DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

終息後に「音ゲーを再開する士気」は残っているか?

緊急事態宣言の延長という「経済的には逆効果としか思えない」決定を受けて(自分の行動範囲内にある)札幌市内のゲーセンも全店が臨時休業を延長している。

この手の「営業自粛」は正直なところ「勝算のない籠城」のように見えてしまうので、「本当にそれでいいのか?」と思ってしまう。もっともこれは「勝算のない籠城」を「お願い」と言いながら実質半強制しているどこぞのアホが悪いのだが。

歴史が好きな人なら御存知かと思うが、「歴史上籠城策が上手くいった例は少ない」。何故かというと歴史上の籠城戦のほとんどは「籠城策を成功させるために必要不可欠なもの」がなかったから。…さて「必要不可欠なもの」とは何か。ちょっと考えれば分かると思うので考えてみて下さい。

(考慮タイム)

それは「味方の援軍」である。そもそも籠城というのは後詰め*1がある(城内の部隊と連係して敵を撃退する)事が前提の戦術なので、ぶっちゃけ後詰めが期待できない籠城というのは単なる「悪あがき」でしかない(日本だと「大阪夏の陣」がその代表例だろう)そして攻城側も後詰めが来る可能性を考慮しているので時に「後詰めを迎え撃つための仮城」を拵える事もあり、そうなると「籠城しているのは誰?」みたいな事も起きたりする。ちなみに日本の合戦の中でも有名な長篠の戦い」は長篠城を攻めた武田軍と長篠城の後詰め(織田・徳川連合軍)との戦いなので、長篠の戦いは「成功した籠城戦」の1つとも言える。

さて、この籠城のセオリー(?)を現代の「コロナ籠城」に当てはめると… 「敵」はCOVID-19である。つまりCOVID-19を撃退するのが「コロナ籠城」の目的である。ではCOVID-19を撃退する方法は…

・ワクチンが開発、実用化される

・時間経過によるウイルスの自然消滅を待つ

のどちらかが考えられる。もっとも後者は籠城の定義(?)に則ると「籠城ではない」ようにも思うが…

ただどちらの決着になるとしても「この籠城戦はかなりの長期戦が必至」である。そして長期の籠城のためにはそれ相応の「蓄え」あるいは兵站*2が必要になる。籠城側の兵站が確保されていると延々と籠城されてしまうので攻城側は「籠城側の兵站の遮断」も必須事項であるが、それは今回の話とは関係ないので置いておこう(笑)。

…現時点で「蓄え」だけで乗り切れる人や企業は間違いなく少ない。そうなると兵站」が必須になるが、その兵站は誰が、どういう形で確保(補償)してくれるのか。クラウドファンディングとかで「支援金」を募る、というのもあるが、それが期待できる(実現した)人はほとんどいない。一応政府は給付金を出すと言っているらしいが(「らしい」の意味は前の記事をお読み下さい)、「世間一般で言われている額では全然足りない」という人がほとんどであろう。そもそも今の政府は国民に「長期戦を覚悟しろ」と言っておきながら同時に兵站はありませんので自己責任でお願いします」と言っているようなものだからもはやどうしようもない「物体」である。

「籠城」しても勝ち目がない、となれば一か八かで「開城(つまり営業再開)」するしかない、と考えるのは「当然の理論」とも言える。だが、今の日本にはCOVID-19以外にも──ある意味COVID-19以上に厄介な──「敵」がいる。…言うまでもなく「自粛警察」と呼ばれる「物体」である。

この物体【*3】もCOVID-19が治まれば自然消滅するかも知れないが、言い換えると「COVID-19の終息まで待つしかない」とも言える。一応「自粛警察取締法(仮称)」みたいな「後詰め」が現れれば早期解決が見込めなくもないが、理論的には可能でも今の政府では物理的に不可能だろうな、と思う。そうなると「開城」の勝算も見込めないので「仕方なく」「勝ち目のない」籠城を続ける、という選択肢を取る人も少なくないと思う。…全くもって酷い話である。テロリストにあれこれ言われる筋合いはない

 

もう一つ籠城戦で必要になるものがある。それは「士気の維持(鼓舞)」。昨今よく聞く「コロナ疲れ」「自粛疲れ」という言葉からも想像がつくように、籠城というのは「長引けば長引くほど兵の士気は落ちる」ものであり、士気の落ちた兵では戦いに勝てるわけがない。もっとも今回の「籠城戦」は「敵と交戦するわけではない」ので士気の必要性に疑問を感じる人もいるかも知れないが、士気が落ちるとその分自暴自棄に陥る可能性が高まるし、仮に長期の籠城で今回の危機を「耐え抜いた」としてもその時に兵(つまり従業員であるが、経営者自身も含む場合が多い)の士気が駄々下がりしていたのでは戦い(営業)を再開しても勝負にならず結局滅亡、という事にもなりかねないので「士気」は重要である。

そうならないためにも籠城側の指揮官は兵の士気を下げない(鼓舞する)事が必須になる。一番確実なのは「増援の到着」、それも「日時がハッキリしていて」かつ「早ければ早いほどいい」のだが【*4】、今回の「籠城戦」においては一部の自治体以外でそれは望めそうにない【*5】。そのため(経営者)は兵の士気を下げない(鼓舞する)方法を考えないといけないわけで。一部の企業では従業員に「休業手当(呼称はそれぞれでしょうがここでは便宜上こう呼びます)」を出している、という話を聞くが、こういう事を「speedy & simply」に行える人は「名将」だと思う(自分はそういう上司に巡り合った記憶がないなぁ…)。

 

…今日は「ゲーセンの長期休業で音ゲーへのモチベーションが下がらないか?」という話を書こうと思っていたのだが、気が付くと全然違う話になってしまった(笑)何故自分はこうも話が脱線するのだろう?【*6

これは何も音ゲーに限った事ではないと思うが、何かの拍子で「空白」ができるとその趣味に手を付けなくなってしまう、という経験は多くの人があると思う。自分もボウリングは札幌に戻って来てから一度も行っていない(つまりほぼ1年くらい行っていない)し、将棋も一時期全くノータッチという期間があった。他にも「気が付いたら忘れられた趣味」は数知れず…

そういうわけなので、今後ゲーセンが営業再開された時に(少なくとも)1ヶ月以上音ゲーに触れていない自分に「音ゲーを再開する士気」が残っているかは甚だ疑問である。それ以前に「ゲーセンに行くだけの財力が残っているか(仕事が再開しているか)」という物理的な問題もあるのだが…

ちなみにこの問題を解決できるかどうかはゲーセン側、というより「ゲーム側」にもかかっている。「売上が伸びない理由」というのはいろいろあるが、その中で「客に忘れられているから」というのは世間が想像しているよりずっと高い割合を占めている(何かの本で「全体の7割くらいを占めている」と読んだ記憶がある)。つまり自分の事を「思い出してもらう」事ができれば売上の回復が見込めるという事になる。

…ただ、これは業種によってはなかなか難しい問題である。「顧客リスト」があれば一番いい(最近来ていない客に手紙を出す事で思い出してもらえる)のだが、さすがにゲームでそれは不可能に近い。またこういった「呼びかけ」を行っても空白ができた(≒「士気が落ちた」事で「もういいです」と言う人も少なくはない。

そこで有効な手段の一つとして『休眠客*7のための特別サービス』というのがある。例えば休眠客に手紙なりメールなりを送ってこの手紙(メール)を持参されたお客様にはポイント20倍進呈!」なんてのは間違いなく効果があると思う。音ゲーで同じ事をするのは難しいが、α日以上プレイされなかったプレイヤーには通常のβ倍のゲーム内ポイントを進呈」みたいなサービスが(普段から)あるだけでも違ってくると思う。…もっとも「最上級の檀家」しか見ていないKONMAIKONAMIにこの手のマーケティングができるとはとても思えないけどね(笑)

 

…だから、何故音ゲーを再開する士気」の話が「マーケティング」の話になっているんだっつーの!(笑)

*1:増援部隊の事、読みは「ごづめ」または「うしろづめ」。「あとづめ」とも読めるがそれだと別の意味(建築用語)になる。将棋の用語のようにも見えるが少なくとも将棋用語ではない(笑)。

*2:「へいたん」、戦いにおける後方支援(例えば補給物資やその輸送経路の確保など)の総称。今回の場合「企業への補助金」とか「国民への給付金」という意味でお考え下さい。

*3:「自粛警察」などという「かっこよく見える」名前よりももっと相応しい(明らかにマイナスイメージしかない、というか「テロリストっぽい」)呼称はないのか、とも思う。…自分はネーミングセンスが怪しいので気の利いた呼称が思い浮かばないが(笑)。

*4:前述の長篠の戦いでも、援軍を求めた使者が決死の覚悟で「あと数日で援軍が来るのでそれまで持ちこたえよ」と城内に伝えた(城に戻る途上で武田軍に捕まり「援軍は来ないから諦めて降伏せよ」と城内に伝えたら命を助けてやる、と言われたが、その使者はその反対の事を伝えたためその場で武田軍に殺された)事で長篠城の士気は落ちず後詰めの到着まで城を守り抜いた、と言われる。

*5:一応「札幌市民には5月中に届く見込み」らしいけど…

*6:「知っているくせに何言ってやがる」とか言わないで下さいね(笑)。

*7:「以前利用した事があるが今は利用していない客」という意味のマーケティング用語。