3月18日に日本将棋連盟は清水市代女流六段が4月1日付で女流七段に昇段、と発表した(同時に里見香奈女流四冠(女流五段)の女流六段への昇段も発表された)。
…「七段」というと以前このブログでこんな記事を書いた。
女流棋士では初となる「七段」、という事で、藤井聡太「七段」の時ほどではないが、
「ついに女性で初となるTHE SAFARIクリア者誕生」
なんて素っ頓狂な事をほざく輩が出てくるのではないか、などと素っ頓狂な心配をしてしまう(笑)。
現行の制度では女流六段以上は「抜群の成績と実績を理事会で審議の上決定することがある」とされている【*1】。なので女流六段以上、特に女流七段に関しては「名誉段位」のような要素が何%か含まれているのかも知れないが、女流タイトル43期などの「抜群の成績と実績」は女流七段の地位に異論をはさむものではないと思う。それに他の業界でも、例えば柔道や弓道の九段以上も「審議の上で決定される」というので将棋界だけが(決め方が)特別いい加減というわけでもないと思う【*2】。
ここでちょっとした疑問。
・そもそも「段級位」という制度はいつ頃生まれたのか?
・何故段位は「八段」を最高位(九段以上は「名誉段位」)とする事が多いのか?
「段位」というのは江戸時代の碁所で誕生し、それが将棋界にも適用され、後に武道などでも使われるようになった、という事らしい。また「1級の上が初段」というつながりも囲碁界で生まれた制度っぽい。
後者については上記の時代から囲碁、将棋ともに「歴代の名人(世襲制)=九段」となっていたので、当時から「九段は特別な存在」という認識だったのだと思う。実際プロ棋士も戦後しばらくまでは「八段」まで(「九段」はタイトル)だったし。
…では何故名人(最高位)は「九段」だったのだろう。同じ漢数字一文字だったら最高位は「十段」でも良かったような気もするが。
この先は勝手な推測だが、「九」という数字には「果てしない」とか「無限の」などの形容としての意味もあるのだという(例えば「九天」はとても高い所、「九地」はとても低い所)。「百獣」「千尋」「万病」のように「百」「千」「万」などが「非常に多くのもの」の形容として使われるのと同じような感覚だと思う。なので「九段」もそれに倣ったもの、つまり単に「八段の上」という意味以外にも「底知れぬ実力の所持者」という意味が込められていたのかも知れない。…全く見当違いの可能性もあるので本気にしないで下さい(笑)。