最近ちょくちょく「プロゲーマー」という言葉(職業)を目にする。一言で説明するなら「ゲーム(をプレイすること)を生業として生活している人」である。広義に解釈するなら将棋や囲碁のプロ棋士や各種スポーツ選手も「プロゲーマー」というくくりに属するが、ここではこれらを除外して主に「コンピュータゲーム」または「カードゲーム」を生業とする人とする。
ゲームを生業にして生活できるなんて理想の生活のようにも見えるが、それ(ゲームの技術だけ)で金を取ろうとするにはそれこそスポーツ選手にも匹敵するような努力が必要になるし、今の日本ではそれに見合うだけの収入があるわけでもない(海外だと高額賞金の大会が結構ある)。
そう考えるとある意味不遇な人たちと言えなくもないが、それを差し引いても自分はこの「プロゲーマー」という人種に対していい印象が持てない。自分はこれまでにTVやネット上などで複数のプロゲーマー(の言動)を目にしてきたが、
プロゲーマーと呼ばれる人には対戦相手や第三者を挑発したり侮辱する言動を取る人が多い
というのがその理由。
全てを見たわけではないので「たまたま自分が見かけた人だけがそうである」可能性もあるが、テレビやネット(のトップ記事)で名前を見かける≒その業界の看板とも言える人がそろってそういう人間だと、その業界全体がそういう(相手を敬うという事を知らない)人種の集まりである、という印象(誤解)を与えかねない(今更言う事でもないが、「第一印象」というのは強力ですから)。将棋を例にするともし羽生善治名人や糸谷哲郎竜王、渡辺明棋王と言った業界を代表する棋士がこぞって礼を弁えない人間だったら… 言うまでもなく将棋界のイメージは著しく悪くなるに決まっている。他の業界でも同様だろう。
…何故プロゲーマーという人種には礼を弁えない人がいるのだろう、と考える。いつだったかテレビでオセロ日本一という人(だったと思う)がハンデ付きで芸能人と対戦する、という企画があったが、この時もそのオセロプレイヤーは対戦相手をやたらと挑発・侮辱していたし、人間とCOM(ディープブルー)がチェスで対局して人間が負けた時に対局者(ガルリ・カスパロフだったと思う)が突然席を立ち「オーマイガー」というジェスチャーで対局場を歩き回ったシーンもどちらかと言えば「礼を欠いている所作」と言えなくもない(※1)。
…ちょっと考えるとその答えはハッキリする。プロゲーマーには将棋でいう奨励会のような「養成機関」がないからである。奨励会では将棋そのものもそうだが、それ以前の「礼儀作法」もみっちり叩き込まれる(はずである)。だからプロ棋士は中卒や高校中退とかでも礼節を弁えた人間になるし(※2)、「養成機関」を経ていない──それ以前に養成機関が存在しない──プロゲーマー(オセロやチェスなどのプレイヤーも含む)に高学歴でも人間的におかしい人がいても不思議ではない、と言える。
自分がこんな風に考えるのは言うまでもなく(?)「自分が将棋の人間(子供の頃から将棋が身近だった)だから」であろう。もし奨励会でそういった礼儀作法を教えていなかったら…(以下省略)
別に自分は「業界を代表する人間はそれにふさわしい言動を心掛けよ」などといった偉そうな事を言いたいわけではない。ただもう少し「相手を立てる(≠手を緩める)」という事を覚えたらどうだ、とは思う。最近になって「プロゲーマー専門学校」なるものが創設されるらしいが(※3)、これによって人間的にまともな(?)プロゲーマーが育つか…は現時点ではわからない。これに関する記事を見たが、どうせなら「やまと学校」のような超スパルタ教育(※4)にしたらいいのに、なんて事を思ったり(自分にはあまり関係ない世界なので言いたいことを言える…)。
※1…電王戦でCOMに敗れたプロ棋士は全員あの「アームみたいなやつ」に頭を下げているじゃありませんか。
※3…正確には「東京アニメ・声優専門学校」内の「e-sportsプロフェッショナルゲーマーワールド」という学科。一応(?)ここではビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどを履修することになっていはいる。学費は年間146万円で2年制(高いなぁ…)。ちなみに2016年4月の開講予定なのでこれを書いている時点ではまだ「存在しない」。