4月28日~5月1日の日程で行われたボートレース丸亀のGWシリーズレース「安岐真人杯争奪瀬戸の大魔神大賞」。『安岐真人(あき まさと)』は香川支部の元レーサー、『瀬戸の大魔神』は彼のニックネーム、という事だが、(彼が引退した後からボートレースに触れた)自分には詳しい事は分からない(ので知りたい人は独自に調べて下さい)。
この開催では初日のドリーム戦「まじんドリーム」に出場した6選手全員がそのまま優勝戦で相まみえる、という珍事があった。丸亀に限ると同様の事象は27年ぶり(1996年のGWシリーズ以来、その時の優勝は他ならぬ?前述の安岐真人だった)だという。ドリーム戦はその節の出場選手の中でも主力級の選手で行われるので(レースによっては「ファン投票で」ドリーム戦のメンバーが決まる事もあるが)実力的には6人とも優出する可能性は十分にあるが、それが必ずしも優出を保証しているわけではない。例えば大ハズレモーターを引いてしまって調整に苦労するのでは優出は難しいし、そもそも6選手が3つの準優勝戦に2:2:2と割り振られなかった時点で達成不可能である【*1】。
そういうわけで「ありそうでなかった」珍記録なのだが【*2】、この事がどれだけ凄い(?)事なのかを説明するのは非常に難しい。例えばこの2日前の4月29日に埼玉西武ライオンズの中村剛也がNPB初となる「2000三振」を記録した。普通に考えたら三振は多いより少ない方がいいはずなのだが、彼の場合は通算459本のホームラン【*3】を打つなど「長く第一線で活躍し続けてきたからこそ」の2000三振である(凡人だったらそのはるか前に戦力外になっている)。そしてこの記録はプロ棋士の「通算1000敗」と性質が非常に似ている(こちらもタイトル戦や決勝リーグなど「1年で多くの負けを稼げる?対局」に多く出る=長く第一線で活躍し続けないと到達できない)ので、「凄さを説明する(喩える)方法がある」珍記録と言えなくもない。
しかし今回の「ドリームメンバー6人で優勝戦」というのは他の競技で喩えるのが難しい、というか「ほぼ不可能」っぽい。一応「ドリーム戦(あるいはそれに類するもの)」は競輪やオートレースにもあるがこれらもどちらかと言えばマイナーな(競技の仕組みを理解している人が少ない=喩えに使っても理解されない可能性が高い)競技だし、メジャーな(?)競馬にはドリーム戦的な概念がないので喩えが不可能。他の知名度の高い競技でもいい喩えがない。あえて言うならテニスのトーナメントで「第1シードと第2シードによる決勝戦」がこれに近い、という気がしなくもないが、こちらは「結構起きている」ような気がする(実際のところはよう知らん)のでやっぱり喩えにはならない?
…とりあえず「非常に珍しい事」なのは確かだし、また多くのファンにしてみればそんな事よりも「自分が買った舟券が当たっているか否か」の方がはるかに重要である、というのもほぼ確かな話である(笑)。