木村一基「王位」のインタビューを見ながら(聞きながら)書いています。…7度目の挑戦で大願成就。故・米長邦雄永世棋聖も「7度目の名人戦」で悲願の名人を獲得しているので、将棋界には「7度目の正直」という言葉があるのかも知れない。
…これで相変わらず「無冠の帝王」の肩書は森下卓九段のものである。…微妙(笑)。
9月25日に道新ホールで開催された桂南光独演会に行ってきた。
NHKで毎週土曜日の昼に放送されている「バラエティー生活笑百科」のCEO【*1】、と言えば上方落語に詳しくない人でもわかるかも知れない。入門時は「(3代目)桂米歌子(べかこ)」→3ヶ月後くらいに「桂べかこ【*2】」→1993年に3代目桂南光を襲名。この時襲名する名前の候補に「桂萬光(1917年に3代目が没して以降現在に至るまで空き名跡)」というのもあったが、「皆さんが想像するような理由(笑)」で却下されている。
この日の演目・助演者は以下の通り。公演の案内の時点で演目が発表されていた。
桂小鯛「平林」
桂南光「青菜」
~中入り~
桂米左「たいこ腹」
桂南光「質屋蔵」
桂小鯛(こだい)は米朝~ざこば~塩鯛門下、桂米左(よねざ、【*3】)は米朝門下。
いずれも東西問わずに演じられる古典落語なので、江戸落語がメインの人でも聞いた事がある噺だと思う。
中でも南光の質屋蔵は「THE 南光【*4】」のDVDに収録されているので何度も聴いているのだが、何度聴いても面白いのだから仕方ない。勿論ライブの落語はまた違う味があるわけで。
…それにしても生前の桂米朝の「無礼講」は曲者だった、という枕は非常に笑えた。表向きは無礼講と言っておきながらそういう時に一門の噺家がどういう言動を取るのかを逐一見ていたり(一門の噺家もそれを分かっているので迂闊な事を言えない)とか、そんな中でも酔った勢い?である噺家(南光「名前は言いませんよ」)が「米朝がなんぼのもんじゃ」と管を巻く、しまいには「米朝がそんなに偉いんかい、わしは○○○じゃ」とまで言ってしまう。…普通に実名を出してまんがな(笑)【*5】。
枕でも噺でも爆笑を巻き起こす南光師匠でした。
*1:最高経営責任者(の略)ではなく、「ちょっとええ感じのおっさん(Chotto Eekanjino Ossan)」という意味。番組の「相談室長(要は司会)」を務める笑福亭仁鶴が体調不良で番組出演を見合わせており、「室長代理」を務めていた桂南光が昇格(?)するに際し設けられた新しい肩書(なので今でも笑福亭仁鶴は「室長」の肩書のまま、番組に復帰することを待っている)。
*2:漢字表記(米歌子)だと女性に間違えられる事が多い、という理由で平仮名に変えたそうである。
*3:桂ざこば(当代=2代目)が桂米朝に入門するに際し最初に候補に挙がった名前が「桂米左」だった(実際は「桂朝丸」という高座名になり、後に2代目ざこばを襲名)。
*4:東芝EMIから出ているCD・DVD2枚組。「THE 南光」は「3」まで出ているが、質屋蔵は1枚目(番号なし)に「壺算」とともに収録されている。…何故「THE 文之助」は出ないのだろう。
*5:このブログでは一応名前を伏せました。…が、もしかしたらYouTubeで桂南光の落語を探したら同じ事を言っているものが…あった(笑)。