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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

第66期王将戦第6局(の1日目)

アニメ「3月のライオン」を見ていて思った事。第19話あたりで島田八段が獅子王戦(現実の竜王戦に相当?)に挑戦しているが、その相手、つまりタイトル保持者は「宗谷名人」と呼称されている。普通その棋戦におけるタイトル保持者は他の所持タイトルに関わらずその称号で呼称される。例えば(これを書いている時点では)渡辺竜王棋王戦の舞台(や主催紙)では「渡辺明棋王」だし、佐藤天彦名人もドワンゴのサイト上では「佐藤天彦叡王」である。なので同様に3月のライオンでも獅子王戦の舞台では「宗谷獅子王」と呼ぶべきだと思うのだが、何故周りの人間は皆「宗谷名人」と言うのだろう、と。…謎である。

与太話(?)はさておき、第66期王将戦第6局が3月14、15日の日程で浜松市「浜松グランドホテル」で行われる。
タイトル戦が行われる時はそれに付随するイベント、大盤解説会や前夜祭なども行われるが、残念な事に(?)今回の第6局の前夜祭は関係者オンリーらしい(連盟のHPにもグランドホテルのHPにも詳細が載っていないのでホテルに直接聞いた)。
仕方ないので(?)13日は上下の「ひかり」の時間に合わせて(※1)浜松駅の新幹線改札前で「出待ち」。…15時10分頃、井上九段(理事として来訪)を先頭に大阪組が「ひかり470号」で到着。その25分後、正立会人の森下九段を先頭に東京組が「ひかり475号」で到着。
早速森下九段に挨拶。…って、主役を放置(?)して何をやっているのでしょう(笑)。鈴木環那女流二段も(久しぶりに)見かけたが、他の関係者(タクシーでホテルへ)とは別行動。一体どこに行ったのでしょう?

14日(1日目)は14時からホテルで大盤解説会。浜松に来る前にも来てからタイトル戦の現地大盤解説には何度か行っているが(※2)、意外にも?「2日制の1日目」は初めて。平日、しかも1日目なのか来場者は20人くらい?(最前列にいたので正確な人数を把握していない)。解説担当は順番に「青野九段vs飯塚七段」「井上九段vs高見五段」「森下九段vs佐々木大地四段」「飯塚七段vs紋蛇記者」(※3)。高見五段(本来の表記は俗に言う「はしご高」だが機種依存文字なのでここでは「高」と表記)と佐々木四段は「勉強の為」と飛び入り参加だった(高見五段は翌日が対局なのでとんぼ返り)。また最後に観戦記者が出てきたのは他に担当者がいなくて飯塚七段が「引っ張り出した」との事(※4)。
2日制(の1日目)で進行がゆっくりである、というのもあってか(普段はネット中継でも書かれないような)序盤の何気ない手(に潜む罠)の解説だったり将棋界の四方山話(森下九段による表現)で会場は盛り上がる。本来なら自主規制を考えるネタもあったのだが、せっかくなので(?)いくつかネタバレ。

・かつて石田和雄九段が立会人を務めた対局でその時一緒に大盤解説をした井上九段が封じ手の時間に対局室に入ったら部屋を映しているカメラに向かってピースして下さい」とお願いしたら石田九段は本当にピースをした(!)
…まるでK七段みたいなエピソードであるが、言われてみると石田九段は(失礼な言い方になるが)お茶目なところがあると思う。確か6年前に浜松で行われた名人戦で立会人を務めた時、封じ手の封筒の「挑戦者」の欄に間違って「九段 石田和雄」と書いてしまって(立会人の名前を書く場所はその下の方にある)「これは私の願望。夢の跡だよ」と言って控室を爆笑させたとか。

・昔は「例会の前日の順位戦に限ってやたら(しかもほとんど意図的に)感想戦が長くて記録係(の奨励会員)泣かせだった」
…森下九段曰く「今だったら労働基準法とかに引っかかりそうな話」。

・(この日2回行われた)次の一手クイズでスマホカンニングはしないで下さいね」(当然ながら?出題時間中は対局室を映しているモニターは切っている)
今の時代では完全にブラックジョークである(笑)。

17時47分頃、郷田王将は大きなくしゃみをする。
17時52分頃、立会人の森下九段(和服に着替えている)が入室。もちろんカメラに向かってピースはしていない(笑)。
17時59分頃、手番の郷田九段が一時退室(トイレ?)、2分後に戻ってくる。
18時00分、封じ手の時間になるが郷田王将はすぐには封じない(↑が封じ手を書きに行った行為だと思ったら違った)。
18時07分、郷田王将が54手目を封じるために別室へ。それを待つ久保九段は「戦闘態勢」を解く気配はない。飯塚七段曰く「強い人で封じ手を待っている間に気が抜けている人は見た事がない」。
18時14分頃、郷田王将が戻ってきて久保九段が封印を施し(封筒の封じ目の部分に赤ペンで署名)、封じた人(今回は郷田王将)から立会人の森下九段に手渡される(この瞬間を撮影するためにわざと静止する)。その後郷田王将が駒を駒袋に仕舞い(※5)、駒袋を駒箱に入れて盤の中央に置き両対局者と立会人、記録係が一礼して1日目が終了。

この封じ手に関わる一連の所作を観れるのは大盤解説会1日目の特長と言えるかも知れない(最近だとニコ生でも見れるっぽいが)。
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…指しかけの局面。封じ手予想は森下九段は△8六歩、記録係の山本三段は△9三角、ツイッター解説の矢倉七段は△4二銀。副立会人の飯塚七段は△8六歩としながらも「△2三玉という可能性も少しはある」。自分はその△2三玉を本線に考えたが、この日2回の次の一手はどちらも外しているので的中する可能性は限りなく低い(笑)。

2日目(15日)は仕事の為解説会に参加できないので結果は携帯中継や中継ブログで知るだけ。久保九段が出だし3連勝したことで「第6局はないかも」と対策(有休)を取らなかったのが悔やまれる(笑)。


※1…浜松に「のぞみ」は止まらない。また「ひかり」は1時間に1本止まるのでわざわざ「こだま」を使う理由はない、と思った。

※2…何年か前に「ホテルニューオウミ(滋賀県近江八幡市)」で行われた竜王戦大盤解説会に浜松からはるばる参加したこともある。…この対局の立会人も森下九段だった(笑)。

※3…普通なら「○○△△」と表記するところだが、何となく気分で「○○vs△△」としました(2人のアーティストによる合作であることを「○○vs△△」と表記する事がままある)。2人の解説者が戦っていたわけではありません(笑)。

※4…青野九段、井上九段らは所用の為先に帰り、森下九段は立会人の仕事の為17時30分頃に退出、浜松在住の神谷八段は2日目に登場予定。また鈴木環那女流二段も所用で13日の午前中に東京に戻ったらしい。

※5…まず駒台の駒を全て盤上に置き、玉→飛車→角→…と価値の高い順に枚数を数えながら袋に入れていく。玉を最初(袋の底)に入れる事で出したときに玉が「山の一番上」に出てくるので並べる時に見つけやすくなる(逆にすると玉が「山の中」に埋もれてしまって見つけにくい)。