DJカートン.mmix

昨今流行っている「ジェンダーレス」とかいう言葉を使いたがる人は「差別」と「区別」の違いがわかっていないんじゃないか? と思う。

ボウリングの「両手投げ」

近年のボウリングは「両手投げ」という概念(?)が流行している。文字通り「ボールを両手で持って投げる」わけだが、そういう場合でもどちらかの手の中指と薬指はフィンガーホールに入れて投げるので、厳密に言うなら「両手投げの右」あるいは「両手投げの左」という区分になると思う。例えば「プロテストの受験申請書」の記入欄を見ると

8.利き腕 右投げ・左投げ  ※投球スタイル 両手・サムレス

(該当するものに○をつける)…となっている。プロテスト合格後に投球スタイルを変更するのは多分可能だと思われるが。

両手投げをする理由は「投げたボールにより強い横回転(つまりカーブ)をかけるため」。ボールに横回転をかけるにはボールをリリースする直前に中指と薬指で持ち上げるようにして回転を加えるのだが、通常の(?)投げ方だと別の穴に入れている親指がその回転の邪魔になってしまう(なのでリリースする時に「親指だけ先に抜く」わけだが言うほど簡単ではない)。それの対応策(?)としてハウスボールでも強い回転をかけられる「サムレス」という投球方法がテレビで取り上げられ、今でもそれで投げる人をボウリング場に行くとよく見かける。
私見で言わせてもらうと、下手な人がサムレスで投げると「ボールをレーンに叩きつける」ような投球になって「うるさい」「ボールやレーンに傷がつく」、そもそも「着地時の衝撃でボールのスピードが落ちる」という物理的なデメリットもあるのであまり薦められる投げ方ではない。自分も何度かやってみた事はあるが、ボールのコントロールも回転も定まらないのでやめた。無論練習すれば上手く投げられるようにはなるだろうが…(※1)

両手投げもサムレスも基本的な原理は同じで、「最初から親指をサムホールに入れずに投げる」事でボールに横回転を加えやすくしているのである。この2つの違いは端的に言うと

両手投げ…リリースの直前まで両手でボールを持って(支えて)いる
サムレス…スイングを始めた時点で片手でボールを(抱えるように)持っている

…だと思う(違っていたらスミマセン)。

ちょっと考えると分かると思うが、サムレスの投げ方だと「あまり重いボールは投げられない」。そもそも親指を穴に入れていない≒「ボールを掴めない」のだから当然である。しかし、軽いボールだと

ボールの「パワー」が足りない(ピンに当たった時に弾かれやすい)
市販の(曲げやすい)ボールには「軽いものがない」場合もある(一番軽いものでも12ポンドから、なんてボールも少なくない)

という欠点がある。一方の両手投げは文字通り両手でボールを持つので、重いボール(規定で最大16ポンド)でも問題なく投げる事ができる、という理屈。
ちなみに両手投げのスタイルを世間に知らしめたのはオーストラリア人のプロボウラー「ジェイソン・ベルモンテ(Jason Belmonte)」フィンランド人のプロボウラー「オスク・パレルマ(Osku Palermaa)」だと思われる(※2)。彼等の影響なのか世界各地の──当然日本でも──両手投げのアマチュアボウラーは増えている。もしかしたら今年からプロ公式戦で「手に付ける補助器具の使用が禁止された」のも影響している(後にプロ入りを目指している人がそれを考慮してアマチュアのうちから両手投げにしている)のかも知れない。

この両手投げをNHKの「すイエんサー」で扱っていた(2018年8月放送、先月再放送)。前述の「サムレス」もこの番組で扱っていた…らしく、個人的には「余計な事を吹き込みやがって」と思っているのだが、両手投げに関しては「…微妙」。どちらの投法にも言えるのは「腰高で投げるとボールをレーンに叩きつけてしまう」ので、そのあたりをもっと強調して放送すべきだったと思うのだが。

番組に触発されたわけではないが、自分も両手投げを試してみた(実際はこれ以前にやった事はあるのだが)。…久々にROUND1に行ったらやたらハイテク化されていて驚いたのだが(笑)、その中に「リプレイ機能」がある。画面のスコアをタッチするとその時の投球を「前からのカメラ」「後ろからのカメラ」で撮影したものを見る事ができる(ただし音声はなし)。原理としては「常にカメラは録画を続けていて、スコアがついた(ボールがピットに落ちた)瞬間の前後何秒かを切り取ってリプレイ」という事だと思う(ので、滅茶苦茶遅いボールを投げると途中からの再生になるのかも知れない)。
それで再生されたものをカメラで撮影する、という意味不明な行動で撮られたのが下の動画。ピンが倒れる瞬間に「ドンッ」と音がするのは他のレーンの人がサムレスで投げた(時にボールが着地した)時の音。タイミングがピッタリなのは単なる偶然(笑)。
ROUND1アプリがあれば好みの動画を持って帰る事ができるのかも知れないが、自分はそんなハイテクなものは持っていない(笑)。
…自分の投球でも十分な横回転がかかってるのだが、自分もまだまだ腰が高いなぁ(笑)。

ところで、ボウリングのボールにはあまり世に知られていない(勿論プロやトップアマだったら知っている)ルールがある。正確な文言は忘れたが、砕いて書くと

「ボールには投球の際に指を入れるための穴以外に重量調整のための穴(通称「バランスホール」)を1つまで開ける事ができる」

…というルール。どういう事かと言うと、両手投げ(サムレス)で投げる場合、そのボールに開けてよい穴は(穴に入れるのは中指と薬指だけなので)最大で3つまで、という事になる。そのため、通常の指3本で投げるボールに下図のようなバランスホール(④)が開けてある場合、このボールで両手投げをするのはルール違反(親指を入れるための穴=③もバランスホールと見なされてしまう)なのである(つまり「両手投げ用のボール」が別途必要になる)…今回はこのボールで両手投げしましたが(笑)。
イメージ 1

ハウスボールは大抵3つ穴なのでこれで両手投げをするのはルール上の問題もないのだが、センターで子供向けに置いてある「指穴が5本開いているボール」はこのルールに照らし合わせると「最低でも指を4本以上入れて投球しないといけない」事になる。大抵のボウリング場はこのボールを成人が使う事を禁止している(子供向けのボールなので軽い→材質が脆い→成人のパワーで投げると簡単に割れる)が、それ以前に「ボウリングのルール上もアウト」なのである。当然このボールでサムレスで投げるなんてのは論外


※1…以前豊ノ島関が「炎の体育会TV」に出演した時にサムレスで投げていたが、力士のボウリングは助走も摺り足っぽい=腰を落としている=レーンに近い高さでボールがリリースされる=着地時の音も「ブレーキ」もほとんどなかった、それこそ個人的には豊ノ島関が「この世で一番綺麗にサムレスでボールを投げれる人」に見えたくらい。つまりボウリングも相撲も「下半身が大事」「腰高はダメ」という事なんだと思う。

※2…ベルモ(ジェイソン・ベルモンテの愛称)はアメリカのボウリングメーカー「STORM」の所属ボウラーで、その投球スタイルがボールのロゴになっているくらいのトップボウラーである(リンク先のボールは現在絶版、しかしコメントを見ると「復刻希望」が多いようだ)。