一般的な用法としては「必至」と「必死」は全く別の意味を持つが、将棋の用語では「必至」と「必死」は同じ意味である。…今のところ「必死は『死』の文字が教育上よくないから使うのをやめろ」と喚くイカレポンチ【*1】を見た事はないが、近い将来出てくる可能性はかなり高そうだ。ぶっちゃけ今の日本で「最も教育上好ましくない漢字」なのは「死」でも「殺」でもなく…(それはまた別の機会にでも)
将棋の「必死」は「どうやっても詰みを免れ得ない状態」なので、これを一般的な用法に援用するなら「その組織(国とか会社とか)がどうやっても滅亡を免れ得ない状態」という使い方もできそうである…というか自分は既に使っている。一般的には「詰み」という言い方が流行(?)しているが、「詰み」というのは完了形の状態(生物だと「死にました」、組織だったら「滅亡しました」、など)だと思うので自分はそういう状態の事を「詰み」というのはダウトだと思っている。
歴史に触れていると、ある体制が滅亡する時というのはある日突然心臓発作を起こして死ぬのではなく、「ターニングポイント」的な出来事があってそこからガラガラと内部崩壊して滅亡、というパターンの方が圧倒的に多い事に気付く。例えば三国時代、中国の半分以上を支配していた「魏」が滅亡する(晋に乗っ取られる)のは265年であるが、滅亡へのカウントダウンが始まった、言い換えるなら「魏帝国に必死がかかった」出来事はそれよりはるか前にあったと言える。
➀司馬懿のクーデターにより実権を司馬一族に握られる(正始の変、249年)
②2代皇帝曹叡が急死し、幼帝(曹芳【*2】)が擁立、後見人となった曹爽(曹真の子)とその取り巻き連中が国政を壟断し始める(239年)
③諸葛亮が死亡した事で緊張の糸が切れたのか、曹叡が宮殿の増改築を立て続けに行い、酒や女に溺れた事で国力が大きく損なわれる、ついでに曹叡自身の体も徐々に損なわれていく(234~238年【*3】)
「決定打」と言えるのは①かも知れないが、その原因(司馬一族にそのきっかけを与えた)は②であろうし、②が起きるきっかけは③であるとも言える。もし③を「必死」と定義するなら実に30年がかりの「必死」であるし、➀で定義しても16年である(将棋の「必死」ではそこからの詰みが2桁以上かかる事が滅多にない)。…ただ実際のところは「30年」でも歴史上では「詰みまでの手数(年数)が短い必死」に分類されるのかも知れない。例えば「漢」に「必死」がかかった瞬間を「黄巾の乱」と定義した場合でも36年、それが起こるきっかけとなった宮中の腐敗(による民衆の貧困)を「必死」とするなら優に「100年以上」の必死になってしまう。
こんな感じで一見安泰そうな組織でも意外に簡単に「必死」がかかってしまう事は少なくない。そしてそれらのほぼ全てに共通するのは「外的要因によって」必死がかかるのではなく「内的要因によって」必死がかかっている、言わば自殺詰ならぬ「自殺必死」である、という事。
将棋でいうと下図のような局面が例として分かりやすそう(片美濃囲いに対し☗5二歩成☖7一金☗同龍、とした局面の部分図だと思っていただければ)。

この局面で「よっしゃ、飛車ゲットだぜ!」と☖7一同玉とこの龍を取ったらどうなるか、は「将棋はルールが分かる程度」のレベルを超えた人には説明するまでもない。…のだが、古今東西問わず現実の世界(の首長や経営者とか)にはこの龍に飛びつく、つまり目先の利益に飛びついて組織を滅ぼす低能がいくらでも存在する事を痛感できる。今の日本を見ていてもこのように「自殺必死」をかける首長や経営者は後を絶たない。中には「(本来なら必死にならなかったものを)イカサマ同然の非合法手段で無理矢理『自殺必死』状態にされた自治体」まで存在する。
…もうオブラートに包んだような言い回しはやめよう。
最高責任者が「多文化共生」などという寝言を盾にして外国人をどんどん招き入れる組織
最高責任者が媚中(≒共産主義)の組織
この2つは完全に「必死」がかかっている。…想像でも妄想でもない。21世紀に入ったあたりからの地球上での多くの出来事がそれを証明している。それでも「自殺必死」をかける奴が後を絶たないのは「組織が死んでも自分(と財産)は生き残るから」という外道畜生にも劣る思考回路を持っているからに他ならない(中には「自分は中国語を話せるから日本が中国に征服されても問題ない」とまで言い切る掛け値なしのイカレポンチもいるそうだが、「そんな事は2億%あり得ない」というのも21世紀の地球上の歴史が証明している)。…そういう外道は即死刑にできる法律が日本には必要だろう。
ただ、これらの「必死」と将棋の「必死」とで大きく異なるのは、将棋の必死は「理論上解除できない」(王手を絡めて解除する裏技?が利く場合もあるが、今はそういうのは忘れて下さい)が、組織の「必死」は「その気があれば解除する事も可能」である事が多い。なので実際のところは「必死」ではなく「詰めろ」か「二手スキ」くらいの状態という事になる。…でも事態の重さをより分かりやすく(?)伝える、という意味でも「必死」という表現が一番あっているような気がする。
先日、とある自治体(だからぼやかすなって)が「必死を解除するチャンス」を手に入れた。少なくとも現職3選だったらそれこそ文字通りの「必死」になっていただろう。このように民主国家というのは国民の力によって「必死を解除するチャンス」を勝ち取る事が可能だが(それを超絶卑劣手段を用いて無理矢理「自殺必死」状態に持ち込もうとする共産系テロリストもいたりする)、それが通用しない(責任者が国民によって選ばれていない)組織、例えば企業の経営陣とか官僚とか、そういった輩がやらかした「自殺必死」を止める手段は民主国家の国民(ぶっちゃけ今の日本)には存在しない。よく「失われた30年」なんて言い方をされるが、そういう状態を引き起こした、言い換えるなら「日本国に自殺必死をかけた」犯人は霞が関のイカレポンチどもに権力を与えて野放しにした奴に違いない(誰かは知らんが)。
札幌と北海道も遠からず首長の選挙がやってくる(立候補しそうな人の名はちらほら上がってきている)が、選挙権のある人は最低条件として「北の大地に『自殺必死』をかけるようなイカレポンチに投票してはいけない」という事は肝に銘じておくべきである。…あ、候補者(というか該当者)が女性だったらこの言い方はマズいな(笑)。
*1:「ポンチ」というのは関西で若旦那を意味する「ぼんち(あまりいい意味では使われないようだ)」の音が変化したもので、アレの逆読みではないそうだ。…どちらにせよ(?)対男性限定の蔑称であるが、女性の場合どう呼んだらいいのだろう?
*2:急遽担ぎ出された(曹叡の子は全て早世していた)ためなのか、皇族なのに血筋が記録に残っていない。曹叡の従甥(叔父にあたる曹彰の孫)という説があるが詳細は不明。
*3:「魏志倭人伝」によると238年の夏頃に邪馬台国の使者が朝貢の為に帝都洛陽を訪れた、となっているが、精査するといろいろと疑問が生じる(例えば「邪馬台国の使者は危篤状態の皇帝に謁見したのか?」とか。話し出すと「脱線」どころじゃなくなりそう(笑)なので今回は省く)。

