7月29日に施行された「新潟ジャンプステークス(J・GⅢ)」のレース番号が「4レース」と書いてあるのを見て自分は最初誤植かと思った。しかしJRAのサイトを見て間違いなく施行されたのは4レース(11時35分発走)である事を確認した。
JRAは障害競走をここまで貶めたか…
…そんな感想を抱いた人は自分以外にも絶対いると思う。
実際のところは「暑熱対策の観点から」新潟ジャンプステークスと小倉ジャンプステークスは第4競走に設定、と説明されているが、そういう理由があったとしても一部のファンからは「窓際送り」と見られるのはこれまでのJRA(の障害競走の扱い)に問題があるとしか思えない。少し前からJRAでは「暑熱対策の観点から」今の時期の小倉開催を2週間(4日)減らしているが、これも本音は「もっとらしい理由でローカル開催分を中央開催に回せるのでウハウハ」と言ったところだろう【*1】。
…「レースをする方」の視点はどうなのか。ある騎手は「障害は普段から(1Rや)4Rなので準備の面ではいつもと同じ」と言い、またある騎手は「午後の方が見てくれるお客さんが多いけど【*2】、(夏場の)8Rと4Rとでは暑さの質が違うので馬のためにはいい試行」、とレースをする方の印象は悪くないようだ。「あとは売り上げがついてくれば嬉しいですけど」という騎手の言葉もおそらく本音だろう。
世の中には「世間が何と言おうが(序盤にレースを組もうが)今日のメインレースは4レース(障害競走)」と断言してしまう気持ちのいい人(?)もいるし、レース関係者でも「真のメインレース」が他に存在する、なんて事はおそらく珍しくない。例を挙げるなら「GⅠで騎乗する騎手」でも騎乗馬の前評判は完全無印、それどころか出走する経緯が「オーナーが『出れるなら出してくれ』と言ってきたので仕方なく送り出した」という、言ってみれば「馬主の思い出作り」ではいかにGⅠと言えども気合が入りにくい(無論そんな事は広言できないが)。その一方で同日の別のレースで騎乗する馬は「懇意にしてもらっているオーナー直々に『この馬には彼を乗せてほしい』と指名された馬」だったとしたらどうか。…そりゃあバッキバキに(…いつの表現だ?)気合が入るに決まっている。そうなったらその騎手にとって「真のメインレース」はGⅠではなくその馬が走るレースになってしまうのが道理であろう。当然ながら事前準備(追い切りやライバルの動向チェック、レースのプラン立案など)もGⅠに出走する馬と同様、あるいはそれ以上に入念に行うだろうから、人気以上の結果を残す可能性も高そうである。…もっともそんな情報を入手するのはほぼ不可能だけど(笑)。
ちなみにボートレースだと普段はモーニング開催(1Rが9時前、12Rが14時過ぎ)のレース場であってもGⅡ以上の開催はデイ開催の時間帯(1Rが10時半くらい、12Rが16時半くらい)で行われるが、昨年の2月に鳴門で開催された「四国地区選手権」はGⅠでは初となるモーニング開催で施行されている(今年2月の四国地区選手権もモーニングだった)。もっとも「2月」なので暑熱対策とは全くもって無縁な話で【*3】、おそらくはレース時間の重複を避ける【*4】のが目的だと思う。
暑熱対策の観点から「JRAでもナイター競馬をやったら?」なんて事を言う人は結構いるようである。現在JRAの競馬場でナイター設備が備わっている場はないが、その気になれば半年もかけずに設置できそうな気がする。必要な台数や明るさなども今だったらスパコンでシミュレートすれば一瞬で最適解が出せるだろうし。
…最大の問題は「JRAにその気があるか」だろう。何せナイターを導入するとしたらその対象は夏競馬、つまり「ローカル場」である。なので…(以下略)