DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

字面ゆえに間違えやすい(と思われる)言葉

突然ですが問題。

「男の娘」は男性か女性か?

…これだけだと漠然としていてわかりにくいのでもう少しわかりやすい(?)形に。

「男の娘(これで『おとこのこ』と読みます)とは次のどちらを指す言葉か?
①女性のような外見を持つ男性
②男性のような外見を持つ女性

…考慮時間。


正解は
①女性のような外見を持つ男性

つまり「男の娘」は男性である。ただ一口に「女性のような外見」と言っても大別すると先天的なもの(顔立ちや体つき・声などが「生まれつき女性っぽい」)と後天的なもの(女装や化粧などで「女性っぽく見せている」)の2種類が考えられ、両者は全く別のもの、という気がしないでもないが、一般的(?)にはどちらの場合でも「男の娘」と呼ぶそうである(※1)。
ただ、どちらの場合であっても重要なのは「外見」であって、言葉遣いや趣味、性的指向(同性愛or異性愛)や性転換の有無、性同一性障害トランスジェンダーといった「内面的な要素」はどういう形であっても関係ない(それどころかそれを忖度するのは御法度、というのが関係者間の不文律らしい)。なので
「男の娘は(外見が女性なので)男性が好き(つまり同性愛者である)に違いない」
などというのは偏見以外の何物でもないでは
「男の娘が好きな男性は同性愛者となるのか?」
…考察するのが面倒なのでパス(笑)。
ちなみに「男の娘」という言葉に登録商標はない(過去にとある企業が出願した事があるが却下された)が、「男の娘☆」という文字列(☆がついている)が同名のイベントを主催する団体によって商標権が取得されているそのため使い方によっては商標権に抵触する、という実に困った(?)言葉である(※2)。 …って、そんな事はどーでもいいか(笑)。

ところで「男の娘」の反対、つまり男性のような外見を持つ女性を指す言葉はあるのか? 調べたところ「雄んなの子(おんなのこ)」という言葉があるらしい。 …って、そんな事はどーでもいいか(笑)。

話を戻すとこの「男の娘」という言葉、字面だけ見るとどちらにも解釈できそうな、というより「○○娘」という語尾からむしろ女性を指す言葉だと思った人が多そうである(自分も最初はそう思った)。
たとえばかしまし娘」「モーニング娘。」「キラリっ娘(きらりっこ、※3)」なんかは女性(の集まり)である。眼鏡っ娘(めがねっこ)」とか「僕っ娘(ぼくっこ、※4)」なども女性である。少なくとも自分が知る限り「○○娘」という(属性を持った)人物およびそのグループで男性だったものは見た事がないしかし「男の娘」は男性である
…実に紛らわしい。何と言うか、この言葉を考えた人のセンス、というより日本語力を疑ってしまう

このような「字面ゆえに間違い(勘違いされ)やすい意味を持つ」言葉、どこかで見たような… そう、前回の記事に出てきた棋譜の『左・右』」
例えば▲3三金は金が(横方向に)寄っている。▲3三金上は金が(下から)上がっているし(前回は登場しなかったが)▲3三金は持駒の金を打っているしかし▲3三金は金が左に動いて…いない。実に紛らわしい。
時代を経て言葉の意味が変化したとかいうならともかく、これらはそういう過程が(多分)なく、言葉が誕生した(定義された)時から誤解を招きやすい意味になっている考えた(定義した)人はその点に至らなかったのだろうか…

もう一つ紛らわしい(かも知れない)将棋用語に「一手すき」がある。一応説明すると「次に玉が即詰みになる状態」「詰めろ」「詰めよ」と同義語である(最近は「詰めよ」と言う・書く人は珍しい)。 …のだが、時折「一手すき≠詰めろ」だと言う人、具体的には「詰めろの一手前が一手すき」だと思っている人を見かける。それこそかなり将棋歴の長い(長そうな)人でも。
恐らく「一手」の「すき(受け以外の手を指す猶予)」がある、と文字を見たままのイメージでそう勘違いしているのだと思われる。しかしそれを言うなら詰みを免れるためのすき(対応する猶予)」が「一手ある」、とも解釈できるのだが…
以前(子供の頃)にこの事で論議した時があって、その時はまだ級位者だった事もあって強く言う事が出来なかった(本を読んで覚えたこととは言え絶対の自信がなかった)が、今だったら
「あんた何年将棋指してるの?」
とか
「観戦記とか大盤解説とか見たことある?(そういう所ではしょっちゅう出てくる単語である)
などといくらでもしゃらくさい口が利ける、というものである(実際に言うかは別として
当然ながら(?)詰めろの一手前は「二手すき」である。これの同義語(「詰めろ」のような数字を使わない表現)は…多分ない。無理矢理作るなら「詰めろ前」とか「準詰めろ」? …何だかピンと来ない(苦笑)。

もし前述の主張(と言うより強弁)をする人と対局したとして、少し難しい(一目ではわからない)詰めろの局面で

「向こうは一手すきだよな…」

とわざと相手に聞こえるようにぼやいたら相手はどう思うだろう。もしかしたら「一手すき=自玉はまだ詰めろでない」と安心して(?)こちらに詰めろをかけて詰まされるかも知れない…って、そんな三味線じみた方法で勝ってどーするんだ、とお叱りを受ける事必至である(苦笑)。

先日(2月15日)の香龍会の最中に隣の部屋からこの単語が聞こえた事を利用(?)して今回の話としたのだが、かなり「無理矢理感」があったとしか思えない(笑)。


※1…元々はフィクション内(俗に言う「二次元」)のキャラの特徴(あるいは属性)を指す言葉だったものが、いつの間にか現実世界(俗に言う「三次元」)での人物をも指す言葉になったそうである(その経緯はよく解らない)。
ただ、そうなると「オカマ」「ニューハーフ」なんかも男の娘に含まれてしまう(かも知れない)ので、この言葉の定義(範囲)は人によってかなり差があるのではないかと思う。個人的には(二次元三次元問わず)先天的なもののみを男の娘と呼ぶべきではないか、などというどーでもいー考察をしてしまう(笑)。

※2…少し調べたところ(商標登録に至った経緯を含めて詳細はこちらを参照制限がかかるのは「同人誌やコスプレが絡むイベントの名称」くらいのようであるつまり個人or法人の創作物(作品名)や学園祭や個展のタイトルなどに使う分には問題ないらしい。当然ながら日常会話で使う分にも問題はない(あったら困るって)。
もっとも一部の嗜好者を除いて「男の娘」という単語を日常使う機会なんてほとんどないそれこそ「生涯で使う機会が1回あるかどうか」というレベルの言葉だと思う(笑)。

※3…当時の関西若手女流棋士である里見香奈女流名人・室田伊緒女流二段・井道千尋女流初段の3人(途中で井道女流初段はは関東に移籍)によるユニット。将棋イベントの出演やブログ「キラリっ娘のそよ風日記」の執筆が主な活動内容。2010年5月をもって活動終了。

※4…自分の事を「僕」と呼ぶ女性の事。基本的にフィクション内(二次元のキャラ)の特徴だが、稀に現実社会でも僕っ娘(あるいは自分を「俺」と言う「俺っ娘」)がいたりする
そうなる理由は「好きなキャラクターの真似(が定着してしまった)」「男性への憧れ」「既存の女性像への反発」など様々な理由があるようだ。