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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

GⅡ、GⅡ、GⅡ…

競馬(JRA)で2020年に開催されるグレードレースは

GⅠ:GⅡ:GⅢ=26:39:73

(障害含む、グレード格付けを受けていない「葵ステークス」は含まない)

となっており、何となく「ピラミッド型」を成している。それに対しボートレースの1年間(4月~翌年3月)に開催されるグレードレースは

(SG:)GⅠ:GⅡ:GⅢ=(9:)36:10:61

(ダイヤモンドカップ*1】は含まない)

となっており、GⅡの数が異様に(?)少ない。しかも年間10レースのGⅡのうち3レースは最近(自分がボートレースにハマり出した後に)創設されたので、数年前までは「7」しかなかった(SGより少なかった)のである。

その内訳は

・モーターボート大賞

年間にSGやプレミアムGⅠ、全国発売GⅡを開催しないレース場で年間5回行われる。過去には男女26名ずつを斡旋して「予選は男女別、準優勝戦(男女各9名が進出)から男女混合」なんて企画レースが行わた事もある(またやらないかな…)。ちなみに1997年度~2009年度までは格付けがGⅠだった。

・モーターボート誕生祭

ボートレース発祥の地大村で毎年開催される。1982年創設、以前は5年に1回の開催だったが2001年からは毎年開催される。

秩父宮妃記念杯

かつてはびわこの周年記念だったが、2001年からはそれとは別のレースとして(周年記念は「びわこ大賞」として)毎年開催される。

…以上の事より、1998年~2000年は「GⅡレースが1回も開催されなかった」という事になるのだが…?

以下最近創設されたGⅡ

・レディースチャレンジカップ(2014年創設)

年末の賞金女王決定戦(クイーンズクライマックス)への出場権(獲得賞金12位以内)をかけて争われる。SGチャレンジカップと同時開催。

・レディースオールスター(2017年創設)

文字通り女子選手のみを対象としたファン投票で出場選手が決まる。ファン投票38位になった選手は初日の選手紹介の時に「白のボディコン姿」にならないといけない、という謎のルール(?)がある【*2

・全国ボートレース甲子園(2019年創設)

全国47都道府県の出身レーサー各1名(年間勝率を元に主催者が決定)と主催者推薦の5名が出場する。優勝選手に贈られる大優勝旗は全国高校野球選手権のそれに優るとも劣らない豪奢なもの。

 

優勝賞金はいずれも450万円。レディースチャレンジカップとレディースオールスター以外は優勝者に翌年の総理大臣杯(ボートレースクラシック)の優先出場権が付与される。開催地はモーターボート誕生祭と秩父宮妃記念杯以外はSGなどと同様に持ち回り開催(来年度のSG開催地と一緒に発表される)。

近年は「最近創設された」以外のGⅡ(出場できるのはA1級とA2級)はSGやプレミアムGⅠの直前か直後に開催される事が多い。今年の場合だと

グランドチャンピオン(宮島) 6/23~28

モーターボート大賞(江戸川) 6/30~7/5

全国ボートレース甲子園(三国) 7/7~12

モーターボート大賞(尼崎) 7/14~19

オーシャンカップ(鳴門) 7/21~26

モーターボート誕生祭(大村) 7/28~8/2

見事なまでに(?)中1日で組まれている(いずれも最終日が日曜日)。そのためGⅡにはSGなどに選出されなかった銘柄級が多く斡旋される【*3】のだが、稀にGⅡに斡旋された選手がその後に「繰り上がり」で直前直後のSGなどへの出場が決まる事もあり、その場合「中0日」で(場合によっては自宅に帰る余裕もないまま)次のレースの前検に向かう事になる。…それにしても年間10節しかないGⅡが1ヶ月で4節も開催される、というのは何だか不思議である。

 

上記の中にある江戸川は毎年モーターボート大賞の開催地になっている(のでSGやプレミアムGⅠは開催されない)。おそらく江戸川は悪天候による中止順延の発生確率が他のレース場より格段に高い事からSGなどの開催を自粛(?)しているのだろう【*4】。

…その「荒天」は今回のモーターボート大賞でも猛威を振るった(?)。

6月30日(初日)…荒天のため全レース中止・翌日に順延

7月1日(改めて初日)…荒天のため7R以降(1stドリーム戦含む)中止

7月2日(2日目)…荒天のため12R(2ndドリーム戦)中止

7月3日(3日目)…無事に(と言っても5Rで3艇Fが発生…)全レース実施

7月4日(4日目)…荒天のため全レース中止・翌日に順延

7月5日(改めて4日目)…全レース「2周レース」で何とか全レース実施

7月6日(5日目)…荒天のため全レース中止

モーターボート競走法施行規則第16条に

天災その他施行者の責めに帰することのできない理由による場合に限り、2日の範囲内で変更することができる

とある。要は「中止順延は2日まで」という事なのでこれ以上の順延ができない。そして7月7日も「強風による水面悪化が予測されるため」4日目終了時点で「中止打ち切り」となってしまった。

予選は終了していて準優勝戦の枠番(5日目の番組)も決まっていたので、出場予定選手には「中止の時の賞金」が付与されるのだが、今回のような「開催打ち切り」の場合、「そのレースの賞金総額の60%(全額でもなければ80%でもない)を6等分した額」が付与されるそうである。つまり

一般戦(に出場予定だった選手、以下同様)…1走あたり36,100円

準優勝戦72,200円

そしてこういう(準優勝戦が「順延されない中止」となった)場合、予選の順位がそのまま優勝戦や特別選抜戦の枠順になるので、

勝戦(予選1位~6位の選手)…1,155,000円

特別選抜A戦(予選7位~12位の選手)…236,000円

特別選抜B戦(予選13位~18位の選手)…142,000円

…これらの金額が選手に付与される、という事になる。ちなみにGⅡ(以上)が「開催打ち切り」になるのは2011年3月の児島モーターボート大賞以来(この時は東日本大震災を受けて開催中のレースも含めて3月いっぱいの全場全レースを中止している)だという。…公正なレースと選手の安全を最優先させるためとは言え、レースは開催されない(つまり舟券の売り上げがない)のに賞金は出さないといけないのだから主催者としてみればこの上なく痛い話だと思う。

 

次のGⅡは「全国ボートレース甲子園」が既に開催中。やはりと言うか何となくと言うか、地元の選手(北海道出身は三浦敬太選手)を応援したくなる。…舟券を買うかは別にして(笑)。

*1:グレードはGⅠ。以前の「施設改善記念競走」の名前の通り施設の大規模な改善、改修を行ったレース場で行われる(平均して工事完了から2~3年後くらいに行われる)。文字通り「施設改善」がないと行われないので年間に複数回開催される年もあれば0の年もある。2020年度は徳山で9月下旬に開催予定。

*2:過去4回とも「38位」は予選落ちという嫌なジンクス。ただし第4回で「(上位者の欠場による)繰り上がり38位」になった岩崎芳美が優勝している。

*3:基本的に出場レース(斡旋)の間隔は「中2日(前検日を含まない)」以上ないといけないのでSGに出場する選手は直前直後のGⅡには斡旋されない。

*4:過去に一度だけ1958年に第5回全日本選手権(当時は「SG」という呼称・概念がなく「特別競走」と呼ばれていた)が開催されている。