DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

2014年6月の香龍会

先週の駿棋会に続いて香龍会にも参加。先週も会った方に対する
「前に会ったのは何ヶ月ぶりですかね?」
という挨拶は勿論皮肉(笑)。

今回は交通手段に新幹線を利用した事もあってか会場に到着したのは12時40分頃(開始予定は13時)。
…別に贅沢をかましているわけではなく、土日は豊橋~名古屋間の新幹線を往復2,320円で利用できるという往復切符がある。浜松~名古屋をJRのみで行くと片道1,970円一方(一度豊橋で改札を出て)前述のチケットを使う場合浜松~豊橋が670円、それに1,160円(片道当たり)を足すと片道1,830円。何と新幹線を使っても通常運賃より安いのである(なお前述区間の往復切符には「在来線バージョン」もあり、そちらは往復1,580円なのでもっと安い)。
この往復切符については(豊橋駅にでっかく広告が出ているので)前々から存在は知っていたのだが、豊橋から名鉄を使う(片道1,110円)ほうが安いので使っていなかった。もっとも帰りは「確実に座りたい」とか言ってμ-チケット(指定席、350円)を買ってしまうので結果として高くついてしまっていたのだが(笑)。
移動中にワンセグでNHK杯を見ようとしたが、いろいろな悪条件(県境、トンネル、その他)が重なって全く見れなかった。ようやく電波が安定したと思ったら既に12時、囲碁の時間になっていた(笑)。

今回の香龍会は最初は詰将棋の話題(主に岩本氏からの「宿題」だった「香龍会作品展」への作品)だったが、途中から「必至問題集」グループと「西洋将棋指南」グループ(呼称は便宜上のもの)に分かれて詰将棋の話は全くなくなってしまった。
前者に関しては「来条克由(※1)必至名作集」という本の必至問題を検討されていたのだが、掲載された問題の中に「余必至」「不必至」(余詰・不詰の必至版)がある、という話題になっていたようである。

…で、自分が参加していた西洋将棋指南」グループ。西洋将棋」という表記からチェスの話である事は誰でも想像されると思う。西洋将棋指南」は1868年(明治2)に刊行された「日本で最初にチェスのルールを紹介した本」で、国立国会図書館デジタルコレクションで読むことも可能である。当時の本らしく(?)平仮名が続き文字で書かれているため非常に読みにくいのだが…

駒の名称も漢字に訳されている(?)のだが、中には「どうしてそう訳す?」というものも多い。
キングはそのまま「」。これは全く違和感が無い。
クヰーン(緑色文字は同書での表記をそのまま使用、以下同様)は「(きさき)」。意味が微妙に違う気もするが一応許容範囲(?)。
ビソップは… ちょっと後回し。
ナイトは「」… これは将棋の馬(龍馬)と間違えやすい。駒の説明には「騎兵なり」とあるので「騎」の方が良かったのでは。
ルウク… も後で。
パウン(綴りが「pawn」なので無理矢理そう読んだ?)は「」。一見違和感なさそうだが、ポーンは「目前にいる相手の駒を取れない(駒を取る時は斜め前方に進んで取る)」ので、将棋の歩とは同じようで同じではない。
特に下図(この本の後半に載っている「詰物」より)のような「歩の前に相手の王がいる」局面を見るとチェキされているように見えてしまう」(実際はチェキではない)ので、「兵」とするほうがそのような誤解が生じなかったと思う(ちなみにこの詰物は「黒方から」となっている)。
イメージ 1

…で、問題のビソップルウク。普通に訳す(?)と前者は「司教」「司祭」、後者は「城壁」などとなるが(※2)、この本でルウクは「」、読みは「だいば」。「大砲の台場なり」と説明されている
そしてビソップ。普通に考えるなら「司」か「僧」となりそうだが、この本では「」。「神官」の官なのかな、と思ったが、これのルビを見て皆がたまげた何と「官」と書いて「やくにん」と読ませるのである。…「bishop」をどう解釈したら「役人」になるのだろうこの本の著者はかなり独特なセンスの持ち主だったようである(笑)。

順番が前後したが、チェキ」というのは説明するまでもないと思うが「チェック」の事(文中に「王手を『イギリス』のことばにて『チェキ』といふ。」と書かれている)。チェキ… 何だかかわいらしい(笑)。しかしチェックメイト」(に近い言葉)は登場せず「詰み」という言葉が使われている
ケストルキャスリング)」にも触れられているが、今のキャスリングとルールが違う現在のキャスリングキングが左右どちらかに2マス動き、移動した側のルークがキングの隣に(キングを飛び越えて)移動、となるが、この本では砲(だいば)の駒を官(やくにんのところへうつし、王を隅の砲のあとへ入るるなりとある。これを図で表すと…
イメージ 2

図で見ると一目瞭然だがキャスリング後のキングの位置が今のルールと違うのである(クイーンサイドへのキャスリングについては書かれていない)。ただ、この日の会合で聞いた話によると19世紀末頃にチェスのルール改正があったそうで、その時にキャスリングのルール(キャスリング後のキングの位置)も改正されたのかも知れないし、あるいは単なる著者の誤解釈かも知れないし…(笑)

香龍会ブログにも書かれているが
通常のルールでオセロを打って最終的に石の少ないほうが勝利というルールで打つとどうなるか、の実験(?)を行った。
使用したオセロのセットについて、先週は「盤は非磁性」と書いたが、実は盤も磁性だった(笑)。標高が高くなると(駿棋会の会場は地上12階)磁力が弱くなる? …そんなわけはない(笑)。つまり単なる勘違い
それはさておき、どういうきっかけでこんなルールを思いついたのか、は自分でもよくわからない(笑)。先ほどのチェスの話をしているうちに何故か突然思いついた。
ゲーム名は…「自殺オセロ」なんてのを(フェアリー詰将棋の「自殺詰」から)考えたが、やはり「自殺」という言葉は印象が悪い、という事で却下される(笑)。ルール(目的)が反対なのでオセロをひっくり返して「ロセオ」、othelloをひっくり返して「オレート(ollehto)」、いろいろ出てきたが決定しなかった。
とりあえず一番シンプルな「ロセオ」に仮決定、という意味で「ロセオ(仮)」とするこのブログには度々(仮)が出てくるが気にしない気にしない(笑)。

突然対局開始となったわけだが、通常のオセロとルールは同じでも目的が全く反対なので感覚が変になる(笑)。少なくとも通常のオセロでよく言われる「序盤はできるだけ石を取らないようにする」という定石はロセオ(仮)では当てはまらないと思う。それどころか「早い段階から相手が角に置けるように打つ」なんて普通は絶対やらないような手がそこかしこで現れる。
角を取ると無敵石(「理論上終局まで裏返らない石」を勝手に命名)が増えるので通常のオセロなら大歓迎だが、ロセオ(仮)で無敵石が増えるのは言うまでもなく避けたい行為。なので角が取れる局面でも双方なかなか角に石を置かない
結局今回の対局でも角に石が置かれたのは55手目。残り6マス中4マスが角、という通常なら絶対見られないであろう局面に我々の感覚は完全に破壊された(笑)。

これはこれで研究(?)すると面白いと思うのだが、今回の対局者・観戦者の全員が誰かが既に考案していてもおかしくなさそうなルールなのにこのルールを提案・紹介・研究している人(サイト)を見た事がない」、というのがある意味不思議というか奇跡というか。
なのでこの際「香龍会発案」とか「DJカートン発案」と謳ってしまうのもありかも知れない、と思った(笑)。

帰宅後録画しておいたNHK杯を見ながら記事を書こう、と思ったら眠気で手が動かない(苦笑)。仕方ないので当日アップは諦めて就寝。
翌日(月曜)にアップしようとしたが「どうせなら局面図があったほうがいいだろう」という事で局面図の作成で1日かかってしまったので(チェスの棋譜再現ソフトがあれば楽だったのだろうが自分は持っていない…)今日になってようやく投稿、という形になってしまった。
同日放送されたNHK杯については次回に。


※1…「きたじょう かつよし」。元奨励会員(内藤國雄九段門下)で必至問題の名手として業界では有名だったそうである(自分はこの日の香龍会ではじめて名前を聞いた…)。
2009年1月26日(記事によっては「1月25日」になっているがどっちが正しいのだろう…)没、享年50。

※2…ドイツ・フランス・スペインなどでは「塔」とされている(確かにフォルムはタロットの「塔」にそっくりである)。なので略表記も(Rookの)「R」ではなく「T」(塔の頭文字)となっている。