そんな数字がついた理由を要約すると「使いにくい」「バグが多い」との事(どこがどう悪いのか、はレビューをご覧下さい)。『将棋所』というフリーソフトにPonaXの思考エンジンを放り込むとどうにか使用に耐えうるようになる、という裏技(?)もあるそうだが、そこまでしてでもPonaX(要はPonanza)と対局したい、と思う人はほとんどいない(高々ゲームでそんな面倒な事をするくらいなら他のソフトを買う・使う)と思う。
…とまぁ、PonaXは期待を大きく裏切るソフトとなってしまったわけだが(もしかしたら「期待されていなかった」可能性もあるが…)、「もしかしたらこれと似たような運命をたどるかも知れない」と思ったものがある。それは「美少女戦士セーラームーンCrystal」、今年7月からニコニコ動画で配信されるセーラームーンの新作(と言っても新ストーリーではなく原作寄りのリメイク)アニメである(※1)。
…考えは人それぞれだろうが、当時熱烈なファンだった(今でもファンである)自分の目には
「15年以上経ったこの時期(※2)にリメイクを作る意味がわからない」。
放送媒体がネット配信である事も含めて今回の新作のターゲットが当時のファンである事は疑いようが無い。当時のファンは今は立派なお姉さん、あるいはおっさんである(笑)。そして「お姉さん」のほうはともかく「おっさん」の方は(男が少女アニメを見るくらいだから)今でもマニアな人が多い=アニメを見る目(評価)は極めて「辛い」と思われる(この「辛さ」は詰パラ読者の詰将棋作品に対する「辛さ」とは質が違うと思う)。
つまり、よほど完成度の高いものを作らないと徹底的に叩かれる=「期待を裏切った」と言われる可能性が高いわけで(もっとも世間で「どれだけ期待されている」のかがわからないのだが…)、制作サイドにとって相当ハイリスク(かつローリターン)な事をやろうとしている事になる。特に声優を変えた(セーラームーン役の三石琴乃以外総入れ替えした)時点で「キャラ(のイメージ)を壊している」とか言われる可能性が高そうだが。
…いずれにせよ現物を見ないことには正しい評価を下しようがないので推測であれこれ書くのはこのくらいでやめておく。もっとも自分は前述のように「実はあまり期待していない」ので、仮に「コケた」としても「ああ、やっぱりね…」の一言で終わりそうだが(苦笑)。
※1…原作連載と平行して放映されたアニメは基本的なストーリー・登場人物などは同じだが、細かい設定(登場人物の性格・必殺技など)で原作と違うところが多かった。
※2…当時のアニメの最終回は1997年2月。しかし今回の新作の企画は今から2年くらい前に出てきた(記憶がある)ので、その分を差し引いても「15年」。