DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

名古屋・2

5月30日、予定通り第76期名人戦第5局(の大盤解説会)を見るために名古屋へ。

イメージ 2

会場の万松寺(地下鉄名城線上前津駅」そば)は16世紀に織田家菩提寺として建立、移転や(名古屋大空襲による焼失からの)再建を経て今も続く古刹であるが、名人戦開催を知らせるこの看板はLED(だと思う)による「21世紀仕様の」電光掲示板である。映っている人の群れはこの日限定の「御朱印札」を求める人の列で最長で「5時間待ち」になったとか。

当初の予定にはなかった事として、この日所用で名古屋に行くという「元M先生(以下『M先生』と書きます)」氏と会場の近くで会う事になった。
自分は11時くらいに解説会会場(ホテルの方)に着いて先に受付を済ませ(後からだと「満席」だったのでこの判断は正解だった)、その後近く(万松寺=↑の写真の場所からは「徒歩数秒」)のゲーセンで暇つぶし。…自分がゲーセンでやる事と言ったら大抵「ノスタルジア」なのだが(笑)、そのゲーセンで見かけたものが…

イメージ 1

ズバリ「飛車」である。「王将」もあったが自分が取った(取れた)のは飛車だけ。携帯中継や名人戦棋譜速報でもこの「将棋の駒BIGクッション」が取り上げられている。毎日新聞副立会の田村康介七段がこれを獲得しようと奮闘(?)しているところを見かけた。朝日新聞副立会の杉本七段も挑戦して400円でGETできたという。

2日目の14時過ぎの時点で「控室には『王将が4つ、飛車が3つ』あった」という。対局と解説会が終わって「予想より早く終わったからちょっくら『奏でて』から帰ろうか」とゲーセンに向かった時に「駒」を2つ持っている田村七段とすれ違ったので、控室の駒を「増殖」させていた犯人(?)は田村七段らしい(笑)。
杉本七段は「ゲーセンの店員に機械の設定を激甘にしてもらった」と告白していたが、実際あの手のクレーンゲームは「アームの強さなど」を調整できてしまう。中でも今回の機械(アームが3本あるタイプ)というのは「掴む・持ち上げる時は握力があるが、それを出口に運ぶ時に握力が抜ける(掴んでいたものを落としてしまう)」ような仕様になっている。

「…そんな事されたら絶対取れないじゃん」

と思われる人もいると思うが、一定の確率で、あるいは投入された金額が設定額以上になると「出口に運ぶ時も握力が抜けなくなる」、という(言わばパチンコやパチスロのような)からくりになっている。「激甘設定」というのはその「ランダムの確率」あるいは「設定金額」(のボーダー)を下げた、という事になる(勿論純粋な「握力」を設定する、というのもある)。
…こう書くと以前「絶対に景品が取れない設定にした機械(※1)で遊ばせた経営者と店員が詐欺容疑で逮捕された」というニュースがあった事を思い出された方がいるかも知れない。…今の筐体はこういう事ができてしまうのである。

話がそれた。そのゲーセンのところでM先生と合流。近くのファミレスで昼食を取りながらいろいろな話題で歓談。その様子はさながら「香龍会の○次会」といった風情(だったと思う)。
取り上げられた話題(の一部)は

・3年後の詰将棋全国大会(名古屋で開催予定)での催し物の案(M先生曰く「著作権に引っかかる」のでここでその内容を書く事は控えます)

・(↑から派生した)「特許」について。ちなみに「音ゲーのシステム」はその大半が特許になっている(ので違うメーカーが「酷似したシステムの音ゲー」を出す事ができない。なお「beatmania」のシステムについては特許が切れている)

・近年増えている「将棋を題材とした漫画や小説」について。大半は「りゅうおうのおしごと!」のアニメについてだったような(笑)。

詰パラ5月号に掲載された拙作について、それと6月がいつ来るか(自分の手元には31日に届きました)

・競馬にまつわる様々な「データ」。今週末に行われるGI「安田記念」についても興味深いデータが…

浜松市(あるいは浜松市をモデルとした都市)が舞台となっているアニメが多い事(自分は「名前すら知らない」という作品が多かったが)

藤井聡太七段はこの日会場に来るのか来ないのか。自分は「授業中ですよ(つまり「来ない」だろう)」と言ったが、終わった後に直接会場に来ている(詳しくは後述)。

・「常務理事として」森下卓九段は来ないのかな?(…来ませんでした)

…などで約3時間。肝心の名人戦は携帯中継で時々確認する、という程度で完全に主目的が入れ替わっていた(笑)。
その後「駒」を置いていたゲーセンのノスタルジアでM先生の見ているところで1回プレイ(※2)。…よりによって「プレイヤーの腕を破壊しそうな曲」ばかり選んだのは何故だろう(笑)。

16時の少し前に解説会場の前(ちょうど杉本七段が入っていくところだった)で解散。…その時に来月の香龍会(6月10日)に強制参加する事が決定事項になってしまったようである(笑)。…そういうわけなので、2週間後には「名古屋・3」というタイトルで6月の香龍会について書くと思います。
16時には会場はほぼ満席(しばらくして「完売」に)。杉本七段の「激甘設定にしてもらった」もここで出てきたもの。
解説会自体は「普通に」進行していく。

…「普通の」解説会に物足りなさを感じてしまうのはやっぱり自分が「森下教信者(森下九段や島九段の解説が「基準」になっている)」だからだろうか?(笑)

解説会ではその話は出てこなかったが、17時20分頃に藤井聡太七段が控室に来ている(携帯中継や名人戦棋譜速報で確認)。結局解説会には顔を出していないが、もし出てきていたら会場が混乱していたかも知れなかったので正しい判断だったかも知れない。

18時からの休憩時間に「次の一手クイズ」。
イメージ 3

候補手は「△5七銀」「△4二銀」「その他」。
自分は「△5七銀」と予想したが、後刻振り返ると「佐藤名人の棋風からしてそれはないよな」という事に気づく(笑)。実際次の一手は△4三桂だった。…やはり自分はこの手の予想が当たらない(笑)。
以下数手で羽生竜王投了。△5七銀以下の詰手順(6八でばらして「△5九角」以下)は控室で藤井聡太七段が指摘していたというが、解説会でも「変化のひとつ」として解説された時に解説会参加者の「天才少年(中座七段の表現)」が指摘していた。

解説会が終わって帰る前にゲーセンに立ち寄って「王将」も取ろうかな、と思ったらその機械の前には行列が(クレーンゲームの順番待ちなんて滅多に見られない)。商品の在庫も昼前に見た時から半分以下にまで減っていた。仕方ないので獲得は断念してノスタルジアをプレイして帰宅。

感想戦で最終的な敗着は43手目の▲3五歩だとされた。…これが指された時、まだ自分は名古屋方面行のJRの中だった(当然M先生と会う前である)。…現代将棋って恐ろしいなぁ(笑)。
感想戦は盤側で藤井聡太七段がその始終を熱心に聞いていたという。かつて森下卓「四段」がA級順位戦(当時は「名人戦挑戦者決定リーグ」という名称だった)の米長-加藤戦の感想戦の始終を盤側で聞いていた、という話を思い出したのは自分くらいだろう(笑)。


※1…こちらは「アームについているカッターで景品を釣っている糸を切る(切って落とした景品を獲得)」というタイプの機械。こちらの機械は「糸がある位置でアームを止めようとしてもそこからアームが(刃が糸にかからない位置まで)滑る」ようになっている。そしてそうなる(つまり「取れない」)確率を「100%」に設定していたと言われる(その手の事情に詳しい人から聞いたところによると「違法な改造をしないと確率0にはできない」らしいのだが…)。

※2…M先生と合流する前にその向かいのゲーセンで1回プレイしたのだが、「椅子の高さが合わなかった」事で消化不良(?)だったのに対し、そちらのゲーセンは椅子の高さがちょうど良かったので「付き合わせる」ような形でプレイした。