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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

グレートマザー

「グレートマザー」ことボートレーサーの日高逸子が8月19日付で引退、というニュースが22日に発表される。…当然ながら(?)滅茶苦茶驚いた。囲碁界では19日に最年長の杉内寿子(かずこ)八段が20日付で引退(21日付で九段に昇段)というニュース(どちらも取材で「もう無理」という主旨のコメントをしている)があり、「これはどういう偶然なのか?」と思ったものである。スポーツ紙はほぼ全てで報じている一方、地元(宮崎県串間市出身)の宮崎日日新聞でもこの事を報じている。

 

女子戦の整備がほとんどなかった時代(デビューは1985年、LCの第1回開催は1988年)から女子レーサーの草分け的な存在の一人として活躍を続けビッグタイトルはレディースチャンピオン2回(1989年、2005年。前者の時代は格付けがGⅡ)、クイーンズクライマックス1回(2014年。結果的に「LCとQCの両方を制覇した最初のレーサー」となった)マスターズチャンピオンでも準優勝する(2013年)など、男子と混ざっても一線級の活躍を続けて来られた。2児の母でもあり、いつしか「グレートマザー」の異名を奉られるように。大怪我やF3を乗り越え、60歳を過ぎてもバリバリのA級レーサーとして女子選手としての最高記録(獲得賞金11.44億など)や最年長記録(60歳5ヶ月で優勝、63歳6か月で1着)も次々と打ち立て、とあるレーサーは彼女の事を「妖怪」と評したとか。

 

ボートレーサーには舟券の勝ち負けなどという小賢しさ(?)を超越した存在」というのを時折見かける(競馬ではまず見かけない)が、彼女も間違いなくそういう存在の一人である事は間違いない。無論これまでに数えきれないほど舟券に貢献してきた(生涯勝率6.69…平均で3着未満)のも事実だが、それ以上にボートレースに向き合う「姿」が後輩レーサーやファンの畏敬の念を誘っていたのも間違いがない。2014年のQCは現地で観戦しているが、その時には既に「舟券を超越した存在」になっていたと思う。

 

「スッパリ辞める事に致しました」

という決断(↑は本人のブログより引用)は簡単なようで難しいと思う。要するに「未練がない」、別の言い方をするなら「全力で戦い切った」わけで、中途半端な生き方しかしてこなかった人間というのはほぼ例外なく「まだできるはず」などと中途半端な未練で現役にしがみつこうとする。いくつになっても権力にしがみついて離れようとしない老いぼれ、いくつになっても車(運転免許)を手放さず挙句の果てに高速道路を逆走するボケ老人… そういう輩が多い昨今だからこそ彼女のように「スッパリ辞める」決断が光って見えるのかも知れない。まして今例に挙げたものはボートレーサーと違って「向上化ルール(以前も書いた「連続4期の通算勝率が3.80未満の選手は強制引退」となる制度の通称)」のようなものが存在しないから…【*1

 

今後については何も話は出ていない。本人は「もう1回世界一周旅行したい」と仰っている(4月に「しばらく休みたい」と言ってその後のレースをすべてキャンセルした後世界一周旅行をしていたという)そうだが、おそらく全国のレース場やBTSをメインとしたイベントなどに呼ばれる可能性はかなり高い。…こういう時に

「何で札幌にBTSがないんだ!」

と叫びたくなる(笑)。…いっその事競馬(来年以降の札幌競馬)でもいいから呼んでくれないかな、とか勝手に思ったり。

*1:記事を書きながら「今後はボートレースに限らず成績不振や適正喪失による資格剥奪の制度(の喩え)をこう呼ぶのもいいかも知れない」とか思ったり。