お言葉①
「プロ編入試験は3連勝で決めるくらいでないとアマチュアに厳しい」
(今泉健司アマの編入試験の時にそう仰っていた記憶がある)
今回プロ編入試験を受ける折田翔吾アマは試験直前に「まずは2勝2敗を目指して、最高に盛り上がる最終局を楽しみたい」と抱負を述べている。試験が決まった当初は「当然3連勝」という気持ちだったのが「勝つための最善のメンタルを模索した結論」だとという。
…メンタルなんてのは人それぞれだから「これが正解」というのはないと思う。折田アマも「3連勝を目指していたら2連勝した時点で萎縮する」と自己分析したのかも知れない(勿論他人にそのあたりの心理などわかるわけがない)。なのでもし今回の試験が不合格に終わった時に「気持ちの持ちようを間違えていたから落ちたんだ」などと宣うつもりは毛頭ない、という事だけは言っておく。個人的には森下九段の言葉には大賛成である(もし自分が試験を受ける立場だったら「最終局までは行きたくない」と思う)けど。
お言葉②
「将棋盤の前に4時間座っていられない子は奨励会は無理」
(2011年くらいのイベントにて)
何故この「お言葉」を書いたのか、それはYahoo!で「映画上映中にスマホいじりする若者」という記事を見てこの言葉を思い出したから。
映画上映中に携帯電話は使わない、という最低限のモラル(というよりルール)も守れない(「画面の明かりを暗めにしているので、そんなに問題ないと思う」とほざいているが、どんなに暗くしていようが思いっ切り目立つ)事に対しても、また「2時間スマホをチェックしないと不安になる」事に対しても正直呆れ果ててしまう。そして先のお言葉の理屈で言うなら
たった2時間ですらスマホを我慢できないような人間は『何をやっても上手くいかない(どこに勤めても長続きしない)』
と思う。
森下九段は奨励会について仰っているが、これはどんな業界でも同じだと思う。世の中の職場ってのはほぼ例外なく「目の前のやるべき事に集中できるか」「そこから逃げ出さずに(他の事をせずに)我慢できるか」が全てだと思う。「映画上映中にスマホ」なんてのはこれと正反対の行動なわけで、極論するなら「自分には勤務能力がありません」と告白しているようなものである。
…そういうわけなので、自分の子供(自分にはいないけど…)を一人前の「大人」に育てるのに最も重要なのは「集中力」「忍耐力」を鍛える事(何ぞ習い事をさせるのがベスト?)、そして「何でもかんでも物(特にスマホ)を与えない事」(物が多いとそれだけ「逃げ出したくなる誘惑」が増える事になる)ではないのか、と思ったりする。…自分がそれを実践する機会があるのかは分からないけど(笑)。