先日も書いたように「警察署の目の前にある」テナントビルにある雀荘へ。まず入った感想は「よくある(?)場末の雀荘」という感じ。もっとも雀荘なんてのは大都市圏のものでもない限り客のほとんどは「常連」なんだけど。
置かれている卓(森下九段の事ではない)は…「自分は初めて使うタイプの自動配牌卓」。最近は最初から配牌も配られる自動卓が主流(Mリーグでも自動配牌の卓が指定されているくらい)であるが、麻雀に慣れている人だと正直なところ「あまり速度に差がない」、むしろ「手動配牌(便宜上の呼称)の方が速い」という人もいたりする(自分もそれに該当する)。…理由は説明するとややこしいので割愛するけど。
また「自動配牌」にも大まかに2種類あり、「配牌と壁牌(※1)が同時に出てくるタイプ(卓の4ヶ所の縁に「配牌が出てくるエレベーター」がある)」と「最初に配牌が出てきて、それを取った後に同じエレベーターから壁牌が出てくる」がある。この日使ったのは後者(前者は使った事がある)。多分エレベーター部が「秤」になっていて、そこから牌を取った=「軽くなった」のを感知して壁牌が出てくるのだと思う。なので、配牌を取った後にそこに何か(牌とか点棒とか)を置くと後から出てきた壁牌の障害物となってトラブルになる(実際なった)。最初は少し戸惑ったが、慣れればそれと言って不便はない。…ただし出てきた壁牌の上の段がいつも「オーバーハング」していたのは卓のメンテ(調整)の問題でしょう。
今回の麻雀を打ちながら(麻雀は「指す」と言わない)思った事。
・将棋指しは牌の扱い(手つき)も将棋の駒っぽくなる
…と思っていたが、そうなっていたのは自分だけだった(笑)。
・「萬子があると聴牌しない」
…三麻をメインで打っている人が四麻を打つと時折漏らすボヤキ(笑)。時々「三麻は四麻の下位のゲーム」と考えている人がいるが、自分は「全く別のゲーム」、喩えるならサッカーとバスケットボールを比較するようなものだと思っている。ちなみに自分は三麻は全くダメ。
・時折「看寿賞」という言葉が出てくる
気合の入った詰キストだったらわざわざ説明する必要もない(?)話だが、このブログの読者が全員そうだとは思っていないので説明。
「使用駒が」七対子(7種を2枚ずつ)…ではなく、「玉方の合駒が」七対子、つまり玉以外の7種の駒の合駒が2回ずつ出てくるという奇跡的な作品(89手詰。手順は他のサイトを当たるか柿木先生にでも聞いて下さい)。昭和56年度の看寿賞を受賞している。なので詰キストにとって「七対子」は「看寿賞」なのである(笑)。
ちなみに七対子の点数についていまいちよく分かっていない、あるいは誤解や勘違いをしている人が結構いるので一応書いておくと、「100符0飜で計算する2飜相当役」。
…逆に訳が分からない、という人もいそうだが(笑)、「100符0飜」を計算すると(計算式は後述)子だと1600点、親だと2400点になる。ただ、「100符0飜」だと現行の主流ルールである「1飜縛り(1飜以上の役がないと和了れない)」では「七対子のみ」で和了る事ができなくなってしまうので(だって「0飜」だから)、2飜(に相当する)役と定められている。
そしてこの時に生まれた便宜上の数字が「25符」。
100符0飜=100(符)× × ×2×2(場ゾロの2飜)×4(子の和了)=1600
…という理屈である。なのでたまに「25符なら切り上げて30符じゃないの?」と素っ頓狂な(?)事を言う人がいるが、先ほども書いたように「便宜上の数字」なので切り上げもクソもないのである。そもそも形からして特殊なのだから点数計算も特殊なのである。
・ポンやチーの時の仕草
Mリーグ規則では
「発声」→「面子の公開」→「取り牌」→「右に出す」→「打牌」
であるが、全員が
「発声」→「面子の公開」→「打牌」→「取り牌」→「右に出す」
という順番をやっていた(特に自分は「確率100%」)。
…つまり、あまりに細かい(かつゲームの進行に大きな影響のない)所作を規則で定めてもほとんど意味がない、という事。例えば将棋で今から細かい所作(駒の持ち方、マス目に置く位置、駒音の高さ、など)を定めたところで結局はプロでも「自己流」になる可能性の方が高いと思う。
・全く同じメンツで続けて打つと10回くらいで実力差がスコアに現れる
…のはハッキリとした実力差がある場合の話。今回の結果はまだまだ「誤差」で通用する範囲と言える。ただし本当に実力差があると10回打たなくても(点数よりも内容で)格付けが済んでしまう事もある。
・麻雀を打つとその人の本性が見える
…これもどちらかと言うと「何か(要は『金』)を賭けている時」、中でも「負けている時」の方がハッキリする。なので雀荘で働くとそういった「人間の本性」を嫌と言うほど見てしまうのだが、今回のような「ノーレートの懇親会」的な麻雀だとよく分からない。
…起こった出来事。
一般的に「役満より出にくい」とも言われる役を松本留伍郎が和了る(南4局西家、ドラは4索)。もしかしたら部分的に形が違う(記憶違いをしている)可能性もあるが御了承を(7の三色同刻・雀頭が南、ドラが1枚、というのは間違いない)
同じ数字の刻子を3色で揃える、理屈で言うと大三元と同レベルの難易度である(しかも数字の3~7は他家に使われる可能性が高いため尚更揃いにくい)。何故そういう役が2飜役なのか、個人的な推測ではあるが、かつて麻雀の役と飜数を決めた人が「役の名前に『三』の入っている役を機械的に2飜と決めた」結果ではないか、と思われる。なので三色同順、三暗刻、小三元、三色同刻、三槓子、と難易度に大きな差があるこれらの役が全て2飜になっている(と思われる)。例外は大三元だが、こちらは「大」の字が入っているので役満、という事だろう(※2)。
・聴牌時点で確定している役は一つもない
という形(よくあるのは「2種類の役牌のシャボ待ち」)をスラングで「王手飛車」と呼ぶ事がある。今回のような「高目で三色同刻」という場合は既にタンヤオや対々和などが確定している、あるいは「反対側では役無し」という事が多いが、こういった「王手飛車の三色同刻」というのはなかなか珍しい(そもそも三色同刻自体が相当珍しいが)。…ただし、
王手飛車の「本来の意味」を考えるとこういう形を王手飛車と呼ぶのは(世間で使われている「逆王手」と同レベルで)用法を間違えている
ように思うが(本来の王手飛車は「取る事ができるのは飛車だけ」、つまり「片方はそもそも取る事ができない」)、それに対してツッコむ人というのを自分は見た事がない(笑)。
・これ、何点?
副底(フーテイ、要は「基準点」、20符)+東の明刻(4符)+北の明刻(4符)+役牌の雀頭(2符)+単騎待ち(2符)=32符で切り上げて40符3飜(7700点)…となりそうだが、こういう「役牌の単騎待ち」の場合「雀頭の2符は付けない(付かない)」とするルールが少なくない。もしそちらのルールの場合この和了は30符3飜(5800点)となる。自分は前者だ(ずっとそれで打ってきたし、「和了した時の形」で考えるならこちらの方が正しい)と思っているが、後者のルールも結構な割合で浸透している。
「さあどっちだ」となった(「揉めた」までは行っていない)ので事前に決めておいた「Mリーグ規則に準ずる」という事で例のサイトを見る…がこれに関する取り決めが書かれていない(笑)。だからと言って「多数決で決める」のは絶対にやってはいけない方法である(和了した人間が不利になる結果になるに決まっている)。
関連サイトまで検索してようやく見つけた文言が「単騎待ちは全て2符とする」。つまり「全て」というのは「役牌の単騎待ちも2符とする(雀頭の2符は付けない)」という風に解釈して(そうでなければ「全て」という単語を書く必要が全くない)この和了は30符3飜の「5800点」と確定した。…和了した人(…自分です)はいまいち釈然としない様子だったが、「基準とするルール(Mリーグ規則)」による裁定なので恨みっこ無し、という事に。逆に言うと基準とするルールがなかったら相当揉めていた可能性もあったかも知れない。…「事前のすり合わせ」は重要ですねぇ。
…話のネタになりそうなのはこれくらいだろうか(これ以外の事はよく覚えていない≒多分大した事ではなかったと思う)。
最終結果。名前はスコアシートに書かれたものそのまま。自分の名前(香龍会名簿に記載した名前も含む)が「松本留伍郎」なのは麻雀を打った事(上図にもあるが牌に用いられている漢数字の五が「伍」の字を使っているため)にかけた今回だけの表記。
6回戦終了時で100ポイント(1Pt=1000点)以上の大差、のようにも見えるが、理論上は最終戦で「点差が26600点の1位と4位」あるいは「点差が46600点以上の1位と3位(1回戦のようなスコア)」だと逆転されていた。短期決戦だとこういう事があるので油断はできない。なので今回の結果は謙遜でも何でもなく「勝たせていただいた」という感が少なくない。何せ最終戦で1万点以上ハコっているのだから。最終清算は1pt10000ジンバブエドル…冗談です(笑)。
「第2回」以降があるのかは全く未定。今回はある意味「時期が最悪(GWなので雀荘の予約が取れなかった)」だったかも知れないので、やるとしたらそういう時期(お盆とか年末とか)は避けた方が良さそうだが…(勿論理想は香龍会の前日か翌日で)
※1…「ぴーぱい」と読み、上下2段に積まれた「牌山」の事。普段は単に「牌山」あるいは「山」と呼ばれるので正式名称(?)を知っている人はあまり多くない。