DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

「秘密」の話

2月5日放送の「笑点」で大喜利新メンバーが登場する、という事で、世間では「予想合戦」が繰り広げられているそうだが、正直自分は「別に誰でもええやん」と思っているのでそういう話題に首を突っ込む気にはなれない。まぁ敢えて言うなら「世間に媚びる回答者」はやめてくれ、とは思うが。

 

今の世の中どこを見ても「ネタバレ」が蔓延っているが、こと笑点メンバーに関しては緘口令が徹底して事前漏洩という話を聞かない。…故に「予想合戦」が白熱するのかも知れないが、業界の人間(の一部)は「既に答えを知っている」可能性がある。厳密には「答えを知っている」ではなく「周囲の人の動きから『ほぼ間違いなくあいつだ』という予想ができる」と言ったところだが。

そう言える理由が昨年の桂枝光の落語会で聞けた。

桂枝光にとって桂宮治は「彼が前座の頃から付き合いがある」という噺家で、札幌での二人会でも度々共演している。…2021年の暮れ(メンバー昇格が公表されるよりも前)に桂枝光がいつものように(?)二人会のスケジュールを組むために桂宮治に電話をしたところ、

「すみません、今予定が組めないんです」

と言われ、理由を聞くと

「すみません、とにかく今どうしても予定が組めないんです」

と言われたという。桂枝光はこの時

「あ、あいつ次の笑点メンバーに決まったな」

と察した(実際その通りになった)、という話をされていた。言うなれば業界の人間だから知り得る「状況証拠」というやつ。そしてこの話は「関係者の口の堅さ」を感じさせるエピソードでもある【*1】。

 

…それに引き換え世間の「口の緩さ」は何なのだろう、と思う。今の世代は義務教育で「秘密はバラすもの」とでも教育されたのではないか、と疑いたくなる事もある。所謂「バカッター」がゲームのデバッグに携わったらかなりの高確率で開発中のゲームに関するネタバレをしそうである(ちなみに情報漏洩の犯人が特定されると「億単位の損害賠償」が発生する事もある)。

自分はその辺は弁えているつもり…と言ってもその境界線は実に曖昧で、「既に世間に知られているだろう」と思って口を突いた事が実はアウトだった、なんて事もあるので迂闊な事を言えない【*2】。そういう時は「その話題には一切触れない」のが確実である。たとえ人気コンテンツの話でも「それ興味ないから…」で終わらせる…というかそういう生き方をしないと「いつ口を滑らせるか分からない」*3

そしてそういう業界で働いていると「ネタバレする奴を嫌悪する」と同時に「罵詈雑言がかわいいもの」に見えてくる事もある。…それはそれでヤバいけど(笑)。

*1:関係者全員に「情報をもらしたらクビ(メンバーだったら降板)」という誓約書を書かせている、という噂もあるらしいが…

*2:オンライン系のゲームだと「普通のプレイヤーでは知り得ない行動を取っている」という理由で咎められる事もある。

*3:取引先によっては「○○のデバッグに携わっている」と言った時点でアウト、という事もあるので。