27日に閉幕した第25回チャレンジカップ【*1】と第9回レディースチャレンジカップ。年末のグランプリとクイーンズクライマックス出場権をかけた最終トライアル競走で、優勝戦終了日までの獲得賞金上位者が年末の「聖戦士」に選ばれる。…という話は以前も書いた。
近年のQC勝負駆けはLCC(格安航空会社ではない)の初日の時点で12人中10~11人が決まっている事が多く、残り僅かの椅子を賭けた争いとなるわけだが、女子戦に高額賞金レースが少ないせいかこのあたりのボーダーは大差になりにくく、それこそ最終日の一般戦の結果で「年末の過ごし方」が左右される可能性もある。12位と13位の差が「1万円未満の決着」だった3年前のように。
…今年はその3年前を上回るような僅差の決着になる可能性があった。11月26日終了時点での女子獲得賞金ランキングが
12位 落合直子 26,954,000円
13位 堀之内紀代子 26,953,500円
…なんとその差は「500円」である。なお、1000円未満の端数は「レース中止」がないと発生しない金額なので【*2】、自力ではどうにもならない要素と言える。
そして両者とも最終日はそれぞれ別の一般戦の1回走りなので、
もし両者が同じ着順でゴールしていたらこの「500円差」でQCの最後の椅子が決着していた
のである【*3】。最終的には
落合 …1Rで6着⇒27,135,000円
堀之内…5Rで4着⇒27,151,500円
…16,500円差で堀之内が逆転して暫定12位となった【*4】。歴史的な「ワンコイン決着」とはならなかったが、一般戦の着順1つ(の賞金差)で天国と地獄に分かれるのは「競馬にはない醍醐味【*5】」だよな、と思う(競輪やオートレースにはあるのかも知れないが)。
もちろんグランプリの勝負駆けも余談を許さない状況。26日の時点で16/18が確定、優勝戦の結果であと2つの椅子の行方が決まる。
走る方(今回の場合④平本真之⑤篠崎仁志⑥深谷知博)はとにかくやる事をやるだけだが、「待たされる方(今回の場合丸野一樹と中島孝平)」の心理はいかばかりか。大雑把な計算だと
丸野…優勝戦で④⑤⑥のいずれかによるワンツー決着だと陥落
中島…優勝戦の着順が「?-?-?-4-5-6」という順位でなかったら陥落
中島孝平の残留条件は実質「3連単の1点勝負」のようなものであった。またGP2nd発進となる賞金6位以内も未確定が1つあって、
優勝戦で➀山口剛③片岡雅裕以外の優勝者>特別選抜B戦で⑤池田浩二が2着以内>白井英治
の優先順位で決まる。
まず特別選抜B戦(8R)、池田浩二は逆転2ndの条件を満たせず(5着)。
LCC優勝戦(11R)は地元住之江でのQC出場を奪取するために気合バースト(?)の⑥鎌倉涼(前述の結果から2着条件)が前付け敢行で4コースに入ったが結果は5着で成就せず。レースは展示ではスロー4コースだった④守屋美穂がカド5コースから100起こしとなったスロー勢を大まくりするもインから伸びた➀高田ひかるが張って抵抗、その間を⑤中村桃佳が割って入って突き抜け5-4-2の高配当決着。
結果には結びつかなかったが、鎌倉の「地元QCにかける思い」は賞賛される事であっても「レースを壊した」などという非難(やっぱりそういうアホがいた)には1μも値しない。そもそも非難するくらいなら「そういう事が起きると予想して5から買えばいいだろ」というだけの話である。
そしてCC優勝戦は6-1-2-3-5-4という着順。⑥深谷知博が逆転で圏外からGP(しかも2nd発進)の椅子を獲得、白井英治が1st発進となり、ランキング17位の丸野一樹がギリギリ残って18番目の椅子に、中島孝平は無念の陥落。もし鎌倉涼が優勝していたら「夫婦でウイニングラン」というこの上ないドラマチックな結末だったのだが。
今年はサッカーワールドカップが今の時期に開催されている。W杯が始まると(あるいは地区最終予選とかの段階で)マスコミは「あらゆる結果を想定した最終結果シミュレーション」を始める。この日もちょうどコスタリカ戦なので、スポーツ紙には「コスタリカ戦で1次リーグ突破が決まる可能性」の記事が。…別にいいとかダメとかいう話ではなく、
ボートレースの勝負駆けと比べると「仕組みが単純だよなぁ」
と思ってしまう。何せ「組み合わせが9通り(日本vsコスタリカ、ドイツvsスペインの結果の組み合わせ)しかない」から。ボートレースの場合レースの着順の組み合わせが720通りある上に場合によっては「優勝戦以外の結果」も影響してくるので…
今日の結果を受けてGP&QCの出場選手及び初日の枠番が決定。
グランプリ(大村)
12月13日(火)11R トライアル1st
1号艇 池田浩二(愛知)
2号艇 桐生順平(埼玉)
3号艇 毒島 誠(群馬)
4号艇 遠藤エミ(滋賀)
5号艇 上條暢嵩(大阪)
6号艇 瓜生正義(福岡)
12月13日(火)12R トライアル1st
1号艇 白井英治(山口)
2号艇 椎名 豊(群馬)
3号艇 石野貴之(大阪)
4号艇 磯部 誠(愛知)
5号艇 羽野直也(福岡)
6号艇 丸野一樹(滋賀)
12月15日(木)11R トライアル2nd
1号艇 山口 剛(広島)
2号艇 片岡雅裕(香川)
3号艇 菊地孝平(静岡)
4号艇 トライアル1st得点率1位
5号艇 トライアル1st得点率4位
6号艇 トライアル1st得点率5位
12月15日(木)12R トライアル2nd
1号艇 馬場貴也(滋賀)
2号艇 原田幸哉(長崎)
3号艇 深谷知博(静岡)
4号艇 トライアル1st得点率2位
5号艇 トライアル1st得点率3位
6号艇 トライアル1st得点率6位
クイーンズクライマックス(住之江)
12月28日(水)11R トライアル
1号艇 平高奈菜(香川)
2号艇 守屋美穂(岡山)
3号艇 香川素子(滋賀)
4号艇 中村桃佳(香川)
5号艇 細川裕子(愛知)
6号艇 長嶋万記(静岡)
12月28日(水)12R トライアル
1号艇 遠藤エミ(滋賀)
2号艇 田口節子(岡山)
3号艇 平山智加(香川)
4号艇 高田ひかる(三重)
5号艇 寺田千恵(岡山)
6号艇 堀之内紀代子(岡山)
…チャレンジカップが決着してしばらくしてから
「そう言えば今日はジャパンカップをやってたよな」
と気づく(笑)。…短期免許で来日している騎手に1~4位を持っていかれる日本競馬の不甲斐なさしか感じなかった【*6】。
*1:くどいようだがJRAの重賞「チャレンジカップ」とは別物。
*2:以前も書いたが、レース中止の場合「そのレースの1着~6着までの賞金の合計の80%(開催打ち切りの場合60%)を出走予定者6人で山分けした金額(1円未満は切り捨て)」が加算される。なお「500円」は60%で割らないと出てこない数字。
*3:厳密にはLCC優勝戦で鎌倉涼が逆転で12位になる可能性もあったが一旦それを無視して話を進めます。
*4:出走手当の額が間違っている可能性もありますが、LCC出走者は全員同じ額をもらうので「差」に影響はないはず。⇒公式サイトに掲載されている11/27時点の賞金額に修正しました。
*5:競馬もオープン以上は「収得賞金」で出走順が決まるが、ボートレースのように「1万円未満の額による決着」がない(そもそも収得賞金には千円単位の数字が存在しない)。
*6:その要因の半分以上は「外国人騎手を好んで起用するどこかの誰かのせい」と言えなくもないが…