DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

恩返し? …それは違う。

文中一部敬称略で。
3月7日に行われた順位戦B2最終戦、森下九段は鈴木大介九段に勝利した。終局は17時台(夕食休憩前)。鈴木九段は棋界有数の早指しなので前回の対局(竜王戦3組ランキング戦)でも終局は夕食休憩前だった。
戦形は鈴木九段の「初手▲7八飛」からの穴熊vs居飛車銀冠。森下九段の対振り穴銀冠は「もう一つの森下システム」と呼ばれる(事もあるらしい)得意とする形(※1)。一時は5段目に歩が7枚並ぶといういかにも森下九段らしい(?)指し回し。
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…と思いきや数手後には飛車を見捨てて端攻めへ。その後は3七の地点から殺到して先手玉を即詰みに討ち取った。
しかし前節(3日前)の敗戦で来期はC1への降級が決まっている。もしこの対局を(あるいはどの対局でもいいのであと1つ)勝っていたら…

以前書いた「連勝した上で飯塚七段・戸辺七段・大石七段のうち2人以上が敗れる」という条件を満たして残留していた!(最終節で飯塚七段と戸辺七段が敗れた)

…と言っても完全に詮無いのだが(笑)。

3月8日は藤井聡太六段と杉本昌隆七段の「師弟対局」が行われた。結果は既にいろいろなところで報じられているように千日手指し直しの末に藤井聡太六段が勝利している。

それ(弟子が師匠に勝つ事)は本当の意味での「恩返し」とは言わない(※2)

それどころか

増田派からしてみれば恩返しどころか「恩知らず」と言いたくなる

かも知れない。…一応理由を書いておくと増田康宏五段の師匠の森下卓九段は常から

「師匠を負かした相手を公式戦で負かす(仇討ちする)事」「師匠がたどり着けなかった地位に到達する事」が本当の意味の恩返しだ

と言っており、以前週刊将棋に掲載された「初めての師弟戦(2015年8月7日、第9回朝日杯将棋オープン戦1次予選)」の自戦記インタビューでもそのように答えている。

師匠に勝つ事を恩返しと言うそうだが、それはオカシイでしょう。師匠には負けて、師匠以外の相手に勝つ事が恩返しではないでしょうか(笑)。
内藤先生は、師匠を負かした相手を負かす事が恩返し、青野先生は師匠が到達できなかった位置に行く事が恩返しとおっしゃられているが、両先生に全く同感だ。
本局は私にとって1回戦なのだが(※3)、師匠の1回戦に当たって来るようでは、弟子として感謝が足りないからだとも思えるが、ちゃんと加減してくれたようだから、帳消しだろうか(笑)。
週刊将棋2015年12月9日号より引用)

…最後の一文(実際はこの後ももう少しあるが)は森下流の「のろけ(?)」なのかも知れないが(この理論で言うと藤井六段も「師匠に対する感謝が足りない」事になる…?)、いくら日本が民主主義だからと言って「大多数が用いている意味が正しい意味であるとは限らない」のである。例えば「姑息」「潮時」などのように…
なおこちらの師弟は既に2度目の対局(第44期棋王戦予選)が決まっている、それどころか近日中に「3度目」が行われる可能性すらある(※4)。…誰だ、こんな組み合わせを作ったのは?(笑)

両国将棋学術会員イベントで「3月に予定されていた室谷由紀女流二段プロデュースイベントが5月に延期になった」のはどうやら室谷由紀女流二段の結婚・入籍が理由らしい。何はなくともおめでたい話なので「おめでとうございます」とお祝い申し上げます

プレイヤーとして活躍する女性が結婚した場合、仕事上の名前は旧姓で通す事が多いようである。実際女流棋士ボートレーサーを見るとそのほとんどが「仕事上の名前は旧姓のまま」であるが、室谷由紀女流二段の場合は今後は新しい姓の「谷口由紀」で活動すると発表されている。他に結婚を機に仕事上の名前も新しい姓に変えた棋士では「千葉(旧姓:碓井)涼子女流四段」「竹部(旧姓:木村)さゆり女流三段」、そして「渡辺(旧姓:吉田)正和五段」などがいるが棋界では少数派と言える。
ちなみにボートレーサーだと「登録名を新しい姓に変えた女子レーサーを探す方が難しい」くらい登録名は旧姓のままである事がほとんど。所謂「やまと世代」だと三浦永理、魚谷香織、平山智加、鎌倉涼、守屋美穂、滝川真由子…いずれも既婚だが(※5)登録名は旧姓のままである。
ただし全くいないわけではなく、例えば1998年、2003年の女子王座決定戦を優勝した本部めぐみは登録名を「西村めぐみ」から変更している。また日高逸子、田口節子は夫の方が改姓している。

…何か途中から全然違う話になってしまった(笑)。

最後に、4月7日~12日にボートレース住之江で行われる「GⅠ太閤賞」の初日(7日)にイベントとして「加藤一二三トークショー」が行われるようである。…こんなところからもお声がかかるのだからまさに人気急上昇中(?)である。…どうせなら元ボートレーサーの加藤俊二さんとの「『Wレジェンド加藤』トークショー」にすれば良かったのに、とか思った(…どちらにせよ観に行くことはできないのだけど…)。


※1…「森下の四間飛車破り」でも度々登場しており(もっとも本の題名通り相手は四間飛車であるが…)かなりの高勝率を誇っている。

※2…渡辺明棋王までが自身のブログで「弟子が師匠に勝つことを将棋界では「恩返し」と言いますが…」と書いている(そしてそれを否定していない)
…何だかなぁ。ちなみに「りゅうおうのおしごと!」の清滝九段(八一の師匠)は「それ(弟子が師匠に勝つ事)は恩返しじゃない」と言っている。

※3…対戦カードを決める時「1次予選の1回戦で師弟・肉親同士の対局は組まない」という決め事があるそうだが、この時の増田康宏四段(当時)は1回戦を勝ち上がっているので「2回戦」という扱いになるのでこういうカードが実現する。ちなみに今回の杉本-藤井戦も同じような形(杉本七段は初戦だが藤井六段が1回戦で南芳一九段に勝っている)である。

※4…第68期王将戦の一次予選で「森下卓九段-佐々木大地四段」「増田康宏五段-飯島栄治七段」の勝者同士が次戦で対戦する事になっている。

※5…ちなみにここに名前を挙げた人の夫は全員ボートレーサー。

三浦永理…吉島祥之
魚谷香織…青木幸太郎
鎌倉涼…深谷知博
守屋美穂…山口達也
滝川真由子…中村辰也

他にも一般人と挙式を挙げた選手(長嶋万記など)や他の公営競技の選手と結婚した選手(豊田結、浜松オートの選手と結婚している)もいるがほぼ全員登録名は以前のまま。