DJカートン.mmix

態度や言葉遣いが異様に丁寧な人は「裏の顔」を持っている可能性が高い。

ダウトみーっけ!

今回の記事は「りゅうおうのおしごと!」に関するネタバレ。なので読まれる方は自己責任でお願いします。また読む人(主にこの作品の「信者」?)によっては極めて不快な気持ちに陥る可能性もありますので、そちらの方も自己責任でお願いします(この件に関する抗議・批判のコメントは読まずに削除される、とお考え下さい)。
…以上の事を御了承いただける方のみ下の方へお進みください。

…反転部分は本文の後にある、という解釈(?)でお読みください。
・8ページの盤面はダウト
…と言ってもダウトなのは盤面そのもの(投了図があり得ない形になっている、とか)ではない。
第75期(2016年度)順位戦よりB2以下の順位戦は持ち時間が「チェスクロック方式」に変更されている(そうなった事情等は割愛する)。同ページの図面にも

持時間各6時間(チェスクロック方式)

と書かれている(作品中の順位戦は「第76期」)。…この点に関しては全く問題はないのだが、ダウトなのは「終局時の消費時間」
ストップウォッチ計時の対局では「全て使い切った時点で時間切れ負け(最後の1分になった時点で秒読み)」なので、持ち時間を目一杯まで使った場合「消費時間=持ち時間-1分」となる。一方でチェスクロック方式での持ち時間は「全て(順位戦の場合は6時間)使い切った後に秒読み」なので、持ち時間を目一杯まで使った場合「消費時間=持ち時間」となる。
では問題の図面ではどうなっているか。消費時間は2人とも「5時間59分」になっている。…現実にはチェスクロック方式でも「消費時間双方5時間59分で終局」という事はあり得る。ただし、それが実現するには「終局時間が23時18分の近辺」でないといけない(10時開始で「休憩40分×2回」+「5時間59分×2人」)。しかし新聞解説では「深夜に及ぶ激戦は、・・・」となっている(厳密な基準はないが大抵「深夜」と言ったら24時以降である)。また投了図も「秒読み(1分将棋)に入る前に到達した」局面だとはとても思えない。
…一応「理論的にはその場面が出現する可能性がある」かも知れないが、自分は単に

「作者が持ち時間のシステムを正しく理解せずに場面を作った」

だけだと思う。

・小学生である椚創多が順位戦の記録係を務めている(114ページ)のはダウト‥?
別に小学生が中学生でも同じだが、「平日に(順位戦が土日に行われる事は基本的にない)」、つまり「学校を休んで」記録係を務めている事になる。
何らかの理由(学校の創立記念日とか)で学校が休み、といった説明があれば問題なかったが、そういうものがない以上「?」が付いてしまう(しかも順位戦のような持ち時間の長い=遅い終局が予想される棋戦の記録なので労働基準法に触れる可能性もありそう)。ちなみにこの対局は順位戦のラス前(2月に実施)なので「学校が冬休みor春休み」という理由は100%あり得ない。

…まだ引き返すチャンスはあります。
念のため(?)【御了承いただけない方の為の出口】(←クリックするとYahoo!のトップページに移動します)

・将棋界に公式な「レーティング制度」はない(125ページ)
…もっとも個人的に(当然将棋倶楽部24とは全く別物の)プロ棋士のレーティングを算出している暇人(?)がいるらしいので「ダウト」とまでは言えない(そういった非公式のものが「準公式」っぽい扱いになる事は往々にしてあるので)。

・(椚創多が)銀子に敗れて最速で三段になるチャンスは逃したものの、次の例会では何事も無かったかのようにきっちり三段リーグ入りを決めてきた(144ページ)…はダウト

先ほども書いたようにこの作品には「理論的にはその場面が出現する可能性がある」シーン、言い換えるなら「理論的にはギリギリダウトでない」と言い逃れができそうな(だけど実質ダウトと言っても過言ではない)出来事が沢山あるのだが、これは「理論的にダウト」と断言できるちなみにこの文章だけが独立して存在したのであればダウトではない。この出来事が「理論的にダウト」になる理由は6巻にある
椚創多は二段昇段後7連勝で三段昇段にリーチをかけている(6巻284ページ)。しかし8連勝目の対局は前述のように銀子に敗れたため、二段昇段後の成績は7勝1敗である。
ここから三段に昇段する為に必要な最速条件は「12勝4敗」(これも6巻284ページ)、つまり「5勝」しないといけない。しかし有段者の例会は「1日2局」である(6巻283ページ)。
…ここまで書けば何がダウトかお分かりいただけたと思う。つまり

連勝での昇段を逃した椚創多(奨励会二段)が「次の例会で昇段を決める」事は理論的に不可能

なのである。…厳密に言うと二段昇段後○○○○●○○○○○○(7連勝と11勝1敗を同時に満たしている)だったら次の例会で三段昇段を決める事は可能だが、前述のように「1級の時点から無敗(なので上記の星取はあり得ない)」なのでやはりダウト。

…ついに言い逃れできないダウトが出てきた、という事で妙に嬉しくなってしまった(…どういうこっちゃ)。
ここで熱心な信者は「フィクション(現実とは規定が違う可能性がある)だろう」などと反論(というか擁護?)してくるかもしれないが、前述のように本編中で奨励会のシステム(現実と同じか否かは関係ない)を表記した上で「そのシステムではあり得ない展開」になっている。つまり

自分で決めたルールを自分で破っている

のである。これを擁護する方法を自分は知らない。
…「見なかった事にしておけ」って? …無理(笑)。

この作品は当初から「存在そのものがダウト」のような突拍子もない(設定・能力を持った)人物が多数出てくる。主人公の九頭竜八一しかりその弟子の雛鶴あいしかり… (作品中で)永世七冠に王手をかけている「名人(現時点では名前がない。関西のファンからは『鬼畜眼鏡』なんて言われている)」が普通の人に見えてしまうくらいである。
ラノベ(というよりフィクション全般)としてはこのくらいの方が面白いのかも知れないが、一方で将棋界をおもちゃにされているようで自分のような心ある将棋ファン(…自分で言うなからしてみると見ていて気分のいいものではない。非常に言葉は悪いが

「世間にはアホが多いからこういう作品が流行る(支持される)」

とさえ思ってしまう(どうでもいい事だが自分が最初にこういう感情を持った作品は「マリオカート」シリーズ)。後の巻で登場した「存在そのものがダウト」と言える人物として…

・ブルーノ・レドモンド九段
この人物そのものはまだ登場していないが、女流棋士の師匠として名前がある(4巻113ページ)。

…最初にこれを見た瞬間

「…アホか?」

と思った。現時点で外国人の棋士と言えばポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカ女流1級しかいない(奨励会に中国の少年がいた事はあった)。現実の将棋界と多少のズレがあるのはともかく(例えば前述の「名人」は「九頭竜竜王に挑戦する段階で」タイトル99期)、これは「多少のズレ」という次元の話ではない。ましてや「レドモンド」と言ったら囲碁棋士マイケル・レドモンド九段)である。作者の頭の中で囲碁界と将棋界がごっちゃになっているとしか考えられない。

・天辻󠄀埋(てんつじ うず)
…本名よりも雅号である本因坊秀埋(ほんいんぼう しゅうまい)、あるいは通称の「シューマイ先生」という方が分かりやすいかも。
女性として囲碁の七大タイトル(しかも棋聖・名人と並び「大三冠」の1つとされる)本因坊女流本因坊ではない)を獲得、それと同時に代々続く「盤師(将棋や囲碁の盤を作る人)でもある。
…この時点で十分「存在そのものがダウト」っぽいが、個人的には「そういうのもありかも」と思える人物ではある(※1)。しかしそれ以上に

「泥酔状態で日本刀を振り回しながら『お●んぽ』と連呼する」

というのはどう考えてもまとも(な設定)ではない
所持している日本刀は「商売道具」だから当然ながら銃砲刀剣類所持等取締法(所謂「銃刀法」)に登録されている=所持が許されているものであろうが、だからと言って将棋会館のようなところで「むき身で」振り回していいわけがない。そもそも同法律によると

都道府県公安委員会はアルコール、麻薬、大麻、アヘン、または覚醒剤の中毒者に銃砲・刀剣類の所持を許可してはならない

となっている。…もはや完全にダウトじゃん(笑)。

ちなみに自分は本因坊○○」という雅号は「名誉本因坊有資格者(5連覇か通算10期)」のみが名乗れるもの、と思っていたが(ちなみにこれを書いている時点での本因坊井山裕太七冠は6連覇中で有資格者、「26世本因坊文裕」)、実際は名誉称号の資格がなくてもタイトル保持中は「本因坊○○」という雅号を名乗る事ができる(義務ではないので例えば囲碁界初の五冠となった張栩九段は本因坊獲得時に雅号を名乗っていない)そうである。

・椚創多(くぬぎ そうた)
…名前からし藤井聡太五段の活躍を見て拵えられたキャラであるのは想像に難くない。
容姿は一言で言えば「男の娘」、しかし将棋は「小学生で奨励会三段(現実にある佐々木勇気現六段の「13歳8ヶ月」の記録を2年くらい上回っている)」という化け物。「読み筋が(盤面ではなく)符号で浮かぶ」というその少年を銀子は「コンピューターそのもの」と評している(6巻315ページ)。
それに加えて「歯に衣着せぬ」という表現がピッタリ当てはまる「極度の毒舌」(ただし「将棋以外」でもそうなのかはわからない)。それこそ銀子の言葉ではないが「人間としての感情を持っていない」マシーンのような物体と言っても過言ではない。
…自分はこの手の人間が(フィクションであっても)大嫌いというのもあるが、そもそも「何をどうやったらこのような人間が出来上がるのか」という理論が見えてこない。それこそ魁!男塾」に出てくる人物(敵味方問わず)のような「人道のかけらも存在しない特殊施設(※2)で育てられた」のではないか、と想像してしまう。
…まぁそんなだから「人間としての感情を持っていない(ような)」という人物像が当てはまるのかも知れないが、いずれにしても彼もまた「存在そのものがダウト」と言っても過言ではない人物と言える。自分が作家だったらこのような人物は(いた方が面白いと分かっていても)登場させない、あるいは登場させても話の途中で(事故とか病気とかで)死んでもらうだろう。完全に無意味な仮定の話であるが、もし自分が「『りゅうおうのおしごと!』8巻(以降)のストーリーを決めていい」と言われたらまず最初に「椚創多をどのように殺すか」を考える(笑)。

ちょっと話がズレるが、もし彼のような人物が存在して「最短(全勝)で奨励会を駆け上がったとしたらどれだけの期間を要するのか」

・5級~1級への昇級…各1ヶ月(6連勝で昇級、級位者は1日3局)
・初段への昇段…1.5ヶ月(昇段条件は8連勝なので例会3回分)
・二段、三段への昇段…各2か月(8連勝で昇段、段位者は1日2局)

1日の対局数は「例会開始時の段級位で決まる」ようなので(直近に実例あり)、このパターンの場合初段昇段後もう1局指す事になる。また2・1級の人は初・二段と香落ち(の下手)で指す事があるが、この場合級位者でも1日2局になる。これが2回あると初段への昇段に2か月要する事になるが、今回の試算ではそれがないものとする。
…これらを全て足すと「10.5ヶ月」。奨励会試験は毎年8月、入会者の最初の例会は9月下旬(月2回の例会を便宜上「上旬」「下旬」とする)なので、「入会翌年の7月下旬の例会(の1局目)」で三段昇段を決めることができる、というのが理論上の最短である。

…では椚創多はどうか? 1月下旬(以外には解釈できない)の例会でに三段昇段をかけた対局を行っているので「理論上の最短記録」ではない。

その対局(半年前の銀子二段vs椚創多1級)では私が負け、そして私が二段で停滞しているあいだにこの異星人は同じ二段まで無敗のまま昇ってきた。その連勝は今も続いている。(6巻287ページ)

とはあるが、それより前(2級以下の時代)の成績が不明なので(「これまで奨励会で無敗」という類の記述も見当たらない)、そこで何回か負けていて結果として「理論上の最短記録+半年」を要した、という事であればダウトでも何でもない。

…ただし、この人物だから「実はそれまで無敗だった」という可能性もないとは言えない。もしそうだった場合考えられるのは

・作者が奨励会のシステムを正しく理解していない
・何らかの事情で奨励会を半年ほど休会した

の2つ。前者は仕方ない(?)としても、後者だとしたら「将棋をなめている」としか思えない(椚創多が、そして作者が)。ちなみに椚創多が「6級より上の級で奨励会を受験した(今は全くと言っていいほど見られないが制度上は可能)」という可能性は

・・・椚創多が六級で奨励会に入会した時・・・(6巻286ページ)

とあるのであり得ない(※3)。

…とまぁ、この作品には「極めて非現実的ながら『理論上はあり得る』(のでギリギリダウトを逃れている?)出来事や人物が多いのだが(※4)、もし狙って書いているのだとしたらこの作者は天才か○○か、と思う。しかしついにと言うか「理論上のダウト」があった。

 

…そのダウトは何かって? もう書いていますよ(笑)。
この作品は時に精緻に調べている(と思われる)箇所もある一方で「詰めが甘い」箇所も多数あって中途半端な印象が拭えない。例えば順位戦のB2以下では師弟戦は組まれない」事を清滝九段が知らなかった(7巻311ページ)、というのは「プロ棋士がそれを知らないなんて事はあるの?」と思ってしまう(※5)。

今回の記事はいつもより内容(文字数)が多い割には1時間余りでダーッと書き上げてあとは微修正(※6)。誰かが「人の悪口は書きやすい(筆が進みやすい)なんて言っていたような気がするが、今回の記事もそれに当てはまる(から短時間で一気に書けた)のだろうか…?(笑)


※1…他にも「A級・タイトルホルダーにして『ボイラー技士(国家資格である)』」なんて人(生石充玉将)もいるし、現実世界にも『○○にして△△』という人は時折いる。おそらくは贔屓の噺家桂文之助師匠が「名跡を襲名するほどの落語家にして気象予報士(合格率5%前後の国家資格である)である事も影響しているのかも…?(笑)

※2…一例としてどこからとなくさらってきた子供同士で殺し合い(子供の数の半分だけの食事を用意して、それの奪い合い)をさせ、最後まで生き残った一人をさらに過酷な訓練で育て上げる、なんて施設(を潜り抜けてきた人)があった記憶がある。

※3…彼だったらアマチュア6大棋戦(アマ竜王戦、アマ名人戦、アマ王将戦支部名人戦赤旗アマ名人戦、朝日アマ名人戦)のいずれかで「史上最年少優勝」して三段リーグ編入試験の資格を取得→試験を抜けて三段リーグ入り→(所属可能な4期以内に)四段昇段、というルートの方が早いんじゃないか、と思ってしまう。

※4…今思うと八一のプロデビュー戦(3巻8~16ページ)の相手がB1の山刀伐尽七段(なたぎり じん、クラスと段位は対局当時、その後A級八段になっている)、というのもこれに属する話である。
「10月1日付昇段の新四段がデビュー戦でB1棋士と当たる可能性がある棋戦」は竜王戦王将戦(作品内での玉将戦?)くらいしかない。このうち前者は負けていたらその後竜王位に就けていないので、残る可能性は後者。
・次期の一次予選は年末に開始する
・B1棋士は一次予選からの登場(一次予選が免除されるのは前期リーグ陥落者・A級・タイトルホルダー)
・(藤井聡太四段がそうだったように)デビュー戦が年末というのは別におかしくない
…ので規定上は一応あり得る。…でも王将戦一次予選でB1棋士は1回戦シードになるのでやっぱりダウトかなぁ?(笑)

※5…以前ここでネタにした「鍵のかかった部屋(第3話・盤端の迷宮)」の原作のほうでは「B2で師弟戦が組まれる」というダウトがあった(ドラマではその描写はない)。

※6…最初に書き上げた時点では藤井聡太「四段」だった(ご承知の通り2月1日付で五段昇段)。