「歌さん(桂歌丸)、楽さん(6代目三遊亭円楽)がそっちに行ったら『お前の方が早過ぎるんだよ!』とか言って楽さんを天国から蹴落としてくれませんか?」
自分が6代目三遊亭円楽師匠の急逝を知った時によぎったのが上記の言葉。…多分落語家の中にもそんな事を考えている人がいそうな気がする。漫画とか落語とかだったらそれで本当に生き返ったりする事もあるのだが…
追悼大喜利で
ジジィ! 早過ぎるんだよ!!
と絶叫して涙してからまだ4年しか経っていない。本当に「早過ぎるんだよ!」という急逝である。
自分が6代目の落語を生で聴いたのは多分2回しかない。1回目は「桂文之助襲名披露公演」、2回目は昨年の「小遊三・円楽二人会」。他にもTV(日本の話芸)で何回か。1回目の時の話は過去にも少し書いたが、その後に聴いた話も含めてとにかく「洗練されている」、喩えるなら「体脂肪率5%未満の落語」とでもなるだろうか。
一方では「プロデューサー」として「博多落語まつり」や「札幌落語まつり」の公演にも尽力し、一方では自らも第一線で落語を続ける。前述の二人会では「読書の時間」という落語だったがこれは6代文枝の創作落語の1つであり(この時の登場人物は「天野」「家入」などの「笑点メンバーの本名」が使われていた)、「日本の話芸」で聴いた「一文笛」は3代目桂米朝の作。要は「上方の創作落語も勉強して演じている」。これに加えて笑点にも出演していたのだから、よくよく考えると「並大抵の話じゃない」。
当人は番組内で「笑点司会の座」を狙っていた(どこまで本気だったのかは知る由もない)が、もし本当に司会に就いていたら今頃林家木久扇は「6人目の司会も見送った」事になってしまう【*1】。
ここに謹んで哀悼の意を表します。