グランプリ(以下GP)への最終関門「チャレンジカップ(以下CC)」。創設時は「競艇王チャレンジカップ」という名称だった(「ボートレース」という呼称を使い始めた2010年より「チャレンジカップ」に変更)。競馬のチャレンジカップ(阪神芝2000mのGⅢ、今年は11月30日)とは無関係。
競馬風に説明するならGⅠの「トライアル競走」とほぼ同じ。ぶっちゃけ言うなら「有馬記念トライアル」みたいなもの、とも言える【*1】。ただし競馬のトライアル競走と違うのは「上位の着順に入ったからといって(GPの)優先出場権が得られるわけではない」というところ。GPに出走するにはCC終了時点での獲得賞金18位以内に入らないといけない。CCはその賞金を稼ぐための「最後のチャンス」である。そのため過去にはCCを優勝したけど賞金が足りずGPを逃した選手もいた【*2】。今は出場選手が34人になった&優勝賞金が3300万になった(「優勝すればGP当確」の選手しか出場しない)事でそういう事は起こり得ない(ただし同日開催のレディースチャレンジカップだと優勝しても賞金女王決定戦に届かない、というシチュエーションは多い)。
11月15日終了時点の獲得賞金は以下の通り。
・CC出場選手(=GP出場の可能性がある選手)までを記載。
・表記が黒文字以外の選手はCC不出場【*3】。
・CCは「10月31日終了時点の獲得賞金順位」で出場選手が決まるので、11月1日以降に圏外から賞金を加算した選手がいると(表中の34位、37位、42位~44位の選手が該当)出場選手と当日の賞金ランキングが一致しない。
・白井英治はCC期間中に別のレースに出場するのでCCとは無関係のところで賞金が増える(賞金は24日終了時の分までがカウントされる、最大で300万くらい?)
…今年はCC開幕前に以前の記事で書いた「ボーダーライン」をとっくに超えている。これは今年に入ってから賞金が増額された事が間違いなく影響している。
まず獲得賞金の大部分を占める(GP出場の鍵となる)優勝戦の賞金は
優勝…3300万円
2着…1200万円
3着…850万円
4着…700万円
5着…650万円
6着…600万円
GP出場のためには永井彪也(32位)以下は「マスト優勝」、丸野一樹(25位)~萩原秀人(31位)あたりは最低でも準優勝が必須と思われる。
これ以外にも特別選抜戦の賞金(A戦の1着で300万円、など)もあるので、「絶対当確ライン」は6500万円くらいと思われる(ので16位の今垣光太郎は自身が予選落ち&ボーダー直下の選手がこぞって優出すると危うい)。なのでCC開幕前に残っているGPの椅子は(中途半端な表現になってしまうが)「あと2.5議席」と言ったところ。特にボーダー近辺の選手の賞金差が小さい(17位と18位に至っては10万円もない)ので、場合によっては最終日の一般戦(1着で21万円~6着9万円)の結果までがGP出場を左右する可能性すらあり得る。
一方トライアル1st免除となる6位となると
・桐生順平までの4人は当確(7位以下に「優勝戦3着で桐生を超える選手」がいない)
・瓜生正義は石野貴之次第(優勝戦2着で瓜生を超える可能性がある)。自身が優出or石野が優出漏れ、の時点で当確?
・柳沢一は全く安心できない(平本真之あたりまでが「優勝すれば2nd発進」の可能性がある)。自力で2ndを決めるなら優勝しかない
勿論選手自身も自分が置かれている「勝負駆け」の状況を(大雑把に、かも知れないが)承知しているので、それが走りに、ひいては舟券の結果に出る事も少なくない。そりゃあ「無事故完走でOK」と「最低でも2着」では目の色が違うに決まってるでしょうから。また当確の選手も初日の枠番(賞金上位の選手から内枠に入る)を良くするために一切の妥協はしてこない。
他のスポーツでも世間は「リーグ戦のシミュレーション」をしきりに行う。だったらボートレースだって「GP出場権をかけたシミュレーション」で盛り上がる、という楽しみ方があってもいいじゃないですか(笑)。
なお女子部門(LCC~QC)は12議席中11議席が確定している(圏外からの逆転が可能な選手が香川素子しかいない)、それどころか大山千広が2位に1300万くらいの差でぶっち切っているので、CC及び直後の「BBCトーナメント」の結果によっては「QC開幕前に大山の賞金女王が確定してしまう」可能性がある(しかもそうなる可能性は低くない。なおQC優勝は今年から1500万円)。