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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

リレー詰将棋?

27日の「有吉反省会」に高橋道雄九段が出演して自らのオタクぶりを反省されていた
将棋ファンの間では結構有名な(?)話だが、いざ本人の告白を聞くと改めて笑ってしまった。中でもカラオケで楽しそうに「おジャ魔女カーニバル!!」(※1)を歌う姿には
「自分もあの場にいたかった」
などと思ってしまった(笑)。

28日の「将棋フォーカス」で講師の鈴木大介八段が持駒を「貼る」と言っていた
全編で言っていたわけでなく一局面のみの話だが(それ以外は「打つ」と言っていた)、「貼る」という表現は想像以上にプロ棋界に浸透しているようだ
今のところネット上ではほとんど騒がれていないようだが、もしかしたらその内どこかで話題になるかも知れない。

…以上、最近TVで見たプロ棋士の話を2つ。

いつの間にやらこのブログが「詰将棋関連サイト」として紹介されている
…決して「ダメ」なんて事は言いませんが(特に書いてはいませんがこのブログはリンクフリーです)、これまでも、そしてこれからもこのブログに占める詰将棋記事の割合はせいぜい30%くらいになりそう基本週1ペース更新なので、それこそ1ヶ月に1回くらい? …「詰将棋関連サイト」の名が泣きそうだ(笑)。
だからと言うわけではないが(笑)、今回は詰将棋ネタで。

ナンプレのジャンルの中に「リレーナンプレ」と呼ばれるものがある。簡単に説明すると、まず1つの問題の中に「指定」のマスがあり、そのマスに入った数字を次の問題の「指定」のマスに入れて(リレーして)次の問題を解く、というスタイルの問題。
例題を挙げると下図の問題①だったら「」が指定のマスにあたり、ここに入った数字を問題②の「」に入れて問題②を解く(問題①に関しては面倒だったので前々回の記事「暗算ナンプレ?」に使った問題を流用。…だからと言って別に暗算で解かなくてもいいですよ
当然の事ながら(?)問題①を解かずに(最初に「」に数字を入れずに)問題②が解けてしまってはいけない初期配置はリレーされた指定のマスを含めて対称形となる(以前も書いたように初形の制限はあくまで日本流のルール)。

問題①
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問題②
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今回は「例題」なので問題は2問、指定マスも1つだけとしたが、ナンプレ誌で掲載されているもの(大抵のナンプレ誌で掲載されている)だとリレーがもっと長かったり(全部で10問以上とか)、1問あたりの指定マスが2つも3つもあったり、となかなか大掛かりなリレーナンプレが掲載されている(※2)。これを構成する問題全てをまとめて一つの「リレーナンプレ」というパズルになる。
中にはリレーしていくにつれてナンプレのサイズが大きくなっていくもの(9×9→12×12→16×16…みたいな感じ)を時折見かけるが、そういうリレーナンプレは特に「スウェーデン式リレーナンプレ」と呼ぶ(※3)。
問題はスタンダードナンプレのみで構成されているものがほとんどだが、勿論(?)自分だったら各種バラエティナンプレも織り交ぜて作りますよ(笑)。

このリレーナンプレ詰将棋版、名づけて『リレー詰将棋」なんてのは出来ないだろうか、そんな事をふと思いついた。…「リレー将棋」と混同しそうな名前だが全く違うものです(※4)。
やり方はいくつかあるだろうが、「1つの問題の最終着手」を「次の問題の初形」に加えて出来上がった問題を解く、というのが分かりやすそう。
例えば下図の例題。
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例題①は▲1四龍△同玉▲2四金までの3手詰め。この最後の「▲2四金」を例題②の初形に加えた例題②’を解く、というのが「リレー詰将棋」のルール。
念のために書いておくと、このリレーされた「▲2四金」は例題②の初手ではない(手数に含まない)ので、例題②’の局面から改めて初手(つまり攻め方の王手)を指す
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こちらもあくまで「例題」なので超短手数・2問のみとしたが、(総)手数・問題数は出題者のお好みで。解答する場合は「最後の問題の詰手順のみを答える」か「全ての問題の詰手順を答える」かだろうが、こういう暇な事(?)に挑戦する人はほぼ例外なく詰キストだろうから自動的に後者に決定(笑)。
…結果として普通の詰将棋の問題群を解くのと変わらないかも知れないが、リレー詰将棋の場合「解く順番を選ぶ(難しい問題を飛ばす・後回しにする)」事ができない、という特徴がある。

…どうやらルール上の問題はなさそう(?)だが、作る上でいくつか制約がある。
・「収束(この場合最後の2手)が複数ある詰将棋」は使えない
例えば下の有名な古作物。
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▲4三桂△同金▲3二金打まで、が模範解答?だが(収束が複数ある場合は得てして「攻め方の駒を取る手順」が模範解答になる)、詰将棋のルール上は「…(初手略)△4一玉▲5一金」、「…△2一玉▲2二金打」も正解でありこの問題の「最終手」は「▲3二金(打)」「▲5一金」「▲2二金(打)」の3種類が存在する事になる。
…これが単独の問題だったらどれを答えても構わない(以前も書いたがこういう詰将棋はキズ及び不完全作とは見なされない)のだが、リレー詰将棋の場合は「最終手を次の問題に引き継ぐ」以上答え(収束)が複数あっては困るのである。
もっともその複数ある最終手のどれを引き継いでも(それぞれ別の)問題が出来上がる、と言うのならそれもありだが、自分の技量でそんな離れ業は不可能(笑)。

・「無仕掛け(初形に攻め方の駒が1枚もない)」は最初の問題以外には使えない
引き継ぐのが最終手以外なら可能だが、そうするとルールがややこしくなりそうなので…

・「リレーされた駒がなくても詰んでしまう」のは許容範囲
詰将棋には「邪魔駒消去」と言って盤上にある攻め方の駒が実は邪魔な駒でそれを手順を経て盤上から消す事で詰む、というテーマの作品がある。
例えば下図の例題③と④(面倒だったので例題④は②と同じ素材)。
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例題④はこのままだと▲2三桂△2二玉▲3一角成までの3手詰めだが、例題③の▲1三角成△同玉「▲2三角成」を引き継ぐと初形に2三馬が存在するので初手に▲2三桂と打てなくなる=「別の詰将棋になる」のである。
なので、例題④で「▲2三桂△2二玉▲3一角成まで」は(通常の詰将棋なら正解だが)今回のリレー詰将棋だと不正解になるのである。この点は元祖(?)リレーナンプレとは大きく異なる(ナンプレは初形に数字を1つ追加した事で別の問題になる、という事がない)。

…以上のようにリレー詰将棋は「フェアリー詰将棋」とは違うものであるが(解く上では通常の詰将棋と何らルールは変わらないので)、それでもどちらかと言えばアトラクション色の強い詰将棋だと思う。
例えば最初に課題作を提示し、「この詰将棋からリレー詰将棋を○問作れ(まず課題作を解き、それから問題を作らないといけない)」なんてのは詰将棋全国大会のアトラクションとして面白そう… かどうかはわからない(笑)。
それ以前に自分と同じ事を考えた(どこかに発表している)人が既にいるかも知れない。詰キストというのは基本的にマニアックな人種だと思うので…(笑)


(※1)…1999年から放送されたTVアニメ「おジャ魔女どれみ」のオープニングテーマ。
このシリーズは4年間続いたが(順に「おジャ魔女どれみ」「おジャ魔女どれみ♯」「も~っと!おジャ魔女どれみ」「おジャ魔女どれみドッカ~ン!!」、後に外伝にあたる「おジャ魔女どれみナ・イ・ショ」も放送された)、そのうち一番最初のシリーズ(業界用語?で『無印』)のオープニング。
放送時期(14年前)を考えると高橋九段はご息女が幼少の頃に一緒に見ていたのかも知れない。

(※2)…もちろん逆走(最後の問題を最初に解こうとする)したり途中から始めて最後の「答え」が出てはいけない…のだが、ナンプレ誌の問題を見ている(解いてみる)とその辺のチェックが甘い(途中から始めても「答え」が出てしまう)事がある

(※3)…スウェーデンで生まれた(スウェーデン人が考えた)形態のリレーナンプレ、という意味ではなく、陸上競技の「スウェーデンリレー(1走から順に100m→200m→300m→400mを走るスウェーデン発祥の競技)」から取った名称。
詰将棋で同様の事は無理だが(将棋盤は9×9しかない)、問題が進むにつれ手数が伸びる(1問目は3手詰め、2問目は5手詰め…)、とかいうのはありかも知れない。

(※4)…「リレー将棋」というのは数名でチームを作り、1局の将棋をチームのメンバーが1人○手ずつ指し継いで対局する将棋。1チームの人数及び1人あたりの手数は事前にルールで定められている(全員規定の手数を指して決着がつかない場合は最初の人に戻る)。
対局中の人がチームのメンバーに助言を求めるのはNGだが、1対局中にチーム全員で今後の方針を検討できる「作戦タイム」を設けている(使える)場合がある。
ちなみに似たようなものに「ペア将棋」というのがあるが、こちらは2人vs2人でお互いが1手ずつ交互に指す(例:先手AB・後手CDというペアだとしたら1手目A→2手目C→3手目B→4手目D→5手目A→6手目C→…)。
ちょうどいいことに(?)将棋倶楽部24」では毎年この時期に「リレー将棋大会」を行っている