DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

その後の香龍会、など(これも全国大会参加レポートの続き)

7月15日・海の日。荷造りなどを全部済ませて10時頃にチェックアウト。…外ではやはりと言うか選挙カーからの演説が。…しきりに名前を連呼されたところで自分は投票する地区(都道府県)が違うので全く意味がない(笑)。

江坂駅から御堂筋線新大阪駅へ。前回は書かなかったが、御堂筋線は基本的に千里中央~なかもず千里中央~江坂は北大阪急行との直通運転、通称『大運転』の電車と「新大阪~天王寺(通称『小運転』の電車(※1)が交互に来るので、新大阪より北(あるいは天王寺より南)に行ける電車は「2本に1本」しか来ない。13日に新今宮(動物園前)から江坂に向かう時、14日(全国大会終了後)に本町から江坂に向かう時、いずれも「一発目」は小運転だった。…引きが悪い(笑)。
これを別の視点から見ると「江坂→新大阪の電車は『小運転』の2倍待たされる」という事になる(小運転の区間は「およそ4分に1本」なのでやけに長く待たされる気分になる)。…どうでもいい話かもしれないが(笑)。

新大阪駅到着は10時20分頃。近鉄で名古屋に行くプランも考えたが、今回は「速度」を重視した(※2)。それでも「のぞみ」に乗ったのは小倉に行った時(2012年8月)以来。
駅構内では

山陽新幹線相生~姫路間で橋桁にトラックが衝突し、これの設備点検作業の影響で一部の路線(主に『のぞみ』)に遅れがでている」

というアナウンスが。一瞬「…え?」となったが、運休しているわけではないので、「35分遅れ(定刻9:55→実際の出発10:30頃)」で来たのぞみに乗って名古屋へ。…いつも思うがのぞみの自由席が1~3号車までしかない(※3)のは不便、あるいは「嫌がらせ」にも思う。今回使ってみて特にそう思った(案の定自由席は満席で「立ち」の乗客が多かった。隣の4号車はガラガラだったのに…)。

運転そのものは遅れなく12時20分頃に名古屋に到着。そこから名鉄に乗り換えてボートレース常滑名古屋市営バスで先月行けなかった「三輪碁盤店」へ。盛り上げ駒の手入れについてなどのレクチャー(?)を受ける。
まず、自分が所有する駒を見てもらって(「いい駒ですね」と褒めていただいた)「出品前に油(多分椿油)で軽く磨かれているっぽい」という事で、今から油で磨く必要はない(定期的に乾拭きだけするように)と言われた(そもそも彫埋駒・盛り上げ駒は油を使って拭かない方がいい、との事)。…この手の情報はネットを探せばいくらでもあるとは言え、人によって書いてあることが違う事も多い。ましてや自分の駒は「新品同様」ではあっても「完全未使用」とは限らない(今回のように「一度磨かれている可能性がある」)ので、こういう(安くはない)ものの扱い方については

ネット上の情報よりも(現物を見た)専門家の知識の方が何十倍も何百倍も信頼ができる

のである。つまり普段から「ググれば済む」と考えている人はここ一番(≒大きな金が動く事態)でとんでもない失態をやらかす可能性がある、という事は忘れずにいたい。

「一乕」という銘についても教えていただいた。以前初代竹風の別名義、と書いたが、正確に言うと「竹風が大阪の問屋に卸す駒に用いる名義」という事らしい(ので今の2代目竹風も作った事があるとか)。…出品者の住所を見ても「…なるほどねぇ」と納得させられる。
比較対象がなかったのでそれまではあまり気にしていなかったのだが、駒そのものは黄楊駒の中では「やや小振りの薄め」との事。大振りの駒だと正寸盤(縦1尺2寸×横1尺1寸)でないとマスからはみ出る事もあるが、自分が作ったMDFの盤(縦36cm×横30cm、マス目は38mm×32mm)でピッタリ収まるので言われてみると納得である。
ついでに(?)その盤も見せた(普段使っている盤である事、「デラックス将棋」の駒箱が内側にピッタリ収まる工夫が施されている事を説明した)。シンプルに線を引いただけの盤だけど「よくできてますね」とプロの盤師に言われたのは何だかくすぐったいというか…(笑)

折角なので(?)この際疑問をぶつけてみた。

何故普及品の2つ折りの盤は横に(5筋の真ん中で)折り曲げるものしかない(=自作の盤のような縦──5段目の真ん中──で折り曲げるものがないのか?

将棋盤は長方形なので長い辺の方で折りたたむ方が幾分はコンパクトになる(収納しやすい)はずなのだが、(木製の)普及品にそういう盤は全く見かけない(例えばプラスチック製で「中に駒を収納するスペースがあるもの」は縦で折り曲げるタイプのものもある)。…普段からこんな事を気にしている人は珍しいと思うが、いざ言われてみると疑問になる(香龍会でこの話をした時もそうだった)。
これに対する回答は

縦で折り曲げる盤を作るには「幅の広い木材」が必要になるので製作コストが高くなるから

との事。…これだけだと「・・・・・?」と思う方もいるかも知れないが、木材というのは基本的に「幅が広くなると値段が跳ね上がる」。何故なら「幅の広い木材を取るにはそれに応じた太さ(≒樹齢の長さ)の木が必要になる」から。これがMDFのような人工素材だったら単純に面積(と厚さ)と価格が比例するが、天然木の場合はそうではない(だったら木目を横向きで作ればいいのかも知れないが、それだと見た目が酷いと思われる)。
下に「超簡略化した図」を載せたが、「横に折る盤に必要な板(青)」「縦に折る盤に必要な板(赤)」を比べたら「それぞれに必要な木の太さ」が分かるかと思う。なお、芯の右側にあるのが「柾目」、上にあるのが「板目」、柾目の方が木目が真っすぐ出るので価格が高い。

イメージ 1

もしかしたら「ハギ盤(卓上盤のうち、細長い木材を何本か繋いで板状にしたもの)にすれば細い素材でも作れるのでは?」、と思った人もいるかも知れない(自分もちょっと考えた)が、ハギ盤を作る(隙間なく2枚の板を接合する)のはどう考えてもコスト的に普及品には向かないと思う。
また、縦方向に折る盤だと「2枚の板(要は「先手陣」と「後手陣」)の木目を合わせるのが大変」とも仰られた。横方向に折る盤、あるいはハギ盤だとどの板も木目は縦にまっすぐ走っているのでちょっとくらい木目が合っていなくても見た目上の問題はほとんどない(分かりにくい)が、縦折りだと2枚の板を適当に組み合わせると「折り目のところで木目がガラッと変わって見栄えが非常に良くない」。それでも見栄えをよくしようと思ったら「1枚板で将棋盤を作って、それから真ん中で2つに切って合わせる」という作業が必要になる。しかしそれでも「切断した分&継ぎ目を合わせるために削った分」は微妙に木目がズレてしまう。つまり「まだ1枚板の将棋盤を作る方が楽」なのでどう考えても普及品には向かない。
…ただ、それでも稀にそういった特殊な構造の将棋盤や碁盤の製造を依頼される事はあるそうで、これまでに「4分割できる盤(継ぎ目は家具などのように「凹凸をはめて接合する」)大将棋の盤(15×15マス)」の製作を頼まれた(※4)、なんて逸話も話していただいた。…ここまで書いて良かったのかな?(笑)

三輪碁盤店を出た後は浅間町から鶴舞線で伏見→東山線に乗り換えて名古屋→名鉄でボートレース常滑本陣駅→徒歩で中村生涯学習センターへ。前日もお会いした方が何人も。
自分が到着した時には「とある看寿賞作家の短大投稿作品」(…こんな名前のラノベってなかったっけ?)を検討中。角打角合が連続で出てくる作品で、全国大会の握り詰と言い、この連休は「角合」という言葉を飽きるほど聞いた

何となく1局指したくなって初形を並べる。
イメージ 2

…どう見ても違和感がありまくる(笑)。この日ここに持ち込まれた黄楊駒をミックスして並べたわけだが、「詰将棋の会合に3種類の黄楊駒が持ち込まれる」のはもしかしたら「新記録」かも知れない?(笑)

改めて1種類の駒で初形を並べて対局開始。ちなみにこのように駒を混ぜてしまうと元に戻す時に「ちゃんと数が揃っているか(特に歩が)」と疑心暗鬼になる(笑)。
下図はその対局で現れた局面(先手番)。先手は持駒が豊富なので「いかにも詰みそう」な形であるが…
イメージ 3
対局者がうんうん唸って考えている傍で観戦者は柿木先生を使って詰みがないか探索している(笑)。
「お願いだから『詰みました』って言わないでね」
という対局者の願いも虚しく(?)『詰みました』。最短で25手詰めだが、収束部分に余詰が沢山ある(不要な持駒を削除しても余詰がある)ので残念ながらこのままでは作品にはならない。答えは書かないので暇な方だけお考え下さい(笑)。ちなみに本譜はここから「☗7三銀☖5二玉☗9五飛」と「長い詰みより短い必至」に進んだ。
この日の参加者は1112名、2次会の参加者は9名。…全国大会の翌日の会合としては少ないのかも? この日検討された詰将棋は前述の作品くらい(強いて言うなら上図の実戦詰将棋も?)、これもある意味異例かも。

以下この日の会合(※5)の話題のネタ。

・SGオーシャンカップの優勝戦(電話投票で購入)→はずれ。
・「解図力の高い人って人間じゃないよね~」
・馬券と税金の話から「競馬新聞の購入費も経費として認めてほしい」
諸葛亮孔明の子孫同士がお互いを呼ぶ時の呼称(※6)
・同人誌「カクナリ!」内で詰将棋の解説、しかし「図面がない」(玉方1一玉、2二銀、・・・てな感じで書かれている)ので『図面書け!!』
・名古屋⇔福岡はのぞみで片道3時間20分くらい(日帰り可能か、という話)
・「玉の位置を入れ替えても成立する双玉詰将棋は作れないか?」
松阪市図書館には●島正や●田明の著書が置いてある
・新しい肩書「妖精愛好家」(フェアリー詰将棋やチェスの愛好家) …違う意味で「怪しい」イメージが漂っている
・香龍会(の番外編)を名古屋市天白区高坂町で開催したらその会合の名前は「高坂研」になる?
・2年後の全国大会(名古屋開催)のネタについて
・「今年は米、大丈夫?」→「米がなければケーキを食べればいいじゃない」
・S藤氏にとって自分(DJカートン)は「あの伝説の?!」らしい。 …どんな伝説やねん!!!

…など。
家が遠い人から先に帰路につき、完全に解散したのは19時過ぎ。自分は市内のネットカフェで一晩過ごすつもりでいた(市内のホテルはどこも高い)のだが、それをS氏に話したら「だったら家に来る?」と言われて、ご厚意に甘えて三度「豪邸」に泊めてもらう事になった。

…続く。と言っても残っているのは最終日=飛行機に乗って札幌に帰るだけなんだけど。


※1…(北から)千里中央~『江坂』~新大阪~『本町(中央線の乗り換え)』天王寺~なかもず。

※2…のぞみで新大阪~名古屋だと約50分に対し、近鉄大阪難波~名古屋は直通の特急を使っても2時間20分くらいかかる。もし「最安値(特急を使わないで乗り継ぎ)」を重視すると大阪難波~名古屋が3時間半くらいかかる。

※3…「ひかり」の自由席は1~5号車、「こだま」の自由席は1~7号車、13~15号車(下り電車の先頭=博多のほうを向いているのが1号車)。

※4…漆の線を引くために用いる刀は碁盤の線をギリギリ引ける長さで、大将棋のマスはそれより長いので普段使っている刀では線が引けない、というほとんどギャグのような落ちがついた。
なお、刀を使って線を引く技法は「太刀目盛」と呼ばれ、「本物の日本刀を用いている」と世間には思われている(各種メディアで紹介されている)が、あれは言わば「演出」で実際に使っているのは日本刀ではなく「線を効率良く引けるようにヘラを大きくしたもの(見た目が太刀のように見えるので「太刀目盛」と呼ばれる)だそうです。

※5…ノートに適当に書き連ねただけなので、1次会での話題と2次会での話題がごっちゃ(しかも順不同)になっています。

※6…「諸葛亮から見た代数」が基準になるので、例えば「54代目(現在はここまでいるらしい)」の人から見たら「52代目」は「たとえ年下であっても『祖父・祖母』」と呼称するらしい。