以前も書いたが残り3戦、1つでも落としたら森下九段はC1への降級が決まってしまう。もしそういう状況下でインフルエンザなどを発症して不戦敗、なんて事になったら「天の不条理」を恨むと思う(笑)。
…最初は「開くページを間違えたかな?」と思ったが、何度確認しても四間に振っているのは森下九段であった。一方で「鷺宮定跡」で升田幸三賞を受賞したように「対振り飛車急戦のスペシャリスト」である青野九段がガチガチの穴熊(しかも松尾流穴熊)に組むというのも珍しい。この将棋の対局者の名前を伏せて誰の対局か当てろ、と言われたら多分誰も当たらないような気がする。
青野九段が先攻して桂得を果たし、その桂を8五に据えて端攻めを図るが、森下九段は角を切って7七の金を入手し(角の直射を避けるために金を上がった手だが、結果としてこれが良くなかったのかも知れない)、その金を8四に打って丁寧に受けるのは「(飛車の位置が違えど)やっぱり森下九段だ」と言える指し回し。最後は△5五角から飛車を取った手が詰めろとなり快勝。…この前に森下九段が勝った時(昨年11月の棋聖戦・中村修九段戦)も自分が患っていた、というのは単なる偶然…だと思いたい(笑)。