DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

より気になった話

7月23日、将棋ファンはもとより、そうでない人(「俄か将棋ファン」とでも呼ぶべきだろうか)も注目する竜王戦決勝トーナメント、豊島将之名人-藤井聡太七段戦。…しかし自分はそっちよりも同日にボートレース浜名湖で開幕した「第1回全国ボートレース甲子園競走」の方が断然気になっていた。東海地方は「記録的豪雨」に見舞われたと言うが、レース当日はいい天気になったのでよかったと思う。

…以下選手名は敬称略で。

「全国ボートレース甲子園」、何となく概要が想像できそうなレース名である。実際その通りで、出場選手は「夏の甲子園」のように日本全国47都道府県から1名ずつ+施行者推薦で5名。「代表」に選ばれるのはそれぞれの「出身地」(※1)ごとに過去1年(前年の5月~当年の4月)の勝率5位以内の選手から1人。
…こういう事を書くと、「ボートレースに縁のない地域は選手がいないのでは?」と思うかも知れないが、そういう不安を打ち消すように(?)現在は全ての都道府県に出身地とするレーサーがいる(ちなみに北海道出身は6人)。ただしレース当日(前検日含む)がF休み期間やGⅡ選出除外期間、出走回数100回未満、B2級の選手は選出除外となるので、その出身地の選手が全てそれに該当してしまうと「代表選手なし」になってしまう(※2)。

レースそのものはよくある(?)GⅡ競走(優勝賞金450万円、優勝者は来年3月のクラシック優先出場権獲得)だが、その選考方法から必然的に各都道府県のトップレーサー(※3)が集うわけで、レースの中身はほとんどSGである。ただその一方で「今回初めてGⅡに出場する」というB1級の選手もいて、「本家」の甲子園のように都道府県ごとの実力差が大きく開いている、というシチュエーションもある。そしてそのB1級の選手が舟券に絡んで高配当、なんてシーンも。
また出場選手もレース自体は個人競技でも「出身地の代表」という意識は大なり小なり持ち合わせていて、レース場に入る時の服装やピットでの作業着を「地元と関係のある」デザインにしていたり、選手紹介や「ヒーローインタビュー」で地元の方言を使う選手が少なくなかった。

こういうレースがあるとやはり地元の北海道代表(三浦敬太)を応援したくなる。初日は「GP優勝者3人を向こうに回して」の1号艇(1回走り)。2コース差しは喰らったが2着発進、1号艇だったらやはり1着が欲しかったがもっと酷い結果だった可能性も考えたら「悪くはない」という事にしておこう。
また女子選手は3名が選出(富山県=今井美亜、滋賀県=遠藤エミ、鹿児島県=藤崎小百合)。先週芦屋で行われたモーターボート大賞では守屋美穂がイン逃げで男女混合のGⅡを優勝しており(※4)、それに触発された激走が見られる…かも?

ちなみにこの日の10Rで1号艇の湯川浩司が展示航走中にエンストして欠場、というハプニング(たまにこういう事はあるがグレードレースでは相当稀有な話)。原因は「航走中に浮遊物を巻き込んだ事による『シャーピン折損』(※5)、というアナウンスがあった。…「3-1-全」で投票を済ませた直後に欠場とか言われたので
「なんでやねん!」(←菊地孝平の最近のマイブームらしい)

このレースの記事を道新スポーツで(!)読んでいたら、隣の面に気になる記事があった。

「東急百貨店・東横店が2020年3月で営業を終了(地下の食品売り場は除く)

東急東横店と言えば言わずと知れた(ホンマかいな)「東急将棋まつり」のメイン会場である。今年(8月2~4日)で第53回を迎える(羽生世代が生まれる以前から行われていた)伝統の将棋まつり、来年以降はどうなるのだろう… 個人的には竜王戦よりもそっちの方が気になってしまった。
「東急の将棋まつり」は札幌の東急でも毎年開催されており、今年は8月12・13日。例年北海道に所縁のある棋士が出演しており、特に今年は広瀬章人竜王」が出演、席上対局を2局(12日=口明けで佐々木慎六段戦、13日=トリで屋敷伸之九段戦)に指導対局も(2日とも)担当するので、例年以上の人の入りが予想される(自分はその「例年」を知らないのだけど…)。東京の東急将棋まつりにも出演予定で、やはり「竜王は忙しい」。某ラノベ竜王は広瀬竜王ほど「忙しい」という印象を受けないのだが…


※1…選手は登録時に「出身地を選べる」ようで、必ずしも「出生地=登録された出身地」ではない。例えば今回「岩手代表」で選出された静岡支部菊地孝平は「北海道生まれの岩手県育ち(母校は2017年の春のセンバツに出場した岩手県不来方高校)」、滋賀県代表の遠藤エミ(公式には滋賀県蒲生郡日野町出身となっている)に至っては「出生地はブラジル」なんだとか(最近初めて知った)。

※2…第1回では唯一の「鳥取県出身」である村岡賢斗がF休みのため選手除外、「鳥取県代表が不在」になった。こういう場合は同じ地区(鳥取だったら中国地区)から別の選手が選出される(今回の場合は岡山出身の茅原悠紀が選ばれた)。

※3…今回出場の52選手のうち25人がSG優勝経験者、その中でグランプリ(賞金王決定戦)優勝者は10人もいる。

※4…女子選手が男女混合のGⅡ以上のレースを優勝したのは平成以降で4人目(1999年GⅠ四国地区選手権…山川美由紀、2012年GⅡモーターボート大賞…宇野弥生、2013年GⅠ近松賞…平山智加)。
女子の賞金レースは8月のレディースチャンピオン(優勝賞金1100万円)が非常に大きな比重を占めるので、男女混合の特別戦で稼いだ賞金(GⅡ優勝はGⅠ準優勝とほぼ同額)は非常に大きい(実際今回の優勝で守屋は一気に女子賞金レースの首位に浮上している)。

※5…「シャーピン(shear pin)」とはエンジンなどの動力部と駆動部品を結合するピンで、異常な力がかかった時(回転部分に異物が挟まった時など)に最初に折損する(駆動部品が切り離される)事で本体への致命的なダメージを防ぐ役割がある(そのため敢えて折損しやすい材質や形状になっている)
ボートレースのモーターの場合はどこの部品を指しているのかよく分からないが(プロペラをギアケースに固定させるためのピンではないか、と思うが勝手な推測です)、どちらにせよこういうものがないとギヤケースやクランクシャフトが破損→最悪エンジン完全破壊、なんて事もあり得る。