ロシアでは権力や体制、生活などに対する嘲笑や皮肉をこめた「アネクドート」という小話が伝統的に流行しているという。ギリシア語の「アネクドトス」(「非公開」などという意味)が語源で、英語だとド直球で「ロシアンジョーク」と呼ばれるそうだ。
ネットとかでも時折見かけるが、中にはその発想力の鋭さを妬みたくなるものや、一見ジョーク風だけど核心をついていて考えさせられるものもあったりする。自分が見かけた中でそう感じたものの一部を挙げると…(細かいニュアンスはうろ覚えなので実際と違う可能性があります)
プーチンと占い師の会話。
プ「私の将来を占ってほしい」
占「キーウであなたが乗る車の中で歓声に包まれているでしょう」
プ「だったらその声に応えて手を振らないといけないな」
占「それは不可能です、あなたは棺桶の中にいますから」
クレムリンの壁に「プーチンはアホだ」と落書きした男が逮捕され、懲役15年6カ月の判決を受けた。罪状は「器物損壊で6カ月」「国家機密漏洩で15年」
かつてロシアはラスプーチンが支配していた。
現在ロシアは プーチンが支配している。
将来ロシアは チンが支配するだろう。
…ここでいう「チン」は「朕(中国皇帝の一人称)」、つまり将来ロシアは中国の属国になっているだろう、という揶揄。韻の踏み方が見事なアネクドートだが、この戦争が終結した後ロシアは最大で40前後の小国家に分裂する可能性があるとも言われており、そうなった時にそれらの多くが中国に各個撃破される(つまり中国の属国に落ちる)可能性は高い。
ちなみに中国において「皇帝(ホアンデイ)」というのは単に国の長という意味ではなく
宇宙で唯一にして正当なる支配者
という存在なんだそうで(「地球で」ではないあたり発想がぶっ飛んでいる)、もし今後クソの穴(や彼以降の中国の首長)が皇帝を自称するような事があったらそれは「単なるネームプレートの変更では終わらない」という事を全人類は肝に銘じておかなくてはならないだろう。
日本でもネットのコメント欄が「大喜利状態」になる事がままあるので、日本人もこういう話は嫌いではないのかも知れないが、向こうだと「アネクドート投稿サイト」みたいのがいくつもあるそうなので、アネクドートという文化(?)の浸透度がこちらの想像以上に深いのかも知れない。
振り返ると自分もこのブログでアネクドートっぽい事をいくつも書いてきたように思う。…かなりの変化球(別の知識がないと意味を理解できないもの)も多いが。ついでに(?)パッと思いついたものを書いてみる。
ウクライナ侵攻についてとある日本人が述べた感想。
「ロシア軍の戦車は破壊すればするほどボーナスをもらえるんですか?」
→ファミコンソフト「スターソルジャー」では「Z」の文字が描かれた「ゼグ」というターゲットがあり、同一ステージで続けて破壊すると「500→1000→4000→10000→40000→80000」とボーナス点がどんどん増えていく(通常は同一ステージに6個だが、8面と16面には7個目があり7個目も80000点)。
ナースセンターで国会中継を見ていた看護師のつぶやき。
「岸田総理って絶対喘息を患っているよね」
「どうしてそう思うの?」
「四六時中ゼェゼェゾゥゼェ(税・税・増税)言ってるから」
「インターハイの会場に大学や実業団の関係者が来ているのはわかるけど、どうして○ッグモーターの関係者がいるんだろうっていう長年の疑問が解けた。彼等は『ジョソウ』が得意な人を探していたんだな」
あそこの偉い人「○マ娘の業績が落ちてきたって? 何か解決策はないか」
チーム員A「もっと他の企業とのタイアップを進めるべきだと思います」
チーム員B「○ミーと組んで『CRウ○娘』を作ればいいと思います」
チーム員C「上納金を納める、という条件で春画を解禁すればいいと思います」
…数日後チーム員Bは異動(事実上の左遷)、チーム員Cは解雇されたらしい。
「藤井聡太を止められるのは誰か?」
永瀬や豊島でもダメだろう、という空気が蔓延し誰も名前を挙げようとしない中、1人の男が一桁の足し算を答えるかのような淡々とした、しかし確信のありそうな口調で答える。
「 」
…こういう事をSNS上で書けるのはまだマシだと思う。今のロシアでは侵攻後に改正された法によって「軍の名誉を失墜させる行為には最大で懲役15年」を科される つまりアネクドートを発言しただけで罪に問われる可能性がある…というか既に逮捕者が出ているらしい というので、この一事だけを見ても今のロシア(というかプーチン)がまともでないのがよくわかる。これは同じような事をやっているK国とかC国にも言えるだろう。日本は…「今のところは」まだ大丈夫かも知れないが、将来も安泰とは断言できない【*1】。