ふと思い立ったので以前チラッと記事に書いた「オホーツクに消ゆ」のリメイクをプレイした。…当時の記憶を思い起こしながら。ちなみにこの記事のタイトルは「オホーツクに消ゆ」の中国語表記(簡体字、繁体字ともに同じ。ゲーム言語を選択できるのでそれで確認)。「鄂霍次克」で「オホーツク」と読むようだ。
リメイク版において、オリジナルにあたる「1987年編」は主人公と「まりな(当時の相棒猿渡俊介の娘)」が釧路に向かう途中で語る「回想シーン」という形になっている。…そういう(回想シーンを操作する)アドベンチャーゲームは過去にもあったので別に目新しい話ではないが、それよりも東京から釧路に向かうに当たって飛行機(羽田→釧路空港、1987年編ではそのルートで移動している)ではなく北海道新幹線で新函館北斗駅→特急北斗、特急おおぞらと乗り継いで行くのは何故だろう(しかもその間の時間の流れに矛盾を感じる箇所がある)。
「1987年編(の回想)」が終わる頃に釧路駅に到着、「2024年編」が始まる。懐かしい面々も登場するが、一方で「この人何歳だろう」「警察官の定年って何歳だっけ」と思う事多し【*1】。ちなみに「まりな」は2024年の時点で大学生(地元の旧知の人と「3年ぶりに会う」と言っているので多分4年生)となっているので2002年くらいの生まれである(シュンが結婚したのは1987年の事件直後なので結婚から15年経って授かった子だという事が)と推測できる。
グラフィックやBGMはリニューアル(中には1ループ8分くらいの大規模アレンジされたBGMもある)、ほぼフルボイス【*2】、また一部機能とかが改善されている。例えば
・主人公の名前
漢字などが使用可能に。ただし最大4文字なので「松本留五郎」という名前にできない(笑)。
・既読機能
一度読んだメッセージは文字の色が変わる(設定でON/OFF切り替え可能)。…今では全然珍しくない機能かも知れないが。
・電話帳?の機能
捜査中に知り得た電話番号が登録され、それを選択すればいちいち電話番号を押さずに済む。…これも今では珍しくない機能(と言っても1987年には存在しなかった技術)だけど。ちなみに2024年編では電話を掛けるというコマンド自体が存在しない。
・トランプ(ブラックジャック)のチップ
初期の所有枚数は5枚ずつ。一度にかけられる枚数は変わっていない(最大5枚)なので裏技なしでも一発で勝負がつく。…何故かそれをやる時に限って勝率が悪い(笑)。
・中断機能
当然ながら(?)パスワードはなし、「つづく」の画面で何かボタンを押せばタイトル画面に戻るようになったので「リセットしてパスワード入力」の必要がなくなった。…もっともオリジナルにあった「中断する→パスワードを入れて(または裏技使用で)再開する」というフラグ自体がリメイクではなくなっているのだけど(特定ポイントで「シュンにトランプで勝つ」のフラグは残っている)。
・一部風景の拡張
オリジナルでは全ての背景が固定だった(中で何かが動いている事はある)が、一部の場所(主に事件現場)では「そこを調べろ(カーソルで具体的に場所を指定)」でカーソル位置に合わせて左右に1.5~2画面分くらいスクロールする。
・オートマッピング機能
夕張中央炭鉱のような3Dダンジョンでは画面右上にオートマッピングが表示されている。…当時自力でマッピングしていた自分には余計な機能でしかないのだが(笑)、一方でいかにも「現代らしい機能」とも言える。なおオリジナルではブロック単位での移動だったがリメイクでは1歩ずつ歩くので隣のブロックに移動するには4歩かかる(下の画像のマップを参照)。

・記憶のかけら
完全新要素。全道各地の特定の場所を「そこを調べろ」で調べると手に入るアイテム(?)。全部で40個あり(場所は閲覧画面で確認可能)、全部揃えるとオリジナル版のパッケージイラストを閲覧できる。回収しなくてもクリア可能。およそ半数が「1987年」に獲得できるが、取り忘れても2024年で再取得する事ができる。
ネタ系はほぼ全てオリジナルのまま収録されている。トランプと中断→再開の裏技こそ(仕様変更に伴って)なくなっているが、ウトロの町の謎の紙切れや進捗状況を知る事ができる電話(1回目は自分で番号入力が必要だが1度かけると「ヒミツノデンワ♥」として電話帳に登録される)も残っている。ヤクザの顔に「バカ」と書いてある(当時の漫画のキャラらしい)のもそのままだし、「めぐみのバスタオル」を取る事も可能【*3】。…コンプライアンス云々とか言ってはいけません!(笑)
RTA(リアルタイムアタックの略称、一言で説明すると「最初から始めて何分でゲームクリアできるか」を競う遊び)が昨今流行(?)しているが、これのオリジナル(ファミコン版)が出た時も似たような事が一部(主にファミコン雑誌)で盛り上がっていた。もっとも当時は時間ではなく「クリアまでに実行するコマンド数の少なさ」を競うもので、ぶっちゃけ「理論値」が存在するのだが。今だったら様々なゲームのRTA動画が出回っているのでこのゲーム(オリジナル・リメイク両方)のRTAも探せば見つかると思われる。…見ていて面白いかは別問題だが【*4】、ストーリーを楽しむのが主目的だったらそれも手かも知れない。…もっとも「実況」や「余計な編集(字幕表示など)」は文字通り「ウザい」だけなのだが(それだったら「自分のプレイを録画しておいて見たい時に再生する」のが一番いい。もっとも録画のための機材やアプリが必要だけど)。
…以下ネタバレを含む(と思う)画像。閲覧は自己責任でお願いします。
ウトロの町に落ちている謎のメモ。リメイクでは漢字も使われるようになったがこのメモの文章(自分の名前を除く)は平仮名のまま。

取れ→めぐみのバスタオル。ちなみにこのシーン(正確にはこの次の=実際に見せてくれるシーン)に関して開発陣の間で揉めた、という逸話がある。…「こういうネタを採用するか否か」ではなく「胸のトップを描くか否か」で【*5】。
ちなみにここ和琴温泉(以前も書いたが作品中だと「わごとおんせん」となっているが正しい読みは「わことおんせん」)はオリジナルだとモルタル?の壁だがリメイクではこの画像のように木造になっている。

1987年当時、(多分)まだ高架になる前の札幌駅。…全く記憶にない(笑)。
もしかしたら「実際(当時の特急おおぞら)はこんな車両ではなかった」可能性もあるが、自分にそれを確かめる方法がない【*6】。

1987年と2024年の「トドワラ」比較(上が1987年。どちらも1.5画面分くらいの広さ。画面の接合以外の加工はしていないのでネタバレしまくってます)。
自分がここに来たのは両者の中間くらいの時期で、木の量も両者の中間くらいだったと思うが、当時はまだ「…魔界?」な雰囲気があった。これで見る2024年はほとんど魔界の雰囲気が見られない。


…こうして2つを並べると「トドワラは人が倒れている場所」みたいな誤解を生みかねない(ただ「そういう雰囲気がある場所」ではある)が無論そんなわけはないので安心して観光できます(笑)。
*1:主人公やシュンをはじめ年齢がわかる人物はほとんどいないし(設定集を見れば載ってる可能性はあるが)、37年も経ったらほぼ理論上定年(公務員の定年を60歳から引き上げる法律が施行されたのは2023年)である。そして主人公は37年前に「警部」で2024年でも「警部」と呼ばれている。…杉下右京か?
*2:主人公(ちょっとだけ台詞がある)にはボイスがないので「ほぼ」。ついで言うと主人公には「顔もない(シュンと撮った記念?写真が2024年に出てくるが主人公の顔には「謎の光」が差し込んでいて見事に顔を確認できなくなっている)」。
*3:2024年でも可能。…当時20歳だったとしても57歳という事になるがスタイルは1987年とほぼ変わっていない。…本当に57歳?(笑)
*4:時間で競う場合、そもそも1987年に「トランプでシュンに勝たないといけない」のでまずここで「運ゲー」になる。他にも最終盤に運ゲー要素がある(このゲームをクリアした人なら意味がわかるはず)ので理論値を出すのはほぼ不可能だろう。
*5:当時はまだ女性の乳首を描くことに対する拒絶反応が少なかった(ので少年誌でもたまに女性の乳首が堂々と?描かれている事があった)。…一体いつからNGになったんだろうねぇ(スケベ心で言っているのではなく過剰としか言いようのないコンプライアンスに対して言っている)。
*6:他にもゲーム内では「すすきの交差点(ニッカウヰスキーのデカい広告がある。クレジットに「ニッカウヰスキー株式会社」とあるので使用にあたっての問題はないようだ)」が出てくるが、それも実際の1987年当時とどれだけ齟齬があるか、なんてのは確認しようがない。