詰パラ2月号が届いて最初に見たのはやっぱり(?)ヤン詰の解答稿だった。見せ場は最初の5手目まで、というのは自分でもわかっていた──ぶっちゃけ「入選できない(平均点2.2未満の)確率が5割くらいある」と思っていた──ので2.39の平均点がついたのは「御の字」と言える【*1】。掲載された短評を読むに解答者の何割かは作意よりも「発想に対してA評価」をしてくれたのだと思う。
…それはともかく、解答稿で
自分の住所が「浜松市」になっていた。
…出題稿(昨年の11月号)では「札幌市」となっているし、今も札幌市在住なんだけど。他にも35ページに「香が5枚ある図面(推理将棋、550の最終図)」があったり。
…ここまでが枕(本題とは全く関連性がない)。
1月31日、「新大関・琴ノ若」の伝達式が行われた。伝達式では受ける力士の口上が話題になる事が多いが、今回の伝達式でそれ以上に注目されたと言っていいのが『琴桜』の四股名を襲名するのか否か、という話。当代の琴ノ若は祖父である先代佐渡ヶ嶽親方から「大関になったら(琴桜の四股名を)あげる」と言われていた事は度々報じられており、その約束通り大関昇進と同時に襲名するのではと見られる一方で当面は琴ノ若の四股名で相撲を取る(優勝なり横綱昇進なりを叶えた時に変える)という予測も錯綜していた。
出された結論は「春場所は『大関・琴ノ若』で相撲を取り、夏場所から『琴桜』を襲名する」。…決まってみると「これが最善の襲名タイミング」であるように思える。父が成し得なかった「大関・琴ノ若」という呼称を1場所だけとは言え実現させるわけだから、これはもう「大相撲の歴史に残る最高の恩返し」というやつではなかろうか。
このような襲名にまつわる話が盛り上がった同じ日に「もう一つの襲名話」が公表されている。1月31日に上方落語の名跡である「4代目桂梅枝(ばいし)」「5代目桂慶枝(けいし)」の襲名、というニュースがリリースされた。桂梅枝を襲名するのは「平成開新亭」を主宰する桂枝光、桂慶枝を襲名するのは6代桂文枝門下の桂三風。この襲名話自体は随分前からあった(寄席でも度々話が出ていた)が正式に決定したのは昨年末、1月24日の平成開新亭で一足先に観客に報告された(自分も聞いていた)。今秋に襲名後全国で襲名披露公演を行う事も発表されている。…「桂雀松改メ三代目桂文之助襲名披露公演」は札幌では行われなかったが(理由はわからない)、こちらの襲名披露公演は札幌でも行う方向で話を進めているようだ。
どちらの名跡も先代は100年以上前の人だというから当然見た事も聞いたこともないのだが(あったら逆に怖いわ)、そういうのを抜きにしても長年途絶えていた名跡の復活というものにあまりマイナスのイメージは感じない。その一方で歌舞伎役者に『中村梅枝』という人がいて、今年の6月に『中村時蔵』を襲名するので、桂枝光改め四代目桂梅枝も何年かしたら『桂時蔵』に名前を変えるんじゃないか… というジョークはこの日の出演者の古今亭菊之丞の枕を丸パクリしました(笑)。
襲名する事が正式に決まったんだったら(公式発表前でも)SNSで書いてもいいだろう… なんて考える人もいそうな気はするが、自分はどこぞの週刊誌と違って分別を弁えているつもりなのでそういう事をする気はなかった。それがその相手に対する敬意というものであろうから【*2】。
今回のような同じ日に異なる2つの業界の「襲名」に関する話が発表される、というのは相当に珍しい(もしかしたら一度もなかった?)事だと思う。…もっとも歌舞伎の世界は襲名が多い(ような気がする)のでそちらと被れば同時襲名(?)は起きやすいのかも知れないが、今回は歌舞伎界が関わっていないのでやっぱり激レアな出来事だ、と勝手に納得する事にした(笑)。