11日の芦屋(GⅠ)の12R(ドリーム戦)は最終オッズが「1-○-○でない組み合わせは全て万舟」という滅多に見られないオッズになった。一般戦(シード番組)でもそうそう見られる事でない事象が実力者ぞろいのGⅠで起こるのだから峰竜太の化け物っぷりがよくわかる話である。
同日、下関では日本モーターボート選手会会長を務める上瀧和則(SG4回優勝を誇るトップレーサーである)が4年4か月ぶりの実戦復帰。その復帰初戦は3号艇で2コースを奪うとスリットでのぞいてまくりを放つがターンマークにヒットしてしまって落水失格に… ちなみに今名前を出した2人はどちらも佐賀支部(たまたまですけど)。
話を戻して丸亀の最終日は
1~4R:一般戦(団体戦ではない)
10R:特別選抜B戦(団体ポイント=4、レディースがサービスゲーム)
11R:特別選抜A戦(団体ポイント=8、枠順は得点率による)
12R:優勝戦(団体ポイント=12、枠順は得点率による)
5日目終了時点で25:15と大きな差になっているが、ルーキーズも20点取れば(例えば11R12Rと連勝すれば)逆転できる。ただし5R~11Rを全勝しても17点なので、優勝戦での団体ポイントは絶対必要になる。レディースは勝利に10点必要なので、11Rを勝った時点で(例えば10R11Rと連勝すれば)団体戦優勝が決まる可能性がある(10Rまで全勝でも9点しかないのでここでは決まらない)。
5R~8Rまではルーキーズのサービスゲームではあるが、A級選手はほとんどが賞典レースへの出走なので5,6Rは3人ともB級、7,8RもA2級が2号艇だけなので少々心許ない。
5R…1号艇の彦坂真太郎が.09スタートで逃げるも2、3着はレディース。こういう形になると「6着を取った方が負け」になるので、競り合いになった時に経験のある方(大抵はレディース)が有利になる。実際2周2マークでは最下位だった水野望美(A2級)がいつの間にか(後方の争いは基本的に映してくれないので「いつの間にか」と言うしかない)5着に順位を上げてブレーク。
レディース 26:15 ルーキーズ
6R…2号艇の谷口知優がまくりでインの井町泰を叩くと2艇の間に4号艇土屋南がまくり差しをねじ込む。そのまま突き抜けて独走、2番手は2号艇、3番手はスリットで凹んだ四宮与寛が最内を回って残す。そのため5R同様「6着を取った方が負け」に。しかし1周1マークで叩かれた井町は大きく遅れたのでこの時点で事実上の決着、再びブレーク。この時点で「ルーキーズの団体優勝は11R・12Rの連勝が絶対条件」「レディースは11R・12Rのどちらかで勝てば団体優勝」になった(変な言い方をすると「7~10Rは団体戦の意味を失った」)。
レディース 27:15 ルーキーズ
7R…インの浜本裕己が逃げ、残り5艇で2着争い。1周2マークを上手く回った6号艇上田紗奈(欠員補充のために最終日だけ出走)が2番手を取り切ったが3着に大塚康雅が入ってキープ。払戻は6が人気薄だったためイン逃げだけど3万舟。
レディース 27:16 ルーキーズ
8R…まくり差しに行った3号艇染川直哉に2号艇栗城匠が抵抗して2人そろって大きく流れたところをレディースの3選手が次々と走り抜けていく。このままブレークかと思われたが栗城がどんどん追い上げて3着まで挽回し何とかキープ…と思いきやルーキーズに不良航法があったためポイントはレディースに。…まぁボートレーサーは普段から1つでも上の着を目指している(既述のように「団体戦でも個人の成績に反映する」)から団体戦とかは関係ないのだけど。ちなみにこの結果を受けて「賞典レースでレディースが全勝すると団体ポイントが『トリプルスコア』になってしまう」事に(過去に46-23の「ダブルスコア」はあった)。
レディース 28:16 ルーキーズ
9R…この日最初の「レディースのサービスゲーム」。先マイした岩崎芳美に対し3コース遠藤エミがまくりで攻めるが届かず【*1】。こういう展開になると外枠(特に4コース)が最内を突いて3着、というケースが多い(と分かっていながら買い目を切ってしまうんだよなぁ…)。このレースも3着に4号艇の山下流心(この選手も追加配信)が入る。団体戦はレディースがキープ。
レディース 29:16 ルーキーズ
10R・特別選抜B戦。番組編成委員は「4日目終了の時点でこのレースの1号艇に平山智加を据えるつもりだった」かも知れない(笑)。今節はモーターに苦しんで1号艇で2戦2敗だったが、ここは意地の逃走を見せる。2着に西橋奈未のワンツーで団体戦キープ。
レディース 33:16 ルーキーズ
11R・特別選抜A戦。ここでレディースが勝つと12Rを待たずに団体戦勝利が決まる。ここ(と優勝戦)は準優勝戦の成績で枠順が決まるので「サービスゲーム風の枠順」にはなっていない。
1号艇の實森美佑が逃げて2号艇村松修二が追走。ここでレディースのどちらかが3着なら確定だが4号艇の眞鳥章太と5号艇の川原祐明が競り合う形になりルーキーズがポイント、団体優勝の行方は最終レースに持ち込まれる。
レディース 33:24 ルーキーズ
12R・優勝戦。団体戦という観点で言うならレディースはここで負けると「5日目までに築いた優勢は何だったんだ」という事になってしまう(どれだけ団体戦を意識しているかは分からないけど)。レースそのものは1号艇の平高奈菜が有利であるが、2着以降で11Rの再現をされると…
レースは内3艇が.10前後の好スタート。.09のトップスタートを決めた平高奈菜の先マイに2号艇の仲谷颯仁が差しで迫るが振り切って早々に1-2隊形が決まる。3番手争いはまくりに行った3号艇と内を突いた4号艇が並ぶ、そして1周2マークは外を握って回った櫻本あゆみが3番手を取りきる。…この時点で個人戦・団体戦ともに大勢が決したと言える。ついでに舟券も(笑)。そのまま3周走り切ってLRはレディースの個人戦・団体戦W勝利となった。
レディース 45:24 ルーキーズ
次回のLRは来年の(!)2月3日~8日の日程でボートレース常滑で開催予定。ただ、同レースは東海地区選手権(津)・近畿地区選手権(三国)・九州地区選手権(大村)と開催日程が重複しているので、これらの地区の選手(特にレディース)がどちらに斡旋されるのか、が心配である。
*1:3コースで「まくる」「まくり差す」「差す」の選択は選手の個性が出やすい。女子は「まくる」選手が多いような印象。