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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

8月のボートレース

8月のボートレースの話×3。

 

PGⅠ・第36回レディースチャンピオン(8月2~7日、丸亀)

かつては開催時期がよく変わっていたそうだが、クイーンズクライマックスの創設に合わせて8月上旬開催になったのが2012年(同レースが初めてナイター開催された年でもあり、今年でナイターLCは5回目)自分がボートレースに触れたのも同年なので自分には女子王座=夏の一大イベント」以外のイメージがない*1

やはり今年のLCの鍵となったのは「準優勝戦と優勝戦での平山智加の前付け」だろう。開催地の丸亀は彼女の地元、地元からは彼女を含めて6人が出場したが予選突破できたのは平山を含めて2人。有力な優勝候補に挙がっていた平高奈菜も予選落ち(遠藤エミはF休みのため不出場)平山は準優5号艇だったが、まさかの前付けで3コース進入。女子戦での前付け自体がそう多くない上に彼女の「堂々の6コース宣言」を見た事がある自分にしてみればそれこそ「まさかの」である。結果は3着だったが、2着でゴールした選手が不良航法で優出の資格を失ったために繰り上がりで優出(6号艇)となった。

そして優勝戦戦前インタビューから「動く」事を明言していた平山、展示から動いて4コース、そして本番ではまさかの2コース進入。女子でこんなに動いたのって鵜飼菜穂子【*2】以来じゃないか? とか思ったり。レースは1号艇の實森美佑がフライングに敗れ、4コースから最内を差した香川素子が「恵まれ」で優勝、平山は2着だった。

 

…ネット上ではこの時の平山のコース取りを「レースを壊した」とか言って非難する人がいた。…言い直そう。…ネット上ではこの時の平山のコース取りを「レースを壊した」などと偉そうに非難する「アホ」がいた。

…冷静に(?)考える。別に彼女はルールに反する事は何もしていない。進入固定戦でないレースでは選手がどのコースを取りに行こうがルール上認められている【*3】。実際「イン屋」と呼ばれる選手はほぼ全てのレースで前付け(最低でも2コースを狙ってくる)してくる【*4】。ただ前付けは素人目に見ても助走距離が短くなる分「ハイリスク」(今回も内の2艇は助走距離が100mくらいの「深イン」となった)なので普段からやる選手は少ない【*5】。また、前付け率が高いレーサーでも前付けしない事もよくあり、それこそ直近のオーシャンカップ準優(平山智加も3号艇で出走していた)では「高確率で動く」と予想した人が多かった(自分もそう思っていた)6号艇の白井英治は前付けの「ま」の気配すら見せずあっさりと6コースを選択している【*6】。

それでも彼女が前付けに出たのは「地元での意地」というのもあるだろうが、それ以上に今年の春から記念を連戦した(オールスター→グラチャン→甲子園→オーシャン、オーシャン以外は予選落ちした)事で「勝つためにはなりふり構わぬ泥臭さが必要」という事を学んだ(感じ取った)のではなかろうか、と勝手に憶測(笑)。…とりあえずこの手の非難や文句を言う奴ってのはその9割くらいが「舟券を外した腹いせ」だという事(今回の場合1号艇の返還で「儲け損ねた」人の方が多かったかも…?)を自分は10年以上前から知っている。

…それにしても滅多にやらない前付け100起こしで.01のスタートを決めるあたり、地元のアドバンテージを割り引いたとしても「(いい意味で)普通じゃねえ」と思った。

自分は「これは何か起きそう」と思って1-6-全、1-全-6、6-1-全の12点で行き…1号艇のFで全額返還。…違う意味で「何かが起こった」(笑)。

 

SG・第68回ボートレースメモリアル(8月23~28日、浜名湖

こちらは昔からの夏の祭典。時期が時期という事もありここ最近はナイター開催が標準化していたが【*7今年は久々のデイ開催(来年も福岡でデイ開催が決まっている)

今年は地元の菊地孝平が優勝戦1号艇をゲット。「デジタルスターター」の異名を奉られるくらいスタートに定評のある彼だから、彼が地元でイン逃げし損ねるなんてほとんど考えられないところだが…

それまでほとんど無風状態(レースも10Rまで全部イン逃げ決着)だった浜名湖に突如強い向かい風が。その風はまさにレースに「嵐」を起こした。スタート勘が狂ったのか、インの菊地は.19のドカ遅れ。3コースの新田雄史にあっさりとまくられ……モニターには「スタート判定中」の文字が。3号艇が1マークを回り切ったあたりでモニターには

返還

の文字。LCに続く大レース優勝戦でのF、主催者としては「8月の悪夢」と言ってもいいくらい(どちらのレースも返還額は10億以上)彼らも人間なので「やってしまった」事をあまり強く非難するつもりもないが、一方でちゃんと残している人もいるわけだから擁護するというのも変な話である。

自分は1-4-全と1-全-4の8点、1-4=6だったら夕食が豪華になる予定だった(単に6号艇絡みでオッズが高い、というだけではなく「この2点だけ厚く張っていた」)が、白井英治のFでこちらも全額返還。

 

ボートレースのVR

今は「視点を体験できるだけ」でなく「実際に操縦できる」、しかも「レース形式で対戦できる」ボートレースのVRもあり、たまたま試乗する機会があったのでやってみた。本物とほぼ同サイズのボートにほぼ同サイズのレバーとハンドル(ハンドルにはゲームのコントローラーのような「ボタン」が多数ついていた…)、前方にはサーキュレーターと炭酸ガス噴射装置(走行中に「水しぶき代わり」に吹き付けてくる)。なおコースのスケールは実際よりかなり小さい【*8】。

やってみた感想は…

 

視力の悪い人だと画面がぼやけて何も見えない。

 

近視が原因なのか老眼が原因なのかはわからないが、ピントが全く合わない。本来VRにはピント調整機能みたいのがあるらしいが、ボートレースのVRにそういう機能は(今のところ)ないらしい。一瞬ピントがあったかな、と思ったら全身を動かした弾みモンキーターンの要領で体を左に倒すと旋回半径を小さくできる、というからくりになっている)でゴーグルがズレるのですぐにピンボケに逆戻り。そのため走っていてもターンマークがどこにあるか全く見えず、「多分あれ(がターンマークかな」という勘でハンドルを切るしかない。当然まともなターンなどできるわけがなく、ターンマークを大きく外すかターンマークにヒットするかのどちらか【*9】。現役時代のナイジェル・マンセルだったら怒りのあまりVRゴーグルを地面に叩きつけているかも知れない、と思った(いつの話をしとんねん…)。

他にもツッコミどころはたくさんあったが【*10】、とりあえず「視界」の問題は何とかしてほしい、と思った。

*1:かつては「夏の一大イベント=札幌記念」だったが今はその気配はどこにもない(笑)。

*2:歴代の女子でも数少ない「イン屋」のレーサーで、史上ただ一人「レディースチャンピオン3連覇」を達成している(男子まで枠を広げても「同一特別競走3連覇」は数えるほどしかいなかったような)。2020年10月に引退。

*3:かつては「展示で6コースだった選手が本番で1コースに入ると失格(返還欠場)」というルールがあったそうだ。

*4:勿論進入固定戦で動くのはダメだが、番組編成委員も「その辺はわかっている」のでイン屋を進入固定戦の外枠に組む、と言った意地悪は(多分)やらない。

*5:以前はプロペラが選手個人の所有だったので「前付け専用ペラ」みたいのがあった=前付けする選手が今よりも多かったらしいが…?

*6:劣勢のモーターだと深い起こしに耐えられない(高確率で外からまくられて「終了」する)、だったらモーターが出ている隣(今回の場合5号艇の今垣)に連動する形の方が望み(準優なので2着以内)がある、と考える事は珍しくない。また内枠でも「あえて前付けを受け入れてカドから叩き潰す」という事もある(石野貴之が時折やる)。

*7:ナイターでも暑い事に変わりはない、という事は2013年と2016年に経験している(笑)。

*8:本物だと3周で1分50秒≒1周37秒くらいだが、VRでは3周で1分6秒(自分が見た限りのベストタイム)≒1周22秒くらい。

*9:トップレーサーは「地元水面だったら目隠ししていても3周できる」らしいが…

*10:例えば「進入は圧倒的にダッシュが有利」。故に「アホみたいにやり込んでいる(としか思えない)人たち」は全員が「意図的にピットアウトを遅らせて」ダッシュスタートを選んでいた(進入コースは枠順に関係なく「出走ランプ点灯後=3つ目のブザーの後にレバーを握った順にインコースから割り振られる」という仕組みになっている)。