非常事態宣言下における「気になる業界」の動向。
将棋界は非常事態宣言より前(4月1日)にいくつかの方針を打ち出している。
・非常事態宣言下でも「公共交通機関の機能が確保される限りは対局を継続する」
→将棋や囲碁の対局は関係者が少ない(両対局者と記録係くらいしかいない)ので集団感染は起きにくいと言えるが、一方で関係者の距離が非常に近いので一人が感染していると対局室にいる人全員が感染するという危険性は否定できない。そのため対局をかつての「ネット将棋最強戦」のようなオンライン対局にする、という話もあるとかないとか。ただそれをするにしてもいろいろと準備などが必要になる(持ち時間や休憩時間、途中離席をどうするのか、などの問題が出てくる)ので、後述の方針を含めた「対局の継続」が最善手ではなかろうか(対局を中止とした囲碁界と比較するのはナンセンス)。
・「対局当日の朝に37.5℃以上の発熱、あるいはCOVID-19と思しき症状」があった場合、対局開始の15分前までに連絡をする事でその対局は「会長が委任した渉外部担当理事預かり」となり、「棋戦進行上、延期措置が困難な場合」以外は対局延期になる
→例えば挑戦者決定戦やそれに近い対局は「延期措置が困難」なので不戦敗になるが、それ以外は延期になる(既に2例ある)。
また宣言後の8日に4月11日~5月6日の対局に対する新たな方針を発表している。
・対局者のどちらかが長距離移動を要する公式戦の対局は、原則5月7日以降に延期
→東西間の長距離移動となると最低でも2時間半くらいを要するので「移動中に感染するリスク」は間違いなく高い。なお、愛知県瀬戸市在住の藤井聡太七段は東西どちらに行く場合も「長距離移動」と判断され、4月11日以降の対局は全て延期されるようだ(九州とかに在住の棋士の対局も同様と思われる)。
・東西の将棋会館における対局は1部屋あたり1局で行う
→対局室の「人口密度」を下げるためにもこれは有効だと思う。その分1日にさばける対局数は減ってしまうが、過去に「将棋会館の耐震工事に伴い」都市センターホテルを臨時の対局場とした時は「最高で1日6局」という条件で棋戦が滞りなく進行したので何とかなるのではないか(幸い順位戦はまだ始まっていないし)。なお、東西の奨励会は5月6日までの例会(三段リーグを含む)は中止となる事も発表されている。
・関係者に感染者が出た場合は該当地域の将棋会館を閉鎖する。その際事務局機能は閉鎖されていない将棋会館に移管して対応する
→そうなった場合の代替の対局場は既に選定済(場所は公表されていない)というので、よほどの事がない限り対局は行われる、という事になる。
JRAは非常事態宣言期間中でもこれまで同様に「無観客開催」を続けるとしている。ただし
・「平地オープン(重賞含む)」及び「障害競走」を除いて他ブロックへの出走ができない(4月18日~)
→上記条件を除いて美浦の馬は阪神・京都、栗東の馬は中山・東京に出走できない(福島は東西の制限がないようだ)。中山と福島はともかく、東京は下級条件でも西からの(広いコース&左回りを使うための)遠征が結構あるので【*1】、一部の厩舎にとっては悩ましい話だろう。
・「土日とも障害競走に騎乗する騎手」を除いて騎手は土日で異なる競馬場へ移動しての騎乗が不可(4月18日~)
→例えば18日に阪神で(アーリントンカップなどに)騎乗して19日に中山で(皐月賞などに)騎乗、というのができない。そのため「騎手起用に細かく介入してくる」Nファームの連中にとっては非常に頭の痛い話であろう(ざまぁみろ)。
一方で障害競走は18日(中山グランドジャンプ)以外は全て福島のみなので、例外が適用されるのは「18日に中山GJに騎乗」→「19日に福島の障害競走に騎乗」という騎手だけになる。なお、文言を見る限り「18日に中山GJとそれ以外の平地競走にも騎乗」→「19日に福島で障害競走とそれ以外の平地競走にも騎乗」というのもありなのか?
・競馬場内にある通常の調整ルームに加えて、JRAが認定する場所(自宅、ホテル)を認定調整ルームとし、当該認定場所から競馬場への移動を認める(4月10日~)
→騎手は一部の例外を除いて「土日とも同じ競馬場で騎乗する」から、この防止策が意味を成すのは4月10日、11日、そして17日以降の金曜日の夜と思われる。この場合土日で異なる競馬場で騎乗する時のように「移動手段・到着予定時刻・進捗を逐一JRAに報告する」事になるのだろう【*2】。そもそも「調整ルーム」というのが日本独自のシステムなので、もしかしたら今回の事がきっかけで調整ルームのありようが変わるかも知れない(ただ、以前も書いたように調整ルームには「世界最高レベルのサウナ」があるので、「なくさないで」という騎手はいると思う)。
ボートレースは8日の時点では具体的な発表がない。前回も書いたように対象のレース場が9つもあるので簡単には決まらないのかも知れない。予想される方針としては「これまでどおりの無観客開催を継続」か「宣言対象地域で行われる『前検日が4月11日~5月3日』に該当するレースは中止」が考えられる。後者は開催自粛のタイミングを「非常事態宣言期間の最初の週末」にする事で多摩川GⅠ(10日の金曜日が前検日)をギリギリ開催できる、というからくりである。
ノスタルジアは毎週木曜日に何らかの追加要素がある(水曜日の10時頃にサイトで告知される)のが通例だが、今回の非常事態宣言を受けてさすがに自重しはった(何故京都弁?)。…そりゃあ非常事態宣言地域のゲーセンのほとんどは臨時休業を決めたくらいですからね。(他の音ゲーも同様だが)ここで新曲などをリリースしたらそれこそ「コロナ疎開もどき」が大量発生しかねないですから。