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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

新しい将棋会館の気になる疑問

関西将棋会館高槻市に移転して最初の公式戦が12月3日に行われたわけだが、自分がそれに関する記事を見て真っ先に気になったのが「特別対局室の間取り」

新しい関西将棋会館では最上位の対局室は「御上段の間」ではなく「特別対局室」となっている(モデルは江戸城の御上段の間、というのは変わらない)が、そのこけら落とし(?)となったA級順位戦の対局開始前の写真を見ると、両対局者(豊島九段と稲葉八段)が床の間を横に見るような形で座っている(つまり両対局者を横から見た先に床の間がある。床の間に近い側に豊島九段が座っている)関西将棋会館の御上段の間では「上座は床の間を背にして座る(御上段の間で2局行われる場合は上座の2人が床の間を背にして座る)」だったので配置が変わっている。

 

この配置を見るとどうしても某ドラマとかの「ダウトな間取り」を思い出してしまうのだが、厳密に言うと「あれでも問題はない」ようである。

大雑把に調べたところ、床の間と床脇棚(大抵段差のついた棚がしつらえてあるあの部分)がある和室の席次というのは下図の順番だという。これは机(将棋盤)の有無や向きは関係ない。

つまり関西将棋会館では「①-③」「②-④」という配置で対局が行われていたが、関西将棋会館では「①-②」「③-④」*1という配置で対局が行われる事になる(もしかしたら今後変わる可能性もあるが)。

また床の間以外の外的要因(?)によって上座の位置が変わる事もあり、例えば先ほどの図のAの方向にいい景色(日本庭園とか富士山とか)が見える場合、席次順は「②→④→①→③」となる事もあるようだし(もっとも将棋の対局室の場合「風景をめでている余裕なんてない」だろうから考えなくてもいいだろう)、入口がこの図の床脇棚の場所にあるような和室の場合、席次は「③→④→①→②」(つまり入口から遠い方が上座)となる。

関西将棋会館の特別対局室の細かい間取り(出入り口や窓の場所とか)がわからないので断言は難しいが、ひねくれた(?)作りになっているとも思えないので席次は先ほどの図の通りで問題ないと思う。なので床の間に向かって右側(床の間のある方)に豊島九段、左側(床脇棚のある方)に稲葉八段が座っている、という図式は少なくとも「間違いではない」と言える(これが逆だったら完全にダウト)。

 

…ではこれまでの「床の間が横にある対局室」はどうなのか?

・ドリフのコント(「もしも」シリーズ)…一部はダウト(同じセット──カメラから見て左側に床の間──が使われているが「いかりや名人」の座る場所が統一されていない)。入口が左右両方にある部屋なのでやはり「いかりや名人が床の間を背に座る」のがベストだったと思う【*2】。

・「GOLDEN CROSS」…九分九厘ダウト*3

・「あのドラマ」…なんと奇跡的にセーフだった(笑)

 

…確かに「それでも問題ない」とは言え、それでもやっぱり「上座は床の間を背にして座る」方がしっくり来るのは自分が(そのスタイルを長年見てきた)古い人間だから?(笑)

*1:新しい特別対局室では「2局同時に指される事は無い」そうである。しかも使うのはタイトル戦やA級順位戦などといった格の高い対局(他には挑戦者決定戦、竜王戦の1組や決勝トーナメントなどが当てはまりそう)に限られるというので、ぶっちゃけ並の棋士では入るのはおろか「会館の5階に足を踏み入れる事すらままならない(5階には他の対局室がない)」という事になりそうである(記録係を買って出たら「並の棋士」でも入る機会はあると思うけど)。

*2:リサーチの過程で「もしも」とは別の将棋コント(セットも別物)を発見したが、そこでは「志村名人」が床の間を背に座っていた(下座に座っている対戦相手は「柄本明八段」)。

*3:両対局者の上下関係が不明瞭だが、いかにも右の和服の人(当時のディレクターらしい)の方が偉そう、しかし床の間は左側にある。そもそも「ロケ地」は将棋会館らしいし(何だか見覚えのある掛け軸が下がっているので)。