DJカートン.mmix

それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

柿木将棋Ⅸ!

やっぱり詰将棋に携わる身としてはこの話を書かないといけないでしょう(笑)。
…という事で、今回は臨時(?)で記事を書くことに。

詰将棋作家にとって必須とも言えるアイテム「柿木将棋」。余詰検索の心強い相棒(?)である。
しかしその最新バージョンであった「柿木将棋Ⅷ」の発売が2005年3月、生産はとうの昔に終了しており、元々の生産数が少なかったのか中古品が市場に出回る事もほぼ皆無(極稀にオークションで見かけると「プレミア価格」で取引されていた)。
それ故現在では、というより数年前から入手は事実上不可能といえる状態で、自分のようなここ数年の間に詰将棋創作を始めた人にとっては凄まじいハンデである。どうしても「柿木先生(以前も書いたが柿木将棋の敬称)」を使いたいという場合は全国の詰将棋の会合に行ってこれを持っている人に借りる、という手段くらいしかなかった。

その柿木将棋の最新版「柿木将棋Ⅸ」が実に8年9ヶ月ぶりにリリースである。今回は今までのCD-ROMではなく個人販売のシェアウェア(※1)という形を取っている。 …今までのシリーズを販売していた○ンターブレインを「当てにならない」と見限ったのかも知れない(笑)。価格は税込1,050円。
…それにしても、以前このブログで
将棋電王トーナメントに柿木将棋のエントリーがなかったのは「柿木将棋Ⅸ」の開発が始まったから?
などと勝手な事をほざいたのだが(笑)、まさか本当に開発が進んでいたなんて…(別に柿木氏を非難しているわけではありません)

そういうわけで自分も早速購入。パスワードを入力して解凍、インストール、そして始動。
…出ました今作は「オープニング」がなくいきなり見慣れた(?)盤面が出現する。
早速自作の詰将棋を何題かかけてみる。 自分のへなちょこPC(笑)でも特に問題なく作動してくれた。「作意は13手詰め」の作品に「33手詰めの余詰あり」という容赦のない回答もいただいた(笑)ので多分大丈夫(使用に耐えうる)だろう。
解答・余詰検索速度に関してはPCのスペック(メモリ)によって大きく差が出るのだろうが(※2)、会合で他の人に借りて検討する場合と違って「時間」を気にする必要がないので、解析に時間がかかりそうだと思えば桂文之助師匠の「替り目」を聴いていれば30分はあっという間である(笑)。

ダウンロードサイト(Vector)にも書いてあるが、柿木将棋Ⅸは「柿木将棋Ⅷのアップデート版」という形になっていて、一部の改良点を除けば基本的なインターフェースなどはⅧとほぼ同じ(だと思う)。ついでに言うと詰将棋の性能(解答・余詰検索)もほとんど変わりません」
Windows 8.1までに対応というのがある意味大きな違いだろうが(柿木将棋ⅧはWindows7までは動作保証されていた)、未だにXPを使っている自分には今のところあまり関係ない話である「柿木将棋Ⅸが出たらそれに見合うスペックのPCに買い換えよう」と思っていたのだが、今のへなちょこPCでも問題なく動くので当分PCを買い換える予定はなくなってしまった)。

…こう書くと
柿木将棋ⅨはⅧの「廉価版」
なんて陰口を叩く奴が絶対出てくると思われるが、全国には柿木将棋Ⅷ(余詰検索機能)がなくて詰将棋創作に苦労している詰キストが○万人といる(さすがに「万」はいないかな…柿木将棋Ⅷには今でもそれだけの需要があるわけで(そうでなければ「中古市場に物が出回らない」という理由を説明できない)、たとえ「廉価版」と罵られようと全国○万人の詰キストの渇望に応えた新作(あえてこう表現する)である事には違いない。そういう意味では真のユーザーの声に耳を傾けないエンター○レインを見限った(?)柿木義一氏の英断に拍手である(随分と上から目線の論評だ…)。

手に入れたばかりなので試したのはごく一部の機能だけですが(もっとも今後もその「ごく一部の機能」以外は使われないかも知れませんが…)、今のところバグや不具合、「Ⅷのほうが良かった」という点は見受けられませんでした。最初は「画面に入りきらないほど盤が大きい!」と思いましたが、大きさは7段階に調整できるとわかったので今では問題なし(笑)。

ともあれ、これで自分もようやく詰将棋作家として「本当のスタートライン(?)」に立てたような気がする。…もっとも自分の場合人間のスペック(≒才能?)が低いので折角のアイテムをどれだけ活かせるかは定かではないけど(笑)。
…あと、柿木将棋Ⅷを借りる必要がなくなったので会合(香龍会など)の参加をやめる、とかいう事はないのでご安心(?)下さい(笑)。12月・1月は残念ながら予定が合わず参加できませんが…

…どれだけ参考になるかわかりませんが(笑)、簡単に感想を書かせていただきました。


※1…シェアウェアとはダウンロードソフトウェアの一種で
・一定の試用期間(あるいは回数)を超えるとロックがかかる(使用不能になる)
・一部の機能に最初からロックがかかっている(それ以外の機能は普通に使える)
のどちらか、あるいは両方に該当するもの。
「ロック」の解除にはパスワードが必要であり、代金を開発者へ直接(現金・銀行振り込みなどで)支払う、あるいは仲介業者を介して支払う事でそのパスワードを手に入れる、という仕組み。
ただ、「柿木将棋Ⅸ」に関しては試用期間が一切ない(圧縮データを解凍する時にパスワードを要求される)ので、シェアウェアとしては特殊なのかもしれない。
自分はあまりコンピュータ(業界)に詳しくないのでこれで正しく説明できているという自信がないですが(苦笑)。

※2…参考までに自分のPCで「煙詰(将棋図巧第九十九番、117手詰)」を解かせてみたところ、24秒で「詰みました」
ちなみにこの「詰みました」の声、Ⅷと比べると少しトーンが高くなったような気がする。