棋会→17時から海鮮居酒屋(エルプラザから徒歩1分未満)で2次会、というルートで「道外からの参加者に北海道の食を満喫してもらおう」、という話が出た。本当に実現するかはわからないが、道外からの参加者があるようなら本当にやるかも知れない。

 

・JT日本シリーズは「倍率10倍」だった?

今のJT日本シリーズの観戦は「全席事前申し込み制」で応募多数の場合は抽選となっているが、札幌大会の羽生-藤井戦は当然倍率が10倍以上だったとか。…もしこれが以前のような「申し込み不要(先着順)」だったら何らかのトラブルが起きていたかも知れない。自分はほぼ同時期に「別の抽選」に当たったのでもう今年の運はありません、と自虐(笑)。

 

次回の彩棋会はまだ確定ではないが2023年3月4日の予定、作品展の課題は「双玉」。…5分後くらいにアイデアが1つ浮かんで少しいじったら作品が1つできたが「合駒非限定」。非限定(最後までその駒が動かない)だけならまだいいが、作意は「それを取って使う」なのでさすがにそれはまずい、という事で没。

「国葬のようなもの」の話

自分は国葬のようなもの」の開催に賛同していないので【*1】それに関するニュースとかはあまり見ていない(その時間帯は普通に勤務中だったのでリアルタイムで見ていないし、今回の記事も書くだけ書いてしばらく放置していた…)。…葬儀の時間に札幌の市街地で「国葬反対!」と叫んでいる人がいたのは覚えているが、後藤隊長の口調で)何だかなぁ~」以外の感想を抱けなかった(叫ぶ場所が違うだろう)それでもエリザベス2世の「国葬」とは比較してしまうし、車屋が渋滞を引き起こすなんて洒落にならん」と言って葬儀(社葬)を出させなかった本田宗一郎とも比較したくなってしまう。

 

国葬のようなもの」で菅前総理が読み上げた弔辞について「電通が・・・」と言った人が吊し上げられているが、自分は正直そんなのどうでもいいと思っている【*2】。自分はそれよりも

安倍さんへの弔辞は立派だったけど原爆被災者の慰霊式では噛みまくっていたよね

という指摘(正確な文言は微妙に違うかも)の方が重要(?)だと思う。

 

…心理学に言わせると、このようなスピーチで間違えまくる(読み間違い・読み飛ばしなど)のは偶然などではなく、ただ一言

本心ではないから

だそうで、つまり「原爆被災者への慰霊は『本心ではない』」事が読み取れるというわけ。この国はそういう奴が総理をやっているんですよ。

…少し前に送迎バスに子供を放置して死なせた園の記者会見で「亡くなられた子の名前を間違えまくる」というトンデモナイ事があったが、これも同じ話(つまり全く反省していないし反省する気がない)もし(このロジックを承知している)自分がこの事件の遺族だったら激昂して

このようなクズ、生きていても何の役にも立たないからこいつの首を娘の霊前に供えて供養にしてやる!

とか言いかねない。

 

逆に言うと「本心だから」心がこもる=見事な?弔辞になった、とも言えるし、そもそも「重要な人物の弔辞の文面を他人に委ねるなんて事はしない」のではないか、とも思う(日時が決まってから当日まで時間があったので「考える時間」は十分にあった)。だから「瞬間的に」あの弔辞に感動した人(乱暴な言い方をすると「騙された人」)が多かったのかも知れない。

人は誰であれ遅かれ早かれ「いずれ死ぬ」ので、「葬儀をする事」も「そこで立派な(?)弔辞を読む事」も否定はしない(というかできない)が、今回の「国葬のようなもの」はそれ以外のところが…ねぇ。

 

弔辞というと銀河英雄伝説

「俺は奴(オーベルシュタイン)の葬儀のときに、心にもない弔辞を読んで心で舌を出してやる、それが楽しみで今日まで戦死せずにきたのだからな」

というセリフがあったが、この発言者(コルネリアス・ルッツ)の方が先に死んでしまって実現せず。もし実現していたら(オーベルシュタインはルッツの9か月後くらいに死んでいる)一体どんな弔辞が読まれていたのだろう、とくだらん想像をしてしまう。

*1:理由はいくつかあるが、その最大の理由は「安倍晋三国葬に値するだけの業績を残していない」。この国で「国葬に値する政治家」がいるとすればそれは「北方領土の完全返還を実現させた人」か「北朝鮮拉致問題を完全解決させた人」のどちらかしかいないと思っている。

*2:そう思いたくなる「土壌」がある(しかもそれを育んだのは「あっち」である)からそう考える人が出てくる…別に不思議な事ではないと思う。それを公言していいかは別問題だが。

6代目三遊亭円楽

「歌さん(桂歌丸)、楽さん(6代目三遊亭円楽)がそっちに行ったら『お前の方が早過ぎるんだよ!』とか言って楽さんを天国から蹴落としてくれませんか?

 

自分が6代目三遊亭円楽師匠の急逝を知った時によぎったのが上記の言葉。…多分落語家の中にもそんな事を考えている人がいそうな気がする。漫画とか落語とかだったらそれで本当に生き返ったりする事もあるのだが…

追悼大喜利

ジジィ! 早過ぎるんだよ!!

と絶叫して涙してからまだ4年しか経っていない。本当に「早過ぎるんだよ!」という急逝である。

 

自分が6代目の落語を生で聴いたのは多分2回しかない。1回目は桂文之助襲名披露公演」、2回目は昨年の小遊三・円楽二人会」。他にもTV(日本の話芸)で何回か。1回目の時の話は過去にも少し書いたが、その後に聴いた話も含めてとにかく「洗練されている」、喩えるなら体脂肪率5%未満の落語」とでもなるだろうか。

一方では「プロデューサー」として「博多落語まつり」「札幌落語まつり」の公演にも尽力し、一方では自らも第一線で落語を続ける。前述の二人会では「読書の時間」という落語だったがこれは6代文枝創作落語の1つであり(この時の登場人物は「天野」「家入」などの「笑点メンバーの本名」が使われていた)、「日本の話芸」で聴いた「一文笛」は3代目桂米朝の作。要は「上方の創作落語も勉強して演じている」。これに加えて笑点にも出演していたのだから、よくよく考えると「並大抵の話じゃない」。

当人は番組内で「笑点司会の座」を狙っていた(どこまで本気だったのかは知る由もない)が、もし本当に司会に就いていたら今頃林家木久扇は「6人目の司会も見送った」事になってしまう*1

 

ここに謹んで哀悼の意を表します。

*1:司会以外でも林家こん平などが先に亡くなっているので、全部含めたら何人を「送った」のかわからない。

痛ましい事故

3連休中に北海道森町で起きたカートの事故。巻き込まれた2歳の男の子がその翌日に亡くなられた。しかも名前が「成那」と書いて「セナ」と言うのだから最初は質の悪いジョークかと思ったものである。…何はともあれお悔やみ申し上げますとしか言いようがない。

 

ニュースでは「ゴーカート」という表現をしているが、ニュースで見た限り使われていた車両は「ゴーカートとは似て非なる乗り物」としか言いようがない。レンタルカート向けの設計とはいえフレームワークとかはレースで使用されるものと基本はほぼ同じであり(2020年に行われた「日本初の公道カートレース」に使われたものと同じもの)、目線の高さもほぼ同じ=ゴーカートよりはかなり低い。ニュースによっては「40km/hくらい出ていた」と報道されていたが、あのタイプのカートは誇張無しで40km/hくらいは普通に出せる(それどころか出そうと思えば60~70km/hくらいまで出せる)

 

それだけスピードが出る乗り物なので事故が起きる可能性は常にあるわけだが、今回の事故は運転していた本人ではなく「観客」が巻き込まれている。

ニュース単体だと事故の内容が断片的にしか判断できないので、いくつかの(ネット)ニュースの内容をつなぎ合わせる事で何とか事故の全容らしきものが見えてくる。

 

今回の事故が起きた仮設コースは概ね下図のような感じだという。右回りのコースでグレーが本コース、水色がピットレーン(黄色は後述)。図が手抜きなのはスルーする事(笑)。

ニュースによるとカートを運転していた女の子は既定の周回を終えてピットに戻ろうとして減速せずに赤矢印のラインでコースアウトし、3人の子供と接触した、という事のようである。

「経験者の観点」から言うなら今回の事故が起きた理由は主に次の2つ。

・主催者の安全対策不足

・コースレイアウト(厳密にはピットレーンの場所)

 

1つ目の「安全対策不足」について、ニュースによると本コースはウレタン製(だと思う)のブロックで仕切られていたが、ピットレーンのあたりは「コーンとポールのみが置かれていた」とある。…それを読んだ自分は「こっちの方が質の悪い冗談のようだ」と思った。40km/hで走るカートの前ではコーンとポールなんて「何も置いていない」のと同じである。

カートというのはミスでコントロールを失いそのままコースアウト、という事はいくらでも起きる。まして事故が起きた時は路面が完全なドライではなかったというから猶更である。モータースポーツに関わる人だったらコースを見て「1周のうち最もスピードが出る(=事故が起きやすい)のはどこか」というのは瞬時に判断できる。大抵の場合は「長い直線の終点付近」であり、そういう場所には衝撃を吸収できる障壁(タイヤバリアとか)を置いたり、そもそも観客を立ち入らせないといった措置は全国どこのサーキットでもやっている事である。少なくともこのコースにおいて事故が起きた地点というのは「(ピットレーンの有無に関係なく)最も危険度の高いエリア」であり、そこに「コーンとポールのみを置いて」観客を入れていた、というのだから…

関係者は「ピットレーンだから減速するものと思っていた」らしいが、未経験者(○リオカートでランカー、なんてのは経験のうちに入らない)にそういう常識(?)は通用しない。遊園地のゴーカートでも「終点でブレーキを全く踏まずに前の車に追突する」人は少なくないし、アクセルが何かに引っかかって戻らなくなる(踏みっぱなしと同じ状態になる。ゴーカートでも「下駄やサンダルでの運転を断る」事があるのはそれも理由の1つ)、ブレーキが利かなくなる、というトラブル【*1】が起きる可能性もある。そういった可能性も考慮するのが本当の意味での「安全対策」であろう。特に仮設コースの場合はある程度の高さの障壁(ある程度の高さがないと「カートが壁を乗り越えてしまう」事もあるので障壁の役を成さない)でコース全周を囲い、加えて「コース周辺(最低でも壁から2mくらい)は立入(観覧)禁止とする」くらいの対策は必要だと思う。

 

2つ目の「コースレイアウト」について。今回のコースは「長い直線(つまりスピードが出ている状態)から直線的にピットレーンに進入」という形状になっている。

…敷地の関係上そういうレイアウトにしないといけない場合もある。実際そういうコースはどこにでもある【*2】。ただそういう場合でも万一のコースアウトに備えた措置は取られているものである。少なくともそのすぐ先に観覧スペースがあるなんてのは論外。しかし今回のコースレイアウトはその「論外」が採用されていた。

…自分がコース設計担当だったらピットレーンは反対側(つまり図の黄色のライン)に設けていたと思う。こちら側だったら連続コーナーの直後で少なくとも「全速で突っ込まれる」可能性は遥かに低いので今回のような事故が起きる可能性も低かったと思われる。勿論こちらの場合でも「コースアウトの可能性」は0にならないので「バリアを設ける」「コース近辺は立入禁止」といった措置は必要である。

 

カートを「運営(≒提供)」していたという新千歳モーターランドは確か1993年の開業、つまり「30年くらいカートに関わってきた」会社*3】だから今書いたような理屈は分かっているだろう、とも思ったものだが… もっともイベント全体を運営していたのはそれとは別のトヨタ系のディーラー「函館地区オールトヨタクルマファンFES」というイベント内の1部門、という扱い)らしいので「そっちが予算をケチった(安全対策を軽視した)」結果という嫌らしい見方もできるかも知れない。

 

…今回の事故のせいで「また」この国がモータースポーツ嫌いにならなければいいのだが、なんて心配(?)をしてしまう。

*1:トラブルでなくても雨だと制動距離は長くなり、コースアウトやブレーキ時にスピンする可能性は飛躍的に高まるので初心者や子供にとっては大変危険な状況である。

*2:F1開催歴のあるサーキットだとマレーシアにある「セパンサーキット」とか。今回の件で取材を受けていた「南幌リバーサイドカートランド」のコースも同様のレイアウトになっている。

*3:創設にはホンダの助力が大きかったと言い、ホンダF1のマネージングディレクターを務めた山本雅史氏も携わっていたらしい。

8月のボートレース

8月のボートレースの話×3。

 

PGⅠ・第36回レディースチャンピオン(8月2~7日、丸亀)

かつては開催時期がよく変わっていたそうだが、クイーンズクライマックスの創設に合わせて8月上旬開催になったのが2012年(同レースが初めてナイター開催された年でもあり、今年でナイターLCは5回目)自分がボートレースに触れたのも同年なので自分には女子王座=夏の一大イベント」以外のイメージがない*1

やはり今年のLCの鍵となったのは「準優勝戦と優勝戦での平山智加の前付け」だろう。開催地の丸亀は彼女の地元、地元からは彼女を含めて6人が出場したが予選突破できたのは平山を含めて2人。有力な優勝候補に挙がっていた平高奈菜も予選落ち(遠藤エミはF休みのため不出場)平山は準優5号艇だったが、まさかの前付けで3コース進入。女子戦での前付け自体がそう多くない上に彼女の「堂々の6コース宣言」を見た事がある自分にしてみればそれこそ「まさかの」である。結果は3着だったが、2着でゴールした選手が不良航法で優出の資格を失ったために繰り上がりで優出(6号艇)となった。

そして優勝戦戦前インタビューから「動く」事を明言していた平山、展示から動いて4コース、そして本番ではまさかの2コース進入。女子でこんなに動いたのって鵜飼菜穂子【*2】以来じゃないか? とか思ったり。レースは1号艇の實森美佑がフライングに敗れ、4コースから最内を差した香川素子が「恵まれ」で優勝、平山は2着だった。

 

…ネット上ではこの時の平山のコース取りを「レースを壊した」とか言って非難する人がいた。…言い直そう。…ネット上ではこの時の平山のコース取りを「レースを壊した」などと偉そうに非難する「アホ」がいた。

…冷静に(?)考える。別に彼女はルールに反する事は何もしていない。進入固定戦でないレースでは選手がどのコースを取りに行こうがルール上認められている【*3】。実際「イン屋」と呼ばれる選手はほぼ全てのレースで前付け(最低でも2コースを狙ってくる)してくる【*4】。ただ前付けは素人目に見ても助走距離が短くなる分「ハイリスク」(今回も内の2艇は助走距離が100mくらいの「深イン」となった)なので普段からやる選手は少ない【*5】。また、前付け率が高いレーサーでも前付けしない事もよくあり、それこそ直近のオーシャンカップ準優(平山智加も3号艇で出走していた)では「高確率で動く」と予想した人が多かった(自分もそう思っていた)6号艇の白井英治は前付けの「ま」の気配すら見せずあっさりと6コースを選択している【*6】。

それでも彼女が前付けに出たのは「地元での意地」というのもあるだろうが、それ以上に今年の春から記念を連戦した(オールスター→グラチャン→甲子園→オーシャン、オーシャン以外は予選落ちした)事で「勝つためにはなりふり構わぬ泥臭さが必要」という事を学んだ(感じ取った)のではなかろうか、と勝手に憶測(笑)。…とりあえずこの手の非難や文句を言う奴ってのはその9割くらいが「舟券を外した腹いせ」だという事(今回の場合1号艇の返還で「儲け損ねた」人の方が多かったかも…?)を自分は10年以上前から知っている。

…それにしても滅多にやらない前付け100起こしで.01のスタートを決めるあたり、地元のアドバンテージを割り引いたとしても「(いい意味で)普通じゃねえ」と思った。

自分は「これは何か起きそう」と思って1-6-全、1-全-6、6-1-全の12点で行き…1号艇のFで全額返還。…違う意味で「何かが起こった」(笑)。

 

SG・第68回ボートレースメモリアル(8月23~28日、浜名湖

こちらは昔からの夏の祭典。時期が時期という事もありここ最近はナイター開催が標準化していたが【*7今年は久々のデイ開催(来年も福岡でデイ開催が決まっている)

今年は地元の菊地孝平が優勝戦1号艇をゲット。「デジタルスターター」の異名を奉られるくらいスタートに定評のある彼だから、彼が地元でイン逃げし損ねるなんてほとんど考えられないところだが…

それまでほとんど無風状態(レースも10Rまで全部イン逃げ決着)だった浜名湖に突如強い向かい風が。その風はまさにレースに「嵐」を起こした。スタート勘が狂ったのか、インの菊地は.19のドカ遅れ。3コースの新田雄史にあっさりとまくられ……モニターには「スタート判定中」の文字が。3号艇が1マークを回り切ったあたりでモニターには

返還

の文字。LCに続く大レース優勝戦でのF、主催者としては「8月の悪夢」と言ってもいいくらい(どちらのレースも返還額は10億以上)彼らも人間なので「やってしまった」事をあまり強く非難するつもりもないが、一方でちゃんと残している人もいるわけだから擁護するというのも変な話である。

自分は1-4-全と1-全-4の8点、1-4=6だったら夕食が豪華になる予定だった(単に6号艇絡みでオッズが高い、というだけではなく「この2点だけ厚く張っていた」)が、白井英治のFでこちらも全額返還。

 

ボートレースのVR

今は「視点を体験できるだけ」でなく「実際に操縦できる」、しかも「レース形式で対戦できる」ボートレースのVRもあり、たまたま試乗する機会があったのでやってみた。本物とほぼ同サイズのボートにほぼ同サイズのレバーとハンドル(ハンドルにはゲームのコントローラーのような「ボタン」が多数ついていた…)、前方にはサーキュレーターと炭酸ガス噴射装置(走行中に「水しぶき代わり」に吹き付けてくる)。なおコースのスケールは実際よりかなり小さい【*8】。

やってみた感想は…

 

視力の悪い人だと画面がぼやけて何も見えない。

 

近視が原因なのか老眼が原因なのかはわからないが、ピントが全く合わない。本来VRにはピント調整機能みたいのがあるらしいが、ボートレースのVRにそういう機能は(今のところ)ないらしい。一瞬ピントがあったかな、と思ったら全身を動かした弾みモンキーターンの要領で体を左に倒すと旋回半径を小さくできる、というからくりになっている)でゴーグルがズレるのですぐにピンボケに逆戻り。そのため走っていてもターンマークがどこにあるか全く見えず、「多分あれ(がターンマークかな」という勘でハンドルを切るしかない。当然まともなターンなどできるわけがなく、ターンマークを大きく外すかターンマークにヒットするかのどちらか【*9】。現役時代のナイジェル・マンセルだったら怒りのあまりVRゴーグルを地面に叩きつけているかも知れない、と思った(いつの話をしとんねん…)。

他にもツッコミどころはたくさんあったが【*10】、とりあえず「視界」の問題は何とかしてほしい、と思った。

*1:かつては「夏の一大イベント=札幌記念」だったが今はその気配はどこにもない(笑)。

*2:歴代の女子でも数少ない「イン屋」のレーサーで、史上ただ一人「レディースチャンピオン3連覇」を達成している(男子まで枠を広げても「同一特別競走3連覇」は数えるほどしかいなかったような)。2020年10月に引退。

*3:かつては「展示で6コースだった選手が本番で1コースに入ると失格(返還欠場)」というルールがあったそうだ。

*4:勿論進入固定戦で動くのはダメだが、番組編成委員も「その辺はわかっている」のでイン屋を進入固定戦の外枠に組む、と言った意地悪は(多分)やらない。

*5:以前はプロペラが選手個人の所有だったので「前付け専用ペラ」みたいのがあった=前付けする選手が今よりも多かったらしいが…?

*6:劣勢のモーターだと深い起こしに耐えられない(高確率で外からまくられて「終了」する)、だったらモーターが出ている隣(今回の場合5号艇の今垣)に連動する形の方が望み(準優なので2着以内)がある、と考える事は珍しくない。また内枠でも「あえて前付けを受け入れてカドから叩き潰す」という事もある(石野貴之が時折やる)。

*7:ナイターでも暑い事に変わりはない、という事は2013年と2016年に経験している(笑)。

*8:本物だと3周で1分50秒≒1周37秒くらいだが、VRでは3周で1分6秒(自分が見た限りのベストタイム)≒1周22秒くらい。

*9:トップレーサーは「地元水面だったら目隠ししていても3周できる」らしいが…

*10:例えば「進入は圧倒的にダッシュが有利」。故に「アホみたいにやり込んでいる(としか思えない)人たち」は全員が「意図的にピットアウトを遅らせて」ダッシュスタートを選んでいた(進入コースは枠順に関係なく「出走ランプ点灯後=3つ目のブザーの後にレバーを握った順にインコースから割り振られる」という仕組みになっている)。