緊急の記事(?)が入ったが、こちらの記事もあらかた出来上がっていたのと、文中の日付の関係上今月中に書かないと書き直す必要がある(面倒くさい)ので両方アップする事にする。
今度の日曜日(6月1日)の主な(?)イベント。
・東京優駿
・NHK杯テレビ将棋トーナメントで森下卓九段が解説(笑)
…残念な事にこの日は仕事なので上2つのレースへの投票は出来ない(電話投票を持っていない)し、いずれもリアルタイムでの視聴が出来ない(NHK杯は録画で、残り2つはサイトでリプレイ動画が見れるが)。
森下九段のNHK杯の解説は大抵年1回あるのだが(2回あった年もある)、森下九段が本戦に登場していないここ数年はこれだけがNHK杯で唯一の楽しみだった、と言える(笑)。
今年は5年ぶりに本戦に登場、初戦(6月22日放送)の相手は新A級・広瀬章人八段という強敵であるが、どういう将棋が見られるか今から楽しみである。
…将棋(NHK杯)の話は以上(笑)。
「『東京優駿』って何?」
と思った方がいるかも知れない。 …まさかとは思うが、競馬ファンでこれを知らない、なんて人はいないと思う(もしいたらその人は「競馬ファン」の肩書きの頭に「自称」とか「なんちゃって」とつけることをお勧めする)。
他のルートからここに来た人の為に説明すると、東京優駿というのは俗に「日本ダービー」(あるいは単に「ダービー」)と呼ばれる競走の正式名称である(実は以前このブログでも書いた事がある)。ちなみに先日(25日)行われた「オークス」も通称で正式名称は「優駿牝馬」。JRAから出ている競馬番組表やレーシングプログラムなどには
ダービーの由来、歴史、目的、エピソードその他諸々を書き出すとキリがないのでそれは別の機会に(一生その「機会」が来ない、という可能性もあるかも…)。
笹川賞。こちらはこれが正式名称である。厳密に言うと下付賞名を含めた
「日本モーターボート競走会会長杯争奪 笹川賞競走」(「競走」までが名称)
なのだが、いちいちそこまで言う(覚えている)ファンを自分は見た事がない(笑)。以前もチラッと書いたが、ボートレースの生みの親と言われる「笹川良一」の名前から取っている。
今年からSGとプレミアムGI(昨年までは「全国発売GI」)には公式の通称(分かりやすく言えば「日本ダービー」「オークス」のようなもの)がつけられ、競走会も正式名称よりそちらの方を前面に押し出している。
…個人的には「こんな通称いるか?」と思うのだがその話はまた今度に(笑)。
笹川賞には「ボートレースオールスター(BOAT RACE ALL STARS)」の通称がつけられている。「オールスター」の通称からも推測できるように、この競走はプロ野球のオールスターのように出場選手がファン投票で選ばれる(…早速通称が役に立っているではないか)。
ファン投票と言っても被投票権があるのは級別が最高のA1の選手(約300人)のみ、その中から52人(優先出場者・選考委員会推薦を含む)が出場できる。その性質ゆえに他のSGと比べて女子選手の出場人数(比率)が高く、今年の笹川賞ではSG史上最多の12人が出場して(ファンに選ばれて)いる。裏を返すとそれだけミーハーなファンが多い、という事なのかも知れないが…(自分もその一人だろう)
それだけ(人気先行の)女子選手が選出されるという事は一方で有力な男子選手があぶれる、という事態にもなるわけで、一部の雑誌・紙面・サイトなどで「笹川賞の権威」みたいな事を偉そうに宣っている輩がいたりするのだが、級別審査(言い換えるなら「笹川賞の被投票権選定」)は男女の区別なく行われているので決して不公平ではない(と思う)し、A1級の中で更にあれこれ条件を付加したりするのもファンが混乱するだけだと思う。中には「女子選手の人数制限をする」なんて事を提案している人(※1)もいたが、それは草創期から「男女平等」を訴えている(はずの)ボートレース界の精神に反するものだろう。
むしろ(周りの男子と比べて)実力の劣る女子選手が1号艇になったレースでその(人気が集まりそうな)1号艇を切り捨てて高額配当を狙う、なんて冷酷な舟券術(笑)が嵌まり易かったりするので、今年の笹川賞の舞台である福岡は「インがさほど強くない」=荒れやすい事も加味するとギャンブル狂にしてみれば逆に「ありがたい話」「感謝すべき事態」だと思うのだが…
…このままだとドロドロとした話に発展しそうなのでその手の論議はここでやめます(笑)。
さて、他の公営ギャンブルにもファン投票で出場メンバーの決まる競走があるのだが(競馬=宝塚記念・有馬記念、競輪=オールスター競輪、オートレース=オールスターオートレース)、この中で一つだけハッキリと「ファン投票の性質」が違う競技がある。
…さて、どの競技(のファン投票)でしょう?
・・・(考慮タイム)
…答えは「競馬」。ファン投票の元祖(?)と言えるプロ野球のオールスターは「監督推薦」や最近だと「選手間投票」といった枠があるものの、基本的には「ファンに支持されないと出場できない」。
笹川賞、オールスター競輪、オールスターオートレースも優先出場(前年の同レース優勝者、など)や選考委員会推薦で出場する一部の選手を除けば「ファンに支持されないと出場できない」(ちなみにオールスターオートレースには選考委員会推薦という概念がない)。
特にドリーム戦(※2)のメンバーは得票数の多い順に選ばれる(そのため既に優先出場権を持っている選手も投票の対象になっている)ので、出れるか否か、だけではなく得票数(順位)にも大きな意味がある。
「某アイドルグループの最多得票者は『センター』ですが、ボートレースオールスターの最多得票者は『イン(1号艇)』です」(※3)
…ではファン投票(得票数・順位)の意味はと言うと、
「第1回特別登録(レースの2週間前登録)を行った馬のうちファン投票上位10頭が優先的に出走できる」
…実はこれだけ。11頭目以降は他のGⅠ同様に収得賞金(※4)の多い順に出走馬が決まる。JRAでは「宝塚記念(有馬記念)に出走させたいと思う現役競走馬を選んで投票して下さい」と言っているが、ルール上は得票数0でも出走する事は可能なのである。
しかもファン投票上位に来る(人気のある)馬というのは基本的に多く勝っている=収得賞金が多いので、ファン投票による優先出走権がなくても普通に出走できる馬がほとんどである。つまりハッキリ言ってしまえば「ファン投票をする意味は全くと言っていいほどない」のである(※5)。
ちなみに今年から「競走内容のより一層の充実を図る(≒ファン投票に意味を持たせる?)」目的で
当該年度においてGIで3着以内、またはGⅡかGⅢで優勝した馬のうち、ファン投票10位以内の馬が有馬記念(宝塚記念は対象外)に出走した時に『特別出走奨励金』を交付する(交付される金額は1位~3位:2000万円、4位~5位:1000万円、6位~10位:500万円)
という制度が出来たそうだが、ハッキリ言ってファン側には何の意味ももたらさない、むしろ
「走るだけで金もらえるの? だったら適当に(怪我しないように・疲れがたまらないように)走らせておくか」
なんて事をされでもしたら逆にレースがぶち壊しである(さすがにファン投票10位以内に入る≒奨励金以上に賞金を多く稼いでいる馬を「適当に走らせる」人がいるとは考えにくいが…)。
…では、競馬のファン投票を意味あるものにするにはどうしたらいいのだろう? 例えばプロ野球のオールスターはファン投票で選ばれた選手が出場辞退するとペナルティが科される(オールスター後の公式戦10試合に選手登録できない)が、このような「出走を半ば強制するシステム」はどう考えても無理であろう(ファン投票は馬の適性を無視して行われるので、レースの条件に合わない馬の陣営からしたらこの上なく迷惑なだけ)。
・・・(考慮タイム)
「ファン投票得票数の多かった馬から順に好きな枠を選ぶことが出来る(※6)」
という風にしたらどうだろう、なんて考えてみた。特に有馬記念の行われる中山競馬場の芝2500mのコースはスタートしてすぐ(200mくらい)にコーナーがあるため、(走る距離の短い)内枠や偶数枠が欲しい(※7)、と願う陣営は多い(はず)。
これならば他の公営競技のファン投票(上位の選手は「ドリーム戦」に出走できる)と形は違うが「事実上意味のないファン投票(笑)」に意味(上位馬へのアドバンテージ)を持たせる事が可能だと思う。もっとも、有力馬が先に枠を選ぶ事で他馬にマークされやすくなる(その馬をマークしやすい枠番を選ばれる)可能性もあるのだけれど…(苦笑)
あるいはファン投票の対象を馬ではなく「騎手」にするとか。 …どう考えても馬のオールスターほど盛り上がるとは思えないですね(笑)。
…それにしても、今ちょうど宝塚記念のファン投票をやっている最中にこんな事を書くのだから自分も性格が悪い(笑)。
過去には「オールスター勝ち抜き戦」という棋戦(1978年~2003年まで開催)があったが、この棋戦に出場する棋士は成績上位から(40名が)選抜されていたので、「オールスター」と冠しているがファン投票があったわけではない。
「大和証券杯ネット将棋最強戦」のエキシビジョン(?)として2007年に行われた「東軍vs西軍」、その「最終戦」の対局者はファン投票で選ばれたが、あくまで非公式戦だし「東西から1人ずつ」なんて言われたら誰と誰が選ばれるかは誰でも予想がついてしまう(笑)。
前述の笹川賞は「ファンによるファンが作ったファンの為のSG」と言われるので、将棋でもファン投票で出場できる棋士が選ばれる「ファンが作ったファンの為の棋戦」があったら棋士とファンとの距離が今まで以上に近まると思うのだがどうなのだろう。
…そう考えて新棋戦のシステムを想像(というより妄想)してみたが、これがまた考え出すとキリがないのでここには書かない(…おそらく一生書かない)。
…何だかんだ言って最後は将棋の話になってしまった(苦笑)。
※1…4日間の予選の3日目まで終わった時点で予選を突破できそうな女子選手はいなくなってしまったので、彼等は今頃「それ見たことか」と溜飲を下げているのかも知れない。
※2…初日(レースによっては初日と2日目)のメインレースとして行われるレース。
出走メンバーはSGやプレミアムGⅠはそのレースの選考順位順、それ以外のレースでは主催者(番組編成委員)の裁量でメンバーが選ばれる(稀に「ドリーム戦メンバー選出ファン投票」が行われる事もある)。基本的にその開催の有力選手で構成される事が多いので、通常の予選より得点が高い、などの優遇措置がある。
※3…ボートレースで3コース、4コースを俗に「センター」と呼ぶ事にかけた洒落(くだらないですか…)。
ボートレース尼崎の通称「センタープール」はそのセンターのコースが強かった事からつけられており(今はそんなに強くない)、競走水面を挟んでスタンドの反対側にある最寄り駅の名前は「尼崎センタープール前」と言う(開催日は屋根付きの専用通路で雨の日でも濡れずに駅⇔正門前を往復できる)。
※4…レースで1着(重賞では2着以内)になると加算される賞金(RPGでいう「経験値」に置き換えるとわかりやすいかも)。「獲得賞金」とは別物。
この賞金の額で出走できるレース(のクラス)が決まり、オープン(重賞含む)のレースで最大出走頭数を超える登録があった場合、この額の多い馬から順に出走可能馬が決まる。また一部のレースはこの額に応じて負担重量が決まる(増える)。
※6…海外の競馬で似たようなシステム(各馬の関係者がくじを引いて、1番の陣営から好きな枠番を選べる)がある、という話を聞いた記憶があるのだがはっきり覚えていない。スミマセン…
※7…JRAでのゲートインは通常「奇数番の馬(大外枠を除く)」→「偶数番の馬」→「大外枠」の順に行われる。
つまり偶数枠の馬はゲートの中で待たされる時間が少ない=無駄な消耗をしにくい、という理由でどのレースでも偶数枠を欲しがる陣営は多い(競馬新聞などでもそういうコメントは多く見られる)。