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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

年末の将棋界(と新年のイベント)

12月24日に加藤一二三九段対藤井聡太四段戦竜王戦6組)が行われた。

「史上最年少プロ棋士のデビュー戦」
「前・史上最年少棋士と現・史上最年少棋士の対局」
「史上最高年齢差対局」
「史上初めて19世紀生まれ・20世紀生まれ・21世紀生まれの3世紀にわたる棋士との対局」
「史上最年少勝利か史上最年長勝利のどちらかの記録が更新される」

…と記録ずくめの対局で、通常の公式戦としては異例の取材陣の数。
四段昇段の年少記録はそれまでの1位が加藤九段の「14歳7か月(早生まれなので当時中学3年)」、それに対し藤井四段は「14年2か月」と5ヶ月更新。実に62年ぶりの記録更新であった。
これまでの「史上最高年齢差対局」の記録は小堀清一九段対羽生善治四段(当時)の「58年7ヶ月17日」(1986年)であったが、今回の対局の年齢差は「62歳6ヶ月17日」と一気に4年近く更新、史上初めての「60年超え」である。ちなみに史上第3位の記録は加藤一二三九段対増田康弘四段(2014年3月)の「57年10ヶ月3日」でベスト3のうち2つが加藤九段の記録。ちなみに「新四段は竜王戦6組の1回戦はアマチュアと当たる」というルール(?)は昨年(第29期)の時点で撤廃されている。
加藤九段は過去に1897年6月生まれの村上真一八段、1899年12月生まれの野村慶虎七段(当然ながら?両者とも故人)との対局があったので、空前にして(もしかしたら)絶後となる「3世紀またぎ」という記録を作る事になった。…このような人を気安く「ひふみん」なんて呼んでいいのか、なんて考えてしまう(本人がまんざらでもないようなのでいいのかも知れないが)。ちなみに加藤九段が対局した棋士の年齢差は上下で105歳1ヶ月。例えば羽生三冠がこの記録を更新するためには2007年2月以降に生まれたプロ棋士と対局する必要がある。…と書くと意外にあっさりとやってのけそうな気がしなくもないのだが(笑)。
対局は加藤九段の先手番の矢倉を藤井四段が堂々と(?)受けて立つ展開。加藤九段の攻めを受け止めると素早く正確な寄せ(だと思う)で最後は先手玉を即詰みに討ち取って勝ち。「史上最年少勝利」の記録の方が更新された

12月25日に伊藤能六段が逝去。享年54。奨励会の年齢制限(当時は31歳)ギリギリで四段昇段を果たした(奨励会在籍は17年に及ぶ)苦労人で、「奨励会を抜けて四段昇段」の最年長記録かも知れない(瀬川晶司五段と今泉健司四段は「奨励会を抜けて」のプロ入りではない)。また渡辺明竜王(当時四段)に「プロ棋士人生で最初の黒星を付けた棋士」でもある。
ご冥福をお祈り申し上げます。

12月26日に『あの騒動』の第三者調査委員会の調査結果に関する答申を受け、翌日に会見が行われた(詳細は連盟のHPにあるので割愛)。
世間(というよりネット上)を見渡す限り「納得していない」「処分が甘い」などという人が圧倒的多数に思えるが、自分の見解は以前述べたとおりでこれ以上語れそうなものを持ち合わせていないので、とにかく一刻も早く平穏な(?)将棋界が戻ってくる事を願うのみである。

以下は(これを書いている時点では)予定のイベント。
31日の「電王戦合議制マッチ2016」。対局開始は17時(もっと早い時間だと思っていた)。持ち時間が各3時間+秒読み3分なので終局は(2年前のように)越年する可能性もある。携帯中継される予定なので平和島からホテルまでの帰路(レースの表彰式が17時くらいに終わると思われる)でも対局(棋譜)を確認する事はできる。もっともホテルに着いてニコ生を見ようとしても「追い出される」可能性が極めて高いけど(笑)。

年が明けて1月21日、両国将棋囲碁センターでのイベント。タイトルは

「受け継がれた師弟の絆 東海の鬼・花村から森下、増田へ」

島朗九段との「順位戦解説会」とはまた違った感じのトークショーになりそうで非常に楽しみである。
イベント開始前(午前中)にはイベントに出演する森下九段、増田康宏四段と室谷由紀女流二段による指導対局(イベントに参加する会員限定)がある。定員は森下九段が5人、増田四段と室谷女流二段は10人(5面指し×2回)。イベント参加と一緒に申込、希望者多数の場合は抽選。
…さてどうしたものか。森下九段に教われる機会なんてそうそうないが、やっぱり森下九段の倍率は高いだろう(そもそも定員が少ない)し、しかも自分は以前森下九段に教わった事があるのでどこか「遠慮」の気持ちがある。イベントに参加する事自体は揺るがないので、指導対局をどうするか(第1志望~第3志望までをどういう順位にするか)悩ましい(笑)。