竜王戦の組み合わせ抽選した奴F●ck!!
と叫んでいたと思われる(笑)。
S氏宅では各種トーク(?)以外にも「様々なフェアリー将棋(その大半は即興で思いついたもの)」のテストプレイが行われた。
・根津飛車&根津角MIX将棋
文字通り「根津飛車」と「根津角」が同時に存在する将棋。
・王手回数有限将棋
文字通り1局の間でかけられる王手の回数が制限されている。最後の1回の王手で詰ますことができなかったら負け(透かし詰めを無駄合で防がれてもダメ)。
・成り回数有限将棋
文字通り1局の間で「成る手」の着手回数が制限されている。回数を使い切っても負けとはならない。ただし「ルール上不成が許されない着手(▲1一歩成や△8八桂成など)」は回数にカウントしない(局面に矛盾が生ずる可能性があるため。回数を使い切った後もこれらの成は可能)。
・連続王手制限将棋
連続で王手を指せる手数が制限されている。例えば「3回」だったら3手連続で王手をかけたら次の着手は王手でない着手を指さないといけない。連続王手が途切れた後は再び3手連続まで王手が可能。なお3手連続王手した直後に逆王手をかけられ、「その王手を逆王手でないと防げない」という場合は(合法手がなくなってしまうので)「負け」になってしまう。
…例えば下図のような局面が該当する。▲7七桂打が「連続3回目」の王手、それを△同歩成と取って逆王手。これをどのように回避しても「連続4回目」の王手がかかってしまうのでこの局面までで先手の負けとなる。
・KAMIKAZE
同名のフェアリーチェスより。玉以外の駒が駒取りを行うとその駒は消える(将棋の場合相手の持駒になる)。
・持駒共有将棋
複数の将棋を同時に指し、それぞれの持駒を全ての将棋で共有する。つまりAの対局で取った飛車をB(やC)の対局で打つ事ができる。指し手は全ての将棋の着手を完了して「1手」とし、同一手数で取った駒を別の将棋に打つ事はできない。
…ちょっと分かりにくいので「二盤勝負(便宜上「L」「R」とする)」で具体例を挙げる。
続いて棋士Bが「Lの2手目」と「Rの初手」を指す。
Aが「Lの3手目」で角を取った。この取った角を「Rの2手目」に(▲5三角などと)打つ事はできない、という意味である。
打てない理由は「1つの盤面に角が3枚あるから」ではなく(笑)、「Rの2手目の局面(2枚目のR、この時Aの持駒はないというのが重要)から▲5三角という着手は不可能である」という意味。何か適当な手を指して「Rの4手目(以降)」になった時には既に持駒に角があるので「3枚目の角」を打つ事が可能、というロジックである。
これらを試してみて感じた事。文末の印は個人的な評価。
○…ゲームとして面白い(と思う)
△…微妙、あるいは要研究
×…ゲームとして面白くない、あるいは成立しない可能性
・根津飛車&根津角…検討したところ初手▲7六歩ですぐに△3四歩が指せない、というのが思った以上に先手に有利に働く(大駒の働きに差がついてしまう)。なのでゲームとしては成立しにくい(かなり先手が有利なゲームである)可能性がある。『×』
・王手回数有限将棋…これは将棋の内容、つまり「対抗形」か「相居飛車(相振り飛車)」かで平均王手回数に差が出やすい(前者の方が少ない)。それを踏まえて9日の香龍会でも試したところ、「7回」というのが一番ゲームとして面白いように思った。場合によっては回数に差を付ける事でハンデとする事も可能かも知れない。例えば「上手は王手5回まで」「下手は無制限」みたいな感じで(※1)。『○』
・成り回数有限将棋…「10回」で試したところ「普通の将棋とほとんど変わらない(中途半端に不成を使うと不利になる)」ので、「5回」くらいかなぁ、という予想。『△』
・連続王手制限将棋…案を出しただけで1回も指していない(笑)。ただ、「詰めろ逃れの詰めろみたいな手が出てこない限り普通の将棋とほとんど変わらないのでは」という意見。…自分も何となくそう思います。『×』、ただし上手のみ制限あり、というハンデ戦としては『△』?
・KAMIKAZE…元々がチェスのフェアリーであるせいか、「チェスだから何とか成立するルールっぽい」という結論に。例えば歩交換(?)をすると手にした歩を高い駒の取りに打つだけでどんどん「わらしべ長者」みたいな感じになってしまう(その歩がタダであっても取ると「駒取りを行った駒が相手の持駒になってしまう」)ので、「開戦は歩の突き捨てから」という格言が通用しなくなる(笑)。『×』
・持駒共有将棋…勝利条件(どれか1つでも決着した時点で終了なのか、全ての将棋が決着した時点の総合成績なのか)にもよるが、1つを「持駒獲得用」と割り切って他の将棋に勝負をかける、というような「戦略」も重要になってくる。将棋そのものも突然「3枚目の飛車」「5枚目の金」「19枚目の歩(…?)」といった「通常ではあり得ないもの」が出てくるために通常の将棋とは違う感覚が要求される。『○』
…1つハッキリしているのは「これらの将棋を研究すると通常の将棋がかなり弱くなる」という事だろう(笑)。
他に話のネタになったものとして、
・自分(DJカートン)の年齢
前回書いた「UMACA」の申込用紙(UMACA作成後「登録者に返却される」、コピーも取っていない)には「セーネンガッピ」「生年月日」を書く欄がある。それを見たS氏は
「カートンさんってそんな年齢だったの?!」
と驚いていた。…そりゃあ「AIが15歳も間違えるような顔(※2)」だから年齢不詳に見えても不思議ではないけど。香龍会でもその話になり、実年齢を言うと全員驚いていた。O氏には
「オタクは歳を取らない」
なんて言われたり(白髪が増えたり老眼っぽくなったり、と普通に年を取っているけど)。
・中原誠名人の箱書きが入った美水作の盛り上げ駒(錦旗書)
・二上達也九段の箱書きが入った香月作の彫り埋め駒(源兵衛清安書)
いずれもS氏所蔵の駒。「美水」は駒師・宮松影水の奥さんの雅号。
自分が盛り上げ駒に触れるのはこの日が2回目(1回目は森下九段との指導対局)。…いつ見ても思うのは「最高級の駒は木に見えない」。それこそ将棋の駒の為だけに作られた特殊な素材のように見えてしまう。翌日三輪碁盤店(詳しくは後述)で見たものと言い、「溜息しか出ない」。普段はプラ駒やデラックス将棋の駒を使っている(それでも十分だと思っている)自分でも「いつかは盛り上げ駒(※3)」と思ってしまう魅力、あるいは魔力を将棋の駒は持っているのだろう。
・S氏が〇イソーで購入したという将棋セット
…実物の写真を撮り忘れたのは失敗(笑)。
価格が税込みで840円、というのが意味するところは… 分かりますよね?
物自体はこのラベル(?)に出ているもの。サイズは盤駒ともに一般的な将棋盤駒より一回り小さい。「駒(2組)」とあるのは「20枚で1組」と解釈されている。2つ折りの盤の内側に駒入れ(一応駒台として使える)を収納できるようになっている。…だが、
この将棋セットの真の価値(?)は「解説書」にある。
ちょっと見づらいが(「虫眼鏡」マークをクリックすると拡大)、日本語表記の裏面に英語表記。一応訳したものになっているっぽいが…
・「将棋盤は別にお求めください。」
…将棋盤も一緒についているぞ?(笑)。「英文」のほうの写真の下に映っている色の薄い方の将棋盤がそれである(その下の榧盤と比べるとその大きさが分かるかと)。
・勝ちの1手前で相手に「王手」を宣言します。
…一体どんなルールやねん!(笑) 香龍会で見せた時に一番笑いが多かったのもこの一文。英訳すると
An announcement of checkmate (called Ote) is to be made by the player just before win.
…チェスで言うところの「チェックメイト」のコールの事を言っているらしいのだが、「チェックメイト」を「王手」と訳しているあたり何も分かっていない。そもそも将棋で「王手」を宣言する必要はないし、最後の1手を指す時に「詰み!」と言いながら指す必要はもっとない(笑)。
・The Players alternate moving one piece at a time.
「交互に1回づつ駒を進めます。」の英訳らしいが、「この文章には動詞がない」という指摘が。
◎自分の駒が利いているところにある相手の駒は取ることができます。
↓(この説明を英訳?すると…)
◎You can capture the opponent's piece if it is within your zone.
↓(この英文を直訳すると…)
●あなたの陣地(your zone、つまり「自陣」)にいる相手の駒は取る事ができます。
…え、自陣に入ってきた相手の駒は無条件で取る事ができるの?!(笑) もしそんな事が許されたら一生決着がつかない事は自明である。
流石に駒の動かし方が違う、というダウトはなかったが(笑)、説明文には怪しい所がたくさんある。
・王のローマ字表記が「Oh」
…他のところでは「Ou」となっているのに。思わず「Oh!」と叫びたくなる(笑)。同様に龍王も「Ryuoh」となっている。…「龍Oh!」
・飛車のローマ字表記が「Hishya」
…何と読むのだろう? 無理矢理読むなら「ヒッシュヤ」となりそうだが(笑)。
・龍の動き、「今までの動きに金と銀の動きが加わる。」
…金の動きが加わる必要はあるのか?
・龍馬の読み、日本語は「りゅうめ」だが英語(ローマ字)は「Ryuma」=「りゅうま」
…何故?
・金の動き、「駒を飛び越しては進めない。」
…どうやったら金で「駒を飛び越える」事が可能だのだろう(銀、歩も同様)。
・ナイトの綴りが「Knite」
…Kniteとは何ぞや? 成桂の説明では「promoted knight」と正しい綴りになっているのに。
・香車だけ「やり」というニックネームの説明がある
…必要?
・香車のローマ字表記が「Kyoushya」
…「キョウシュヤ」?
・成香のローマ字表記が「Narikyho」
…「ナリキホ」?
・歩兵の略称、日本語は「歩」、英語では「兵」
…初形図にも動きを示す図にも「兵」という駒は存在しない。
…とにかく滅茶苦茶。確かセットの中に「不良品がございましたら弊社までご返送下さい」みたいな事が書いてあったのだが、「説明書が不良品極まりない」とか言ったら返金とかに応じて…くれないだろうなぁ、という話も(笑)。英文の和約にご協力くださったC氏にはお礼申し上げます。
思った以上の文字数になったので、香龍会当日の事は別の記事と分けます。
※1…こんな事を書いて「大逆転将棋」とかでパクられたらどうしよう…(笑)
※2…1年くらい前に行った産業展示会に「その人の顔を見て年齢を当てるAI」なんてものがあって、数千人のデータを基に被写体(?)の年齢を当てる(大抵は±5歳未満の誤差)らしいが、自分は「実年齢-15歳」と判定された。…所詮AIなんてそんなものよ(笑)。
※3…今から30年くらい前に「いつかはクラウン(自動車のクラウン)」なんてCMがあった記憶がかすかにある。