DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

「見落とした」なんて言い訳は通用しない

10月15日にボートレース津で行われたレースで「フライングした選手がピットに戻らずレースを完走してしまった」というハプニングがあった。

本場によく行く人でないと分からないかも知れないが、大時計のそばに1~6の数字が表示できる電光掲示(正式名称は「失格欠場表示盤」と言うらしい)があり、フライング(や妨害失格)を犯した艇の番号が点灯されるようになっている(レース間の「スタート練習」時にも点灯する)。レース中にここに数字が表示された選手は(フライングなどの)失格なので速やかにピットに帰投しないといけない。通常は向正面航走時に確認して(「失格欠場表示盤」は2つあるので向正面からでも確認できる)そのまま減速してピットに向かう事になるが、「判定に時間がかかって表示が遅れた場合」などはそのまま2マークを旋回【*1】→スタンド前で欠場を確認→減速して(他艇の邪魔にならないように)大外を回って帰投、という事もままある。

この日のフライングについてもフライングした選手は普通に(?)1周2マークを旋回したのでこのパターンなのかな、と思ったらその選手は減速する気配がない、それどころか2周1マークで差して3番手に浮上してしまう(差された選手は「本来ならいないはずの艇」に差されて驚いたに違いない)。リプレイを見る限り2周目のスタンド前で「他艇が邪魔で失格欠場盤が見えなかった」ようには見えないので完全な見落としだと思われる。そしてその後も何度か帰投する(失格欠場表示盤を確認する)機会があったにも関わらずそのまま3周を走り切って(見た目上は3着でゴールして)しまう。

自分はこのレースを見ながら

「いくら何でもこれはアカンやろ」

と思った。…案の定その選手は「即刻帰郷」となった。【*2似たような処分に「即日帰郷」というのがあるが、「即日帰郷(よくあるのは「+05」以上の「非常識なフライング」)」はその日の2走目を出走する事ができる(終了後帰郷)が、「即刻帰郷」はその2走目も出走する事ができない(選手責任の欠場)。

ちなみに即刻帰郷になる事例として今回のような「フライング無視」以外にも「開催期間中の宿舎に携帯電話を持ち込んだ【*3】」「整備不良」「周回誤認」「他人のボートの運転・整備【*4】」などが該当する。そして即刻帰郷を喰らった選手は「褒賞懲戒審議会」で諮られて出場停止等のペナルティが科される【*5】。

 

…このようにボートレース(や競馬など)では「過失であっても」重篤な違反行為に対しては相応の重いペナルティが科されるわけだが、「競技」でない場所、例えば政治とか企業だと「意図的にやった(に違いない)事」でも「知らなかった」「気が付かなかった」「見落としてしまった」「部下(秘書)が勝手にやった事」などの言い訳で逃れようとする輩の何と多い事か。…見苦しいったらありゃしない。

*1:ここで無理にピットに向かって他艇の妨害をした場合は「悪質な航法指示違反」で即刻帰郷になってしまう。

*2:津では8月にも同様の「フライング無視で完走」により即刻帰郷を受けた選手がいる。どういう偶然だろう…

*3:荷物の底に紛れ込んでいたのに気づかなかった、とかでもアウト。

*4:展示航走を終えて戻ってきた1号艇を「その次のレースに1号艇で出走する選手」が間違って試運転や整備をしてしまった、という事例がある。こういうケースの場合「展示後の状態変更禁止」の規定に違反してしまうので「ボートを間違えられた選手」は選手責任外の欠場になってしまう。

*5:この審議により定まった出場停止期間が「選考期間」にかかったSG及びプレミアムGⅠは優先出場権を持っていても選出除外されるので、実質1年くらいSG及びプレミアムGⅠへの出場ができなくなる事になる。