DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

ついに設けられた規定

日本将棋連盟は棋士が電子機器を対局室に持ち込んだり、対局中に外出することを禁止する規定を新たに設けると発表。
これまでは(2013年10月より暫定施行、2014年10月より正式施行された)「各自が管理する」という曖昧な(?)一文で済まされていたものが2016年12月14日より「電子機器は対局開始前にロッカーに預ける」「違反した場合除名相当の厳しい処分の対象となる」といった成文律となるわけである。

…ついにこういう日が来たか、と思った。個人的には将棋棋士に対してこんな成文化された規定はなくてもいいだろう」と思う、言わば「性善説」を信じる質だが、残念ながら世の中のファンの大多数はそこまで将棋棋士の人格や矜持を評価していない(と思う)ので、甚だ不本意かつ不格好ながらこういった成文律を設けない事には「ファンが納得しない」という時代になってしまった。電子機器の発達によってこういう事態(※1)を招くのだから正直悲しい時代になったな、と思う。
もっともいかに性善説を信じる自分でも以前にも書いたようにフリークラス転落の危機といった棋士生命の瀬戸際に立たされた」棋士がモラルなどをかなぐり捨てて不正手段に出る可能性は考えられるのでやはり何らかの規則・罰則は必要だと思っているが

同時に設けられた「対局中の外出禁止令」30年以上前に「カンニング防止の一環」として施行されていた規定が復活する事になる。前回の時は「気分転換の為の外出もままならないとは」という棋士の苦情が殺到して結果として1年足らずで廃止されたそうだが、残念ながら今はそういうわがまま(?)を受け入れない風潮が強いのでこちらもある意味「世論に合わせて仕方なく」制定せざるを得なくなった、という気がしなくもない。
しかし前回と大きく違う事に「今は(東京の)将棋会館の地下に食堂がない」というのがある。つまり食事は全て出前(あるいは持ち込み)という事になるので将棋会館の出前を受けている店が大変になりそうである。仮に現在出前を使っていない(外食している)棋士が全体の半分だとすると単純計算で今までの2倍の出前を受けないといけなくなるので、特に順位戦の対局日はとんでもない事になりそう(現状のままでは「無理がありそう」)である。
他にも千日手持将棋になった場合」の食事はどうするのだろう、という疑問もある。今までだったら指し直しまでの30分間に外に出て食事を調達する事ができた(確か千駄ヶ谷駅のほうにローソンとセブンイレブンがある)が今後はそれもできなくなる(※2)。そうなると特に持ち時間が4時間の対局(で千日手持将棋になった時)が大変だと思う。もっともこちらは「指し直しまでの30分間は対局中ではない」として一時的に外出可にする、という手がなくもないが。

…もっとも今は「今後こういう規定ができます」という事を発表しただけで詳細は後日に検討するだろうし(他の記事には「11月にも具体策をまとめる方針」とあるので)、実際に施行されてみないとわからない問題点も出てくるかもしれないので現時点で(特に外野が)あれこれ騒いでもあまり意味はないように思う。


※1…多分書かないと誰もわからないと思うので補足するが、電子機器の発達によって「COMがプロ棋士の存在を脅かす存在になった事」よりも「不文律という言葉を解せない人が増えた事」を嘆いています。

※2…誰か──例えば記録係──に頼む事はできるだろうが、「○○買ってきて」と言ってその○○がなかったら悲劇(?)だと思う。