2016年8月23日~28日(延期がなかった場合)にボートレース桐生で開催される第62回モーターボート記念(通称ボートレースメモリアル)、その初日に行ってきた。
津(女子王座決定戦、レディースチャンピオン)には行かなかったけど(浜松からは近いようで相当遠い)、こちらは6月くらい(出場選手決定後)には行く事を決めた。
それに向けて準備を進めたのはいいが、出発日(22日)が近くなるにつれて一つの問題が発生。それは「台風9号」。最近は欧米のように「台風にも名前を付けている(今回の台風9号は「MINDULLE」=ミンドゥルと付いている)」そうだが、そんな事を気にしている=その名前で呼ぶ人を自分は見たことがない。おそらく日本にそういう文化?(※1)がなかったからだと思う。
…そんな話はどうでもいいとして、運悪く台風9号は22日に関東地方に上陸、交通機関に多大な影響を与えた。まず東海道本線は比較的早い段階で熱海⇔湯河原間が運転見合わせ(11時くらいには見合わせ区間が熱海⇔東京間にグレードアップ?した)、東海道線からの「迂回路(御殿場線とか)」も軒並みアウト。熱海まで来てからそんな事を言われても…(静岡県内はほぼ影響なしだった)
仕方ないので途中までは新幹線を使って東上する事に(言うまでもなく青春18きっぷの対象外なので別料金が発生する。全額とは言わないけど少しくらい補償してほしいと思う…)。熱海→新横浜を新幹線で(※2)、そこから横浜線(町田~橋本間が「線路冠水」で運転見合わせ=折り返し運転、それに伴って大幅なダイヤの乱れ)で東神奈川まで出て京浜東北線で何とか東京まで。実はこの日知人と都内で会う予定だったがこんな状況(都内のいたる路線で運休やダイヤの乱れ)なので延期という事になった。
東京に着いた時(14時前)には一時的に雨も止んでいたが、ちょっと所用を済ませたり遅い昼食を取っている間に再び豪雨。今回の宿泊地に選んだ栃木県小山市(※3)に向かう宇都宮線も一時全線運転見合わせという始末。宇都宮線は17時くらいに運転再開したが、再開後も徐行運転・信号停止でなかなか進まず。…小山に着くまでに(※4)今回の時間つぶしで持ってきた「りゅうおうのおしごと!」を3冊とも読み切ってしまった(笑)。何年か前にも似たような事態があったが(その時は「帰り」に立ち往生)、一体自分は何をしたというのだろう(笑)。
今回の旅行とはあまり関係ないが小山市は「スポーツの街小山」だそうである(理由は下の写真を見れば一目瞭然? それにしても一体何枚掲示すれば気が済むのだろう…)。そう言えば甲子園で優勝した作新高校も栃木県代表だったなぁ(南北海道代表を破っての優勝というのは何かしら皮肉めいたものを感じる…)。
…で、当日。台風9号の移動速度によっては(本州にとどまるようだと)初日の開催が中止になる可能性もあったが当日は快晴。普通に暑い。
指定席券発売開始の時間から逆算した両毛線に乗ってボートレース桐生へ向かう。…両毛線が単線である事をこの時初めて知る(道理で本数が少ない&悪天候で容易にダイヤが乱れるわけである)。自分が知っている「都道府県庁所在地を通る単線のJR路線」は札沼線(※5)に次いで2つ目になる(両毛線は前橋市=群馬県庁所在地を通る)。それはいいとして、両毛線の車両の扉が…
「…ええっ?!」と思った。「停車時に『開閉ボタンを押して』開ける」車両は時折見かけるが、まさか天下のJRで「ドアを手で開ける」とは(一部車両は前述の「ボタンタイプ」が導入されている)… 世の中知らない事が多すぎる(笑)。
両毛線に揺られて1時間ちょっと、最寄り駅の岩宿駅に到着。レース場までの無料送迎バス(マイクロバス)が止まっているのが見えたが、上り(高崎方面)ホームから歩道橋(と言うんですか?)を渡って下り(小山方面)ホームにある改札を通過、駅を出たら別の歩道橋を渡ってようやくバス停に着く。つまり小山方面から来るとここだけで2回も階段の上り下りをさせられる(エレベーターはない)。駅の構造上とは言え、レース場に着く前から無駄に体力を消耗してしまう。暑いのに…
…バスで約3分(なので距離的に徒歩も不可能ではない)、ボートレース桐生の北ゲートに到着。…しかし指定席券の発売所は「南ゲート」。炎天下の中約300mほど歩く。既に入場待ちの行列が。入場門の前には暑さ対策として「ミスト」が出る仕掛けがあるのだが、出てくるミスト(つまり通っている水)があまり冷たくないのでさほどありがたくない(笑)。
ボートレース桐生は自分が今までに行ったレース場とはいろいろと雰囲気が違う。まず「山の中」にあるレース場なのでこのように「競走水面の向こうに山が見える」。これまで自分が行ったレース場は対岸にあるのは海とかビル群とかなので非常に新鮮(?)である。慣れてしまえばどうという事はないのだろうけど。
また「沼」の(一角を長方形に区切った)レース場は全国でここだけ。…だからといって競走水面がドロドロなわけではない(笑)。そもそも「沼」「池」「湖」は何を持って区別するのかがよくわからないし。
1997年7月より最初にナイター設備を取り入れたボートレース場であり、2014年の改修工事では全ての公営競技場で初めて「全面LED照明」を取り入れたレース場である。…この写真ではLED照明であることが全然わからないけど(笑)。
南側スタンド(南ウイング)の一角にこんなものが。名前は見たまんま「モアイ像」。何故こんなものがあるのでしょう?
桐生にも「DKカード」というキャッシュレス投票システムがあるのだが、次にいつ来れるかわからないレース場でわざわざ作っても意味がない(2年間無使用だと失効してしまう)のでパス。他場のカード(蒲郡のe-じゃんカードなど)と相互利用ができれば、と思うのだが…
SGやプレミアムGⅠが開催されるレース場では開催期間に様々なイベントが行われるのだが、この日のイベントは「チャリティーオークション」と「お笑いライブ(ピスタチオとトレンディーエンジェル、トレエンはボートレースのCMにも出演している)」。
オークションというイベントにはボートレースに限らずこれまで参加したことがない(ネットオークションは除く)。「欲しい物」で「落とせそうな(金額の)物」だったら入札しようかと思ったが両方の条件に合致するものがなかった…
ここで今回のオークションの結果から一部抜粋。
・毒島誠 ヘルメット(サイン入り)
ボートレーサーのヘルメットの使用期限はは3年(たとえ外傷とかがなくても)なので、「使用済」ヘルメットはこういった場に出てくる事がある。見た目は普通のフルフェイスタイプだが、ボートレース専用の設計なので公道で二輪乗車時に使用する事はできない。つまり用途は「インテリア」くらいしかない。
物が物であるし(ヘルメットにもいくつかグレードがあって最上級の物は20万くらいするとか)地元人気選手からの出品ともあって値段がどんどん上がる上がる、最終的に今回のオークションの最高落札価格となる「70,000円」となった。
・篠崎元志 第61回ボートレースメモリアル優勝記念Tシャツ(サイン入り)
SGを2勝しているトップレーサーであると同時に艇界きっての「イケメン」。以前行われた「イケメンレーサーファン投票」でも1位になった(…はず)。言わば「天が1人の人間に二物も三物も与えた」ような人である。
1,000円からスタートした入札は2人の女性ファンによってどんどん値が上がっていき、最終的に「16,000円」。Tシャツ部門では断トツの1位(全体でも4位)の落札価格だった。
2013年1月に14年ぶりとなる男女混合GⅠで優勝、人気・実力とも女子レーサーではトップクラス。その後テレビ(報道ステーションなど)にも登場しているのでファンでなくても知っている人もいるかも知れない。
1,000円からスタートした入札は数人の男性ファンによって値が上がっていくが、その途中で「4,387円」という数字──4387は平山智加の選手登録番号──が挙がった事が印象的だった(※6)。この金額を上げた人はよほどのファンであると同時に100%「狙っていた」と思う。この金額で決まっていれば劇的(?)だったと思うが、値はどんどん上がっていき最終的に「10,000円」(落札したのは「4,387円を言った人」ではなかったと思う)。他のサイン入りTシャツは高くても5,000円くらいだったのでこの2人の落札価格(≒人気)は異様かも知れない、と思った。…熱烈なファンというのは怖い(?)ですねぇ(笑)。
オークション開催中(レースは5R終了後)くらいから突然空が暗くなり雷の音が聞こえてくる。しかもかなり近くに落ちたっぽい。ゲスト(桐生では来場者の事をこう呼んでいる)への安全を配慮しオークションは一時中断、それとほぼ時を同じくしてバケツをひっくり返したような大雨。そして強風。
落雷の影響で一時大型モニターが映らなくなってしまった(程なくして回復しているが)。
強風のせいで横断幕(瓜生正義、上段一番左)が真っ二つに破れてしまう。不吉な…
こんなんでレースできるの? というような状態だった(6Rのスタートが一時見合わせになった)が、風が止んだタイミングでピットアウト(雨はともかく風はスタートに大きな影響を与えるから)。その後は雨も上がり12Rまで行われた。オークションも再開された。
桐生では公式に発表される「展示タイム」以外にもオリジナルデータとして「半周ラップ」「まわり足タイム」「直線タイム」を計測・発表している(HPやネット中継からでも確認できる)。それぞれ展示航走2周目の
・半周ラップ…スリットからスリット裏まで
・まわり足タイム…1マークの消波装置の終わりから終わりまで(下図の黄色い部分。ちなみに消波装置の長さは20m)
・直線タイム…まわり足タイムの終わりから直線150m
この手のデータが成績に直結しやすい(これらが速い選手=外枠でも舟券に絡む率が高い)という事で(※7)、本場に行くと個人で区間タイム(測るポイントは人それぞれだろうが)を測っている人が必ずと言っていいほどいる。…何故断言できるのかって? 1マーク側スタンドにいると展示航走時に必ずと言っていいほど「ストップウォッチを押す音」が聞こえるから。今ではスマホで「6艇のタイムを同時に計測できるアプリ」なんてのもあるらしい。またスマホかよ…(笑) もっとも、これらのデータを集めている人が必ず勝っているかどうかはわからないけど(笑)。
3日目。初日に予定していた知人と会う。
途中上野公園に立ち寄ったが、スマホをいじっている人のなんと多い事か(笑)。パッと見たところスマホ使用率(所持率ではない!)90%以上と言ったところ。理由はほぼ間違いなく「あのゲーム」だろうが、座って(立ち止まって)プレイしている人はまだいい方で、歩きスマホ(子供の手を引きながら、なんて人もいた)、自転車スマホ、ボートスマホ(不忍池のボートを漕ぎながらスマホ)がとにかく目につく。
「お前ら全員不忍池に叩き込むぞ!」
とか思ったりしたものである(笑)。
3日目も突然の雨にたたられる(「どうせ降らないだろう」と高を括って傘はロッカーに放り込んでいた)。1時間くらいで(遅い昼飯を取っている間に)止んだが「やれやれ」という感じである。帰りの電車では本を読む気力も尽きてほとんどの区間で寝ていた…
これで8場目。年末は平和島の予定だが既に1回行っている。さて9場目はいつ、どこになるだろう… 現時点では予定がない。
※1…どこかの国でニュースキャスターが「台風に嫌いな政治家の名前を付けて連呼した」のがその走りだと言われる。…確かに日本でそういう事をする人って子供以外ではほとんど見ない。
※3…ここからボートレース桐生まではJR両毛線で行けるが、片道1時間以上かかるし、本数も少ない・天候不良で遅延が起きやすい(今回も台風9号の影響を受けている)ので俗に言う「旅打ち」でここを宿にする人は珍しいかも知れない。…勿論自分はそれ相応の理由があってここを宿にしたのですが。
※4…通常なら上野~小山は1時間20分ほどだが、今回の所要時間は前述の理由で2時間くらい、それに運転再開までの待ち時間(通常は特別列車が止まる13~17番ホームで待たされた)が1時間くらいあった。
※5…この呼び方(正式名称)で分かる人は相当年配な方か鉄道マニアかと思われます(笑)。今は「学園都市線」と呼ぶ方が一般的なので。
※7…例えばこの11R、2号艇と6号艇が3番手争いを繰り広げている中、その直後にいた(タイム総合ランキングが1位の)3号艇が3周2マークで2艇をツケマイでかわして逆転で3着(3連単1-5-3、6160円)、そのおかげで九分九厘諦めていた舟券が的中。オリジナルデータ恐るべし…(笑)
☆…以前「当たり馬券をネット上に乗せるとその馬券を複製される」なんて噂を聞いたことがあるので(真偽のほどは定かではないけど)、念のためこちら(当たり舟券)も複製に必要なデータ?を一部隠しています。