DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

詰将棋+ナンプレ=???

やはり自称(ナンプレを扱う)パズル作家としてはこの件に触れないわけにはいかないだろうな…(笑)

6月2日付の詰将棋メモに載っていた記事、

自分としては非常に気になったタイトルであるが、このタイトルだけでこの記事(作品)の内容を、言い換えると「詰将棋が出来る」という言葉の意味するところを正確に理解できた人は少ないのではないか、と思う。
リンク先に飛んでみる。盤面には詰将棋らしきもの?(ちゃんと詰将棋になっている、※1)が先後入れ替えて2つ並んでいる。右下と左上にある駒(角と金)説明によると初形の配置ではなく持駒だとわかる(説明されないと多分わからない)。では盤面に「書かれている」白文字の駒は?…しばらく考えた末、ナンプレの初形」を構成するパーツ(※2)であり、2つの詰将棋を構成する初形(持駒を含む、駒の向きは考慮しない)と合わせて「1つのナンプレ(マスに入るのが数字でないので「フィギュア・プレイス」と言うほうが正しいか?)」になっている、という作品である。「世界初」とあるが、詰将棋が存在するのは基本的に日本だけだし、詰将棋ナンプレの両方に精通している(?)自分が初めて聞いた、という時点で多分「世界初」だと思われる(…どういう判断基準やねん)。
…そんな自分がこの作品の意図を理解するのに数分を要したので、もしかしたら理解するのにもっと時間を要した人、あるいは未だによく分かっていない人もいるかも知れない。もしこういうタイトルだったらもっと解りやすかったかも知れない。

詰将棋(5手詰・7手詰)にもなっているナンプレ

タイトルを少し変えるだけでかなり雰囲気(わかりやすさ)が変わったのではないだろうか。まぁどうでもいいけど(苦笑)。
…で、この作品(というより構想)を見た自分の感想はというと、

「面白いことを考えたものだなぁ」

不思議なことに(?)羨望とか嫉妬のような気持ちはほとんどなかった。もしかしたらパズル作家としての「情熱」が冷めかけているのだろうか…(実際そんな気がしている)
でも、この作品を見て

・先後反転した2つの詰将棋ではなく、1つの詰将棋で作る
駒の配置(種類・向きは問わず、「駒の有無」のみで考える)ナンプレのルール──というより暗黙の了解──に従って対称形(線対称か点対称、あるいはその両方)とする
持駒は非限定(無理に盤面で表現する必要がない。どうしても拘る場合は「攻方の持駒はなし」にしてしまう)
詰将棋に使わない(リンク先の作品で言うと『白文字で書かれた』駒」は用いない
・勿論(?)飾り駒も用いない(※3)
・それで詰将棋(もちろん完全作)であると同時に「玉飛角金銀桂香歩と」の9種類を使った「ナンバープレイス(フィギュア・プレイス)にもなっている

という作品を作ってやろう、という意欲は…芽生えていない(笑)。あくまで構想として考えただけだが、もしそんな作品が本当に作れたら詰将棋の出来にもよるが)看寿賞特別賞」がもらえるんじゃないか? なんて事を想像してみたりもする(笑)。
ただ、仮に意欲があったとしてもそのような作品を作るには「膨大な時間(暇)と技術」を要するのだが、生憎今の自分にはその両方がない。でももしかしたら世の中には「作ってやろう」と考える酔狂な人がいるかも知れないのでいくつかヒントを。

初形の駒配置は最低でも18枚必要(それ以下では「ナンプレの完全作が作れない」)
9種類の駒のうち1種類は初形に存在しなくてもよい(2種類以上を省くことは理論的に不可能)
縦に並ぶ3ブロックのうち、2列以上が空白(初期配置なし)は不可能
…言葉だと説明しにくいのだが、下図のような1筋と3筋に駒(数字)がない初形はナンプレだと解く事ができない。当然ながらこれが「2筋と3筋」とかでも同様だし、横方向(1段目と3段目)でも同様。初期配置のない列(や段)が異なるブロック(「3筋と4筋」とか)なら解く事ができる(画面左にある「自分のプロフィール画像にしているナンプレ」がその例)。
イメージ 1
「最低いくつ必要か」はあまり考えた事がないのだが(苦笑)、過去の自作に「縦(か横)に並ぶ3ブロック(27マス)中に初期配置4つ」というのがあったので、4つあればまず間違いない。ただしそれをやると他のブロックに沢山の初期配置(駒)が必要になるので見た目の美しさにも拘る方にはオススメできません(笑)。

それぞれの理由を論理的に説明(証明)すると時間がかかるので割愛します。
…それでは、健闘は祈りません(笑)。

P.S.「世の中暇人はいるものだから、もしかしたら過去にそういう作品はあったかも知れませんね(笑)。


※1…意地が悪い自分(笑)はこの2作品を柿木将棋9にかけたが、余詰はなし。

※2…以前も書いたが、ナンプレは必ずしも(その数字による計算要素を含む問題でもない限り)「1~9」の数字である必要はない。例えば平仮名、アルファベット、「水金地火木土天海冥」のような「9個で1グループとなっている言葉」とか、アプリだったら「セーラー戦士9人(の顔)」なんてのも作れそうである(「金と暇と技術」があれば作ろうと思うかも知れないが、今の自分にはそのどれもない)。

※3…この2つはちょっと意味がわかりにくいので補足すると、

詰将棋に使わない(リンク先の作品で言うと『白文字で書かれた』駒」
これが存在すると詰将棋に影響が出る、かつこれがないとナンプレが解けない
飾り駒
あってもなくても詰将棋には影響がない、しかしこれがないとナンプレが解けない

…という意味。