自分は心情的(?)に「e-スポーツ」というものを認めていないので、「500万円もらえるはずだった賞金が10万円しかもらえない」なんてニュースで騒がれても「勝手にやってろ」以上の感想が出てこない(前回も書いたように「そんな事まで気にしていたらキリがない」)。そもそも将棋とかボウリングとかでもプロアマ混合戦でアマチュアは「賞金」とか「対局料」をもらえないので(多分囲碁やゴルフなども同じかな?)、e-スポーツだけが特別(プロライセンスを所有していなくても賞金がもらえる)である理由はないと思うのだが。
日本はともかく、海外だと賞金が滅茶苦茶高額な大会も少なくない。そしてその一方で「e-スポーツは現役を退く年齢も滅茶苦茶早い」とも言われている。ゲームの種類にもよるだろうが、「ミリ秒(1000分の1秒)単位の判断力」が求められるゲーム(主に対戦型格闘ゲーム)だと選手としてのピーク──というより「選手寿命」──が20代前半、(つまりそれを境に瞬発力が衰えて勝てなくなる)なんて事もあるらしい。
…この話を聞いた時に自分は
「プロゲーマーはNBAの選手と似ているのかも」
と思った。
アメリカの4大スポーツで比べるとNBAの選手は他の3つと比べて選手寿命(の平均)が短いそうである【*1】。そしてこれを別の言い方をすると「短い期間で大量の金を稼ぐ選手が多い」という事になる。今後e-スポーツの賞金が高騰したら(既に一部では異様に高騰しているけど)同じように短期間で大富豪(?)になるプロゲーマーが増えるだろう。
…だから何だ、と思われるかも知れない。自分が想像したのは「元プロゲーマーは元NBA選手と同じような引退後を迎えるのではないか」、つまり
「プロゲーマーは引退後に破産する可能性が高いかも知れない」
という未来。
元NBA選手は現役時代にトンデモナイ額の金を稼いだにもかかわらずその後破産した人の割合が高いという。…別にNBAに限らず「短期間で巨万の富を得た人間(例えば宝くじで高額当選した人)」はそうでない人より破産する割合が高い(いろいろなところで証明されている)。あるいは破産しなくても「破滅」する人も少なくない【*2】。
…この法則(?)に当てはめるとプロゲーマーも引退後に同じような末路を辿る可能性はあると思う、いやこの際「絶対そういう人が出てくる」と断言してしまってもいいかも知れない【*3】。そう考えると今後e-スポーツを盛り上げていくのはともかく、「賞金を高騰させていく」のはその額に比例した「死体の山【*4】」を作りかねないと思う。むしろ賞金をそれなりの額で抑える事で「引退後の第2の人生」にスムーズに移行しやすくなるのかも知れない【*5】。
…偉そうに語ったが(笑)、この事は何となく「どこかに書き留めておいた方がいい」と思ったのでこうしてブログに書いた次第。現時点でここまで「e-スポーツ(というよりプロゲーマー)の未来を危惧した人」はほとんどいないっぽいので、もしそんな未来が来た時は思いっきり先見の明を誇ってやろうと思う(笑)。
*1:さすがにe-スポーツのように「ピークは20代前半」という事はないだろうけど(そもそもNBA選手の大半は大卒なのでそれだと「ピークはわずか数年?」になってしまう)。
*2:その代表が「薬物」。「一世を風靡した後に薬物に手を出した人」と言われたら誰でも10人くらいは思い浮かぶのではなかろうか。
*3:実は既に海外では「破産したプロゲーマー」がいるかも知れない?
*4:①プロゲーマー(一獲千金)を志すもそれを叶えられなかった人、②プロゲーマーにはなれた(ライセンスを取れた)がまともに賞金を稼げない人、③プロゲーマーとして成功したが引退後に「破滅」する人、全部ひっくるめて「死体の山」。中でも②はテニスのような「八百長」の温床にもなりかねない(テニス界で度々八百長騒動が起きるのは「プロテニスプレイヤーの半分くらいは賞金を1ポンドも稼げていない」からだと言われる)。
*5:仮に生涯獲得賞金を年収に換算した数字が500万円くらいだったら「それまで勤めていた会社が倒産した」くらいの感覚(?)で生活水準をほとんど落とす事なく「次」に行けそうだが、億単位で稼いだ人間に同じようなできるのか…多分難しいと思う(ので「破滅」する人が後を絶たない)。