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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

インの鬼姫

タイトルが誰の事を言っているのか瞬時に分かった人は「俄か」ではないボートファン。

 

以前もここにチラッと出てきた(と思う)元レーサーの鵜飼菜穂子女子選手では数少ない「イン屋」…進入でイン(悪くても2コース)を積極的に取りに行こうとする選手。男子だと前付けする選手は珍しくない?が(一口に前付けと言っても「外枠だと動く」「3号艇でも動く」などタイプは様々)、女子だとほぼ絶滅危惧種、というか鵜飼菜穂子の引退で実質絶滅したようなものだった。

…が、最近になって「2代目インの鬼姫の異名を奉られそうな選手が出てきた。福岡支部池田奈津美。…「池田○美」という選手が結構いたような気がしてややこしい(笑)【*1】。

どういう経緯でイン屋を目指すようになったのかは知らない。鵜飼とは支部が違う(愛知支部だった)のであまり接点があったようにも思えない。…そのうち特集か何かが組まれるかも知れない(もしかしたら既にあったのかも知れない)が、こういった「個性派」の選手はボートに限らず見ていて「気になる」これを書いている時点で参戦中の宮島オールレディースでも初日6号艇でイン奪取、と面目躍如(?)である(ここ最近のレースを見た感じ「4号艇より外だと動く」傾向にあるようだ)【*2】。

 

そう考えると最近はどの業界でも個性派が「いない」とまではいかないが「強烈な個性派」と呼べる人はほとんどいないよなぁ、と思ってしまう【*3】のは若貴時代」の相撲を見てきたからだろうか?

当時は主役と言える若貴や曙以外の名脇役」が面白い時代でもあった。例えば舞の海旭道山・智乃花・旭鷲山といった「業師」(彼等は「経歴」なども個性的である)、一貫して肩越しに右上手を取りに行く豪快な相撲大関貴ノ浪*4最後の塩を大量にぶちまける水戸泉北桜*5、時間前の仕切りで体を思いっきり低く沈める(誰かが「蛙みたい」と言っていた)朝乃若ロボコップ高見盛四股を踏む時に足の裏が天井を向くくらい足を高く上げる片山… この人たち個性が強すぎる(一度見たら忘れられない)から(笑)。

 

…話がそれた(笑)。贔屓の選手が1号艇の時にこういう選手が外枠にいると迷惑この上ない存在だったりするが(笑)、そういう私的感情を廃して舟券検討をすると逆に好配当をゲットするチャンス(スロー勢がドカ遅れ、とか)だったりするので「時に味方、時に仇敵」という実に扱いにくい存在である(褒め言葉になっていない)。たまにこういう選手によって「レースが壊れた」と偉そうに宣う輩も少なくないが「だったらそういう前提で舟券を買えばいい」という単純な理屈もわからない  そして運良く当てた時は「自分が批判する側にいた事をケロッと忘れている」  アホが実に多い。例えば車の運転中に「ある一つの事象から起きうる危険を予測する」ようにボートレースだってある一つの事象=「イン屋」がいる、という事から起きうるレース展開を読まない(読めない)のか、と思う。…そういう奴等は多分その手の「危険を予測する」という事ができない、あるいは「そもそもそういう発想自体がない」(ので車を運転させたら高確率で事故る)んだろうな。

 

…そういう話ではなく(笑)、スポーツにおける個性派の存在は時にその競技を「深く、面白く」してくれる。例えばSGの優勝戦で前付けが起きるといつも以上にスタンドが盛り上がる。自分も「おお、行った行った!」と声をあげたりする(笑)。また陸の上の個性派もやはり見ていて面白い事が多い。今だとその代表格(?)は西山貴浩(福岡支部だろうか【*6】。少し前だと「カマギー」こと鎌田義(かまだ ただし)も陸の上の個性派(実績もGⅠ優勝あり)だった。2017年に頸椎ヘルニアの悪化を理由に引退、引退後は「カマギーボートレースアカデミー」(平たく言えば「ボートレーサー養成所のための私設の予備校」)を主宰している。

「経歴」も時に個性派の要素を成している。最近で特に有名なのはやはり「元プロ野球選手」の野田昇吾だろう。養成所時代から(正確には転身を決めた時くらいから)スポーツ紙などで異様な(?)注目をされ、デビュー戦(昨年11月)も新人としては異様な舟券の売れ方をしている(結果は4着)。

 

個性を重要視すべき理由の最たるものは何と言っても「個性のない人間は覚えにくい(忘れられやすい)」という事だろう。自分が最近の若手棋士の名前が全然分からないのも大半はそれが理由だと思う。将棋に限らず「AIに育てられた」人間というのはそうなりやすい(個性が目立たなくなる、あるいは消えてしまう)ものなのかも知れない。…きっとそうだ。

 

…自分? まぁ見る人によっては「凄まじい個性派」なのかも知れない。何せ「伝説の!?」という枕詞をつける人がいたくらいだがら(笑)。

*1:静岡支部の双子女子レーサー池田姉妹のうち、姉の明美は2020年末に引退し(妹の浩美は今も現役)現在は山口県で犬猫保護施設の代表を務めている、という事をこの記事を書くためのリサーチで初めて知った。

*2:滅茶苦茶偉そうな事を言わせてもらうと、4日目(9月21日)の7R、4号艇から動いて行った池田に対し、2号艇の遠藤エミがそのままインを取らせたのは「(前付けが珍しくない)記念を戦うレーサー」としてどうなのよ、なんて事を考えてしまった。初日の妨害失格(賞典除外)であまり無茶できない身の上だったとしても…

*3:将棋界も「今しか知らない人」だと十分個性派ぞろいに見えるのかも知れないが、一昔前と比べたら十分「没個性」に見えてしまうんだよなぁ…

*4:それ故長身の力士との対戦成績はあまり良くなく、中でも剣晃は「天敵」というレベルで苦手にしていた、というのも貴ノ浪らしい「個性」と言える。

*5:両者とも気合が乗ると時間前でも立つ(これも最近は少なくなった?)ので、最後の塩まきが見れずにガッカリする事も多かった(笑)。

*6:彼の「江戸川0号艇」(このワードで検索すると見つかります)はあとで問題にならなかったのかちょっと気になる。特にペナルティは受けていない(それどころかその節は優勝している)ので、あったとしても「譴責」(Fギリギリのスタートを切るとレース後に呼び出されて注意される、のと同じ)くらいかも知れない。