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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

個人的に興味のある将棋界の話

…を(大体)時系列順に。

叡王戦の序列が朝日杯将棋オープン戦より上になっている。
叡王戦の発表直後はNHK杯の下になっていた序列(連盟HPの「棋戦紹介」ページに並んでいる順番が「棋戦の序列」)が、いつの間にやら朝日オープンの上になっている。経緯はともかく、これによってハッキリしたのは叡王戦の契約金は朝日オープンの年間8000万円(※1)を上回っている、という事。具体的な金額は不明(公式には非公表)だが、これなら「竜王戦名人戦に次ぐ賞金」があっても不思議ではないと思う。

この(リンク先の)記事によると
「これまでも将棋関係のコンテンツ作りには巨額の費用をかけている。将棋目当ての有料会員も増えているが、それだけでは当然、赤字だ」
そうである。 …このやり方に対して自分は
「じゃあ何故将棋界に参入してきたんだ?」
といった間抜けな疑問を投げかける気はない。大金を出して棋戦を主催する(言い換えるなら「日本将棋連盟のスポンサーになる」)のは少なくとも

・将棋を通じて新たな顧客ドワンゴだったら主にniconicoの有料会員か?)の獲得
・将棋という伝統と格式のあるジャンルに参入することによる自社の「ブランディング

という2つの理由・目的がある事くらいはわかる。…もしかしたら

・某会長の自己顕示欲を満たすため

なんて目的もあるのかも知れないが(笑)。
要は「投資」である。将棋でたとえるなら捨て駒である。その瞬間は損でも将来的・最終的に黒字になれば、という話である。…が、口で言うほど簡単な話ではない。投資をするには当然ながら(?)投資するための金が必要だが、それと同時に必要なものが少なくとも3つある

1.投資が無駄にならない(投資した金額以上のものを取り戻せる)「戦略」「勝算」
将棋だったら大駒などを捨ててもそれを上回る成果を上げる、つまり「相手の玉を詰ます」事が出来れば「投資は成功」だし、具体的な戦果がなければまさに「丸損」。そして当然ながらその投資は実行する前にその後の方針(戦略戦術)を考えないといけない。勝算があるかどうか考えないといけない。将棋でも飛車を捨ててから「さあどうしよう」なんて考える人がいないのと同じである。
叡王戦にどのような戦略や勝算があるのか。無論あるに決まっているだろうが、別に知りたいとは思わない(笑)。

2.投資期間を乗り切れるだけの「企業的体力」
「企業的体力」というのは不思議な言葉に聞こえるかも知れないが、投資した金額を取り戻すまでの「一時的な赤字期間」を乗り切れるだけの資金の事。
簡単な数字を出して説明すると、ある投資に1000万円使ったとする。そしてその投資によって年間200万円の収入を継続的に得られるとする。単純計算上ではこの投資をすると5年後には投資額をペイでき、6年目以降は継続的な黒字になる。だが投資から5年以内は赤字である。その5年間を乗り切るための資金(直接的な蓄え、あるいはその赤字を補填できる他の部門)が「企業的体力」。ちなみに「企業的体力」は造語なので辞書には多分載っていません(もしかしたらそういう専門用語が存在する可能性もあるので「多分」)。
ドワンゴは企業的体力が有り余っていそうなので問題ない(?)が、中小企業だとそれがない(=企業成長のための投資ができない)事がほとんどである。よく「金のあるところに金が集まる」などと言われるのは早い話が「投資できる金があるから」であるし、FXのような「個人投資」が流行るのは「一時的な赤字期間」がほとんどない(あくまで上手く行った場合の話だが)、つまり「体力」がなくてもできる(儲かる)から、というのが大きな理由だろう。

3.その投資を実行する「覚悟」「度胸」
…ある意味これが一番重要かも知れない。いくら「成功率の高い(赤字期間の少ない)投資計画」でも、
「もしかしたらどこかに穴があって失敗するのではないか」
という不安を覚える人は間違いなく沢山いる。そしてそれは投資額、正しくは資金力に対する投資額の割合が増えるほど拡大する
わかりやすい(?)例を出すならディープインパクト単勝馬券100万円」でも(「成功率の高い投資」の例がこれしか浮かびませんでした…)、年収1億円の人がそれを買うのと年収500万円の人がそれを買うのとではその「覚悟」は同じだろうか。いくら「史上最強」などと言われる馬でももしかしたら負けるかも知れない、という予感がよぎるのは不思議でもなんでもない(実際2005年の有馬記念では2着に敗れている)。しかもそれだけ投資(?)してもリターンは10万円か20万円である。そんな馬券を両者が同じ覚悟で買えるだろうか。 …買えるわけがない
ドワンゴ叡王戦にいくら(具体的な金額ではなくドワンゴの資産のうちの何%を)投資しているかは知らないが、多分「覚悟」とか「度胸」とはあまり縁のない数字のような気がする

…何故か「投資」の話になってしまった。柄でもない(笑)。

詰将棋全国大会(7月19日)
…やっぱり参加は無理っぽい。三国(SGオーシャンカップの最終日)に行くから、という理由ではありません(笑)。

・夏の将棋まつり
わかっているだけで東急将棋まつりは7月30日~8月2日、京急将棋まつりは8月13日~16日。
森下九段が出演する後者には行きたいな、なんて事を考えたりするのだが…(笑)

・第3回将棋文化検定(10月4日)
開催日と会場が発表されている。…今年も北海道ではやらないのかい

木村一基八段のイベント(9月26日、両国将棋囲碁センター)
当初は10月4日だった(年間スケジュール表に書いたので間違いない)のが将棋文化検定と同日になるのを避けて変更された…のかはわからない。
森下九段を抜きにすると一番会いたい(話を聞いて見たい)のが木村八段。NHK杯での解説は将棋を全然知らない人(自分の母)に「面白い」と言わしめるくらいである。解説でないトークショーでその話を聞いてみたい、というのはファンなら誰でも思う事ではなかろうか。

…しかし、将棋まつり以下のイベントは参加できる目処が立たない。ちなみに木村八段のイベントの翌日(27日)には詰工房があるようだが、これもおそらくダメでしょう。

森下卓九段の「2015順位戦解説会」(12月19日、両国将棋囲碁センター)
…勝手にタイトルを決めてしまった(笑)。でも九分九厘このタイトルになるだろうからいいって事にしておきましょう。
前述の木村八段のイベントに参加できない、となると両国将棋学術会員の年会費(12,000円)はこのイベントのため「だけ」の「投資」、という事になってしまう。月割計算すると「毎月1,000円」、これを高いと見るか安いと見るかは将棋への、というよりプロ棋士への「価値観」の差としか言えない。そうでなかったらこれより安いniconicoプレミアム会員(月540円)を「勿体無い」と言う理由を説明できない(笑)。
…これだけは絶対に参加しようと思っている。参加しないと「投資」が無駄になってしまうから、という理由ではない(笑)。

別にそういう話をしたかったわけではないのに、どういうわけか「自分にはあまり縁のなさそうな」投資の話になってしまった。やはりこの「脱線癖」は森下九段と島九段の影響に違いない(笑)。


※1…前回も登場した田丸昇九段の著書「実録名人戦秘話」より引用。ただし「2007年度の」契約金。ちなみに同書には「(同年度の)王将戦の契約金は7800万円」とも書かれている。つまり王将戦(タイトル戦)は朝日オープン(一般棋戦)より契約金が安い(王将戦より下の棋聖戦も同様)。