「この時期の札幌は東京より涼しい」としたり顔で宣ったアホがいたが、蓋を開けてみれば全然東京と変わらない、それどころか東京より暑い中で行われた競歩・マラソン。正直なところ交通規制よりも競技中上空を飛んでいたヘリ(報道? テロ対策?)の音がうるさくてかなわなかった(職場はコースの近く)。
とりあえず誰がどの競技で何色のメダルを手に入れたのかはさっぱり分からないが、レディースチャンピオンで「金メダル」に輝いたのは遠藤エミである、という事は知っている。…自分はそういう奴(笑)。女子GⅠを両方取ったのはこれで3人目(以前も書いたが過去2人は日高逸子と平山智加)。
「金メダル」という単語はしばしばオリンピックに限らず「スポーツ大会の第1位」の比喩として用いられるが、必ずしも金メダルが授与されるわけではない。ボートレースも例外ではない(クイーンズクライマックスでは金メダルではなく時価500万円相当のティアラが贈られる)…と言いたいが、一部のレースでは本当に金メダルが授与される(以前チラッと書いたような気もするが)。
該当レースはSGの中でも「四大特別競走」と呼ばれる
・ボートレースダービー(全日本選手権)
・ボートレースメモリアル(モーターボート記念)
・ボートレースクラシック(総理大臣杯)
これらのレースで優勝すると「金メダル」(2位3位には「銀メダル」「銅メダル」)が授与される(上記の記述はレースの創設順)。ちなみにグランプリ(賞金王決定戦)は「2位の選手に金メダル」が授与される(優勝者には「プラチナメダル」、3位に「銀メダル」)、という世界的にも稀有なパターンである。他にも上記以外のSG優勝戦出場選手や周年記念優勝戦に出場した選手にも純金メダル【*1】が贈られるが、「首から掛けるタイプ」ではないので今は外して考える。
オリンピックの金メダルは「銀でできている」。…まるで某番組みたいな言い回しだが(というより実際に放送されたトリビアである)、早い話「鍍金(めっき、ときん)」である。現在はサイズ等に細かい規定はないが、2003年まで定められていた(オリンピック憲章に記載されていた)下記の規格を基準としてサイズなどを決めているようだ。
直径:70mm~120mm(原則として円形であること)
厚さ:3mm~10mm
重さ:500g~800g(今回のメダルの銀使用量は約550g)
材質:純度925‰以上の銀に6g以上の純金でメッキを施したもの(メッキをしなかったら銀メダル)
下世話な話だが、これを(この記事を書いている時点での)直近の相場で計算すると
94.27×550+6904×6=93272.5円
が金メダルの「価格」になる。
一方ボートレースの金メダルは(公式サイトより引用)、
直径:70mm
厚さ:中央地金3mm、外枠地金5mm(中央が凹んでいる)
重さ:391g
材質:純金!
同じレートで計算すると「約270万円」である。およそ29倍である。ちなみに他のメダルも中央地金は純金(64g)なので、銅メダルであってもオリンピック金メダルの10倍くらいの「価格」になる。ちなみに今はプラチナが金より3000円近く安いので、プラチナメダルは「約184万円」と金メダルより100万近くも安い(その代わり、というわけではないが、優勝者に贈られる「黄金ヘルメット」は時価にすると450万円くらいらしい)。
よく見かける(?)光景として「金メダルを噛む」というのがある。先日他人の金メダルを噛むという末期症状のアホがいたがそれはさておき、とある金メダリストが「金メダルは本当に金なのか確かめようとして」噛んだのが最初だ、と言われている(それがいつの間にか「喜びの表現」にすり替わっていった)。ボートレースで授与される金メダルは公式サイト上で純金である事が明記されているので、わざわざ噛んで確認する必要はないし、実際噛んだ人は(自分の知る限りでは)1人もいない。ましてや他人の金メダルを噛んだ奴は…
このボートレースの金メダル、単なる(?)金メダルではなく、4種類の金メダルとプラチナメダルを一番最初に全部獲得した(つまり5種類のSGを全て優勝。ただし対象はメダル制度が始まった2014年オールスター以降に限る)選手には3億円相当の純金(インゴット)が贈られる。現時点でそれに近い(もっとも多くメダルを獲得している)のは石野貴之(残りはメモリアルとダービー)。今月末のメモリアルの出場は決まっているのでメモリアル→ダービーと連覇すれば「GRANDE5(達成者を指す称号名)」となるが…【*2】