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それって早い話「金儲けのための忖度」って事では。

時代を築いた名横綱の死去

大相撲第64代横綱曙太郎さんが死去、というニュース。自分が相撲を見るようになった頃には既に横綱だったような気もするが記憶が曖昧。幕内最高優勝11回、周知のように日本人以外で初の横綱となった偉大な力士である。初土俵からの連続勝ち越し(18場所連続)は歴代最長記録で今もなお破られていない。

同期に「若貴」がいた事からヒール扱いされる事も少なくなく、語呂が近い事から「ばけもの」なんて呼ぶ人もいた。もっとも若貴を初めとしたライバル力士を突き押しで吹っ飛ばす様は文字通りの「化け物」だったかも知れない。

引退後は協会に残るも突如協会を退職して(裏ではいろいろあったらしいが)総合格闘家に転身。ボブ・サップに1RKO負け、という惨敗が印象に残る人も少なくないが、その後も格闘家として活動を続け、プロレスの世界に入るとこちらでも「頂点」…全日本プロレスの最高タイトル「三冠ヘビー級王座」に到達している。…やっぱり化け物(褒め言葉)だ。

 

総合格闘技に転身を表明した(その世界では大した活躍ができなかった)事をとやかく言う人は多かったが、自分は結果云々よりも「この人は一生『闘いたい』人なんだな」という印象を持った。

「生涯現役(希望)」と言えばそうなのかも知れないが、この表現だと「死ぬまで権力にしがみつこうとするアホ」とごっちゃになってしまいかねない*1ので、もう少し細かく表現するなら「闘争本能が溢れ出て止まらない人」と言ったところだろうか。そうでなかったら前述のボブ・サップ戦で心が折れていても不思議ではないので。貴乃花氏が追悼コメントで百折不撓の人生観だったと思います」と述べているが、故人の生涯を過不足なく表現した言葉だと思う。

 

自分の知る限りで「闘争本能が溢れ出て止まらない人」は他に3人思い浮かぶ。

宮崎駿

大仁田厚

加藤一二三

前2人は何度も「引退宣言を撤回している」。世間では「節操のない奴」とかほざく人が多いが、彼等も曙さんのように「消した蠟燭の炎が勝手に再点火してしまう」ような人だから我慢できなくなって引退を撤回してしまうのだと思う。加藤一二三にしても「制度によって強制的に引退させられた」が、その後の活動(ほとんどは「周りが引っ張り出している」のだろうが)を見ていると将棋に対する闘志や情熱が衰えている気配は全く感じられない。

大仁田厚とは電流爆破デスマッチで対戦もしている。電流爆破デスマッチに拒絶反応を示すプロレスラーも少なくないが曙さんは堂々と受け入れたといい、試合中に大仁田が繰り出した火炎放射も微動だにせず受け止めたというので大仁田はさすが横綱だと感服した」と述べている(訃報を受けた直後の大仁田厚のコメントを要約しています)。

 

自分の目から見たら「闘争本能が溢れ出て止まらない人」は掛け値なしで凄いと思う。世の中は「加齢とともに闘争本能(≒情熱)が冷める人間」の方が大多数*2だし、自分なんぞは「一刻も早く闘わず(働かず)に済む方法を考える」くらいである(笑)。

 

享年54。「早過ぎる」と悼む人は多い。邪推であるが本人も「まだ闘いたい」と思っていたのではないか、と思う。

ここに謹んで哀悼の意を捧げます。

*1:膝の状態が限界に達した時に「横綱として惨めな姿を見せるわけにはいかない」とすっぱりと引退を決めているので、地位や権力に執着するタイプの人間ではない事が読み取れる。

*2:加齢とともに威張り散らすようになる・怒りっぽくなる、というのは闘争本能ではない。

北条氏政の逸話と通勤時の行動の関連性は?

戦国時代、北条氏政が1杯の飯に汁を2度かけている様を見た父氏康が

「毎日喰う飯の管理もままならぬとはなんと愚かな。わが北条家も彼の代までか…」

と嘆いた、という話は有名である。もっともこの話は実話ではなく北条氏政の無能っぷりを際立たせるための後世の創作」だと言われているが。

 

話の真偽はともかく、この話を聞いて「そんな事くらいで家が滅ぶなんて何を馬鹿な…」と思った人は結構な数がいそうである。字面だけを見ると北条氏政には管理能力がなかった」という風にも解釈できるが、「飯にかける汁の最適な量」というのはその日の体調とかでも変わってくるだろうから、2度かける事が直ちに無能の証明、というのはさすがに無理がある。彼に限らず「歴史上の敗者」というのは実像以上に無能に描かれる事が少なくない(下手をすると「実は名将だった」けど無能扱いされる事すらある)とは言え、このでっち上げ方は正直なところ「喩えが悪い」。

 

…という話を枕として今日の本題。

昨今は全国各地で路線バスの系統廃止や便数減少が社会問題になっている。運転手の数の少なさ(高齢化)に加え、今後は所謂「2024年問題」のせいで廃止や減少にどんどん拍車がかかるものと思われる。…どの業界でも人手不足は深刻で、しかも今何か手を打ってもその効果が形として表れるのは早くても20~25年くらい後、というのだから長年手を打たなかった政治屋の罪は「重い」なんてレベルでは済まない…のだが、今日の話はそっちではない。

路線バスの系統廃止や便数減少が行われるとその分のしわ寄せが他の便に来る=現行のバスがより混雑するわけだが、1便当たりの乗車率の上昇に伴って「バスの乗り方が下手な客」が以前より目につくようになった。

「バスの乗り方が下手」というのはオリジナルの表現であるが、具体的に何が下手なのかを述べると

1.すぐ降りると分かっているのに後部の席に座る

2.事前に両替やICカードへのチャージをしていない

 

1.について、空いている(立っている客がほとんどいない)バスだったら全く問題にならないのだが、混んでいるバスだと多くの客を押しのけて(?)出口まで突き進む事になるので非常に効率が悪い。酷い場合だと降りる客はもういないと思った運転手が発車した後に「降ります!」と叫んでバスを止める事もある。この場合運転手は急ブレーキをかける事になるので他の乗客や後続車両にとっても迷惑かつ危険な話である。

2.は大抵バスの車内放送で「混雑防止のため、早めに両替・チャージをお願いします」と流れている(統計を取ったわけではないが、1路線あたり1回は流れていると思う)にも関わらず降りる間際に両替・チャージを行う客は後を絶たない。中には1.からのコンボでバスを遅らせる人も珍しくない。

 

冒頭の北条氏政の逸話と何が違うのだろう、と思った。初めてその路線(あるいは路線バスそのもの)を使ったとかいうのならともかく、通勤通学だったら毎日のように同じバスを使用するわけだからそのルーティーン内で起こりうるハプニングを事前に想定していない(先んじての手を打たない)、というのは北条氏政と同レベルの評価をされても文句は言えないのでは? …それも「タイパ」を重視するという「Z世代(と思われる人)」がそういう事に思い至らない(「無駄な遅延行為」を何度も繰り返している)というのは…(以下略)

バスの乗り方とその人の能力(狭義には「管理能力」)との因果関係を立証した人は多分歴史上まだいないと思うが、個人的には結構深い因果関係があるのではと思う。実際「日常の何気ない行動(というか習慣)からその人の性格や能力が垣間見える」という話はいろんなところで聞くし【*1】、線路への落とし物(圧倒的に多いのはワイヤレスのイヤフォン)が増えているのも早い話「落ちる」「落とす」という可能性を考えていない(危機管理能力が欠如している)だけだと思う【*2】。昨今注目(?)されているモンスターカスタマー」とか「カスハラ」というのもこういった危機管理能力が欠如した人間の成れの果て、ではないのか。彼奴等のクレームの99%くらいは「利用者のちょっとした注意(危機管理)があれば起きない事」だと言うし。

 

…こんな事を偉そうに宣うくらいだから、自分は路線バスの心得(?)は弁えているつもりである。

1.⇒まず自分はバスの後方に乗る、という事を滅多にしない。それこそ「後部の席に座る」よりも「バス前方に立つ」方を無条件で選ぶ*3言うまでもなく「自分が降りる場所」を把握してスムーズに(言い換えるなら「さっさと」降りるため。…ただ最近は年を取ったせいか(笑)「降りる場所が終点、あるいはそのちょっと手前」という時(つまり「遅延行為」が発生しない状況で)は後部席に座る事が増えてきた。優先席に座る事も増えてきたなぁ…*4

2.⇒札幌市の交通系ICカード「SAPICA」を自分も使っているが、これで「セイコーマート」でも買い物ができる(どちらの利用でもポイントが付く)という事もあって「常に残額4桁をキープする(切る前にチャージする)」という習慣がついている。それでもうっかり残額が尽きそうになる事もあるが、その時は「バスに乗ったらすぐにチャージ」

 

…能力云々はともかくとしても、前述のような「無駄な遅延行為」が積み重なると結構な遅れに繋がるので何とかならんのかねぇ、と思いながら【*5】明日もまた通勤でバスに乗る。…時に怒鳴りつけたくなるような遅延行為をやらかす人にも遭うのだが、そこで本当に怒鳴りつけたらどこぞのビチグソ国会議員の同類に堕ちてしまうのでさすがにそれは禁忌。

 

そういう時に怒りを鎮めてくれるアイテム(の1つ)が詰パラなのだが、最新(4月)号の到着が3日まで遅延されたら逆に怒りがこみ上げるだけである。

*1:自分の場合雀荘勤務の中で「麻雀の打ち筋(や癖とか)にはその人の性格が表れる」という事を学んだ(?)事でそういう風に考えるようになったのかも知れない。

*2:自分は日本人平均より耳が小さいのか、イヤフォンがなかなか耳に合わない(耳が痛くなる上によく落ちる)ので専らヘッドフォン派。…もっともそれ以前に「何かを聞きながら歩く」という習慣自体がないのだが。

*3:なので車両前方の座席数が少ない(フロントタイヤ上部の席がない)「低床車」はあまり好きではない。…というか「乗車率が高くなりそうな路線(時間帯)」は床が高くてもいいから座席数が多いバスで運行しやがれ、と思う事もある。

*4:北海道中央バスでは車内放送で「優先席はどなた様でもご利用いただけます(が体の不自由な方などがいらっしゃいましたら席を譲るようお願いします)」と言っているから別に座っても全く問題はない、と自己弁護(笑)。

*5:多分運転手も同じ事を考えていると思う(自分が運転手だったら絶対そう思うので)。

平山智加様ばんざーい

…一度でいいから言ってみたかった台詞を言う機会が訪れたのでツイッター(「X」という呼称はどうも好かん)で言ってみた。

 

…別にボートレーサーの平山智加に特別な感情があるわけではない。アイドルとかを「○○様」と呼ぶ人(所謂「親衛隊」?)は昔からいるが、自分はそういう人の事は「キショい」としか思っていない*1

じゃあこのセリフは何なのか? そりゃあ自分の舟券に貢献してくれた選手を「○○様」と崇めたくなっても全然不思議ではないわけだが…

 

ネタを明かすとこのセリフには「元ネタ」がある。光栄(現:コーエーテクモゲームス)がリリースした歴史シミュレーションゲーム蒼き狼と白き牝鹿」シリーズ。自分は2作目にあたる「蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン」をファミコンで少し触れたくらいの知識しか持っていないのだが、このゲームで「分配国保有の食糧などを国民に分け与える。実施すると民衆の『モラル』が上がる)」を実施した時の民衆のセリフ

○○さま ばんざーい

○○は(プレイヤーが操作する)統治者の名前。つまり実際はジンギスカンさま ばんざーい」とか「みなもとのよりともさま ばんざーいみたいな感じファミコン版には漢字フォントがない)になる【*2】。もしかしたら「ばんざーい」は片仮名で「バンザーイ」だったかも知れないが記憶があやふや(確認するのも難しい)。

 

…要は舟券に貢献してくれた選手への感謝をジョーク交じりで表現したらこうなった」というだけである。繰り返しになるが平山智加に特別な感情があるわけではない(あったとしても「様」付けで呼んだりはしない)先月のクラシック優勝戦でも5-1-○の決着だったら「桐生順平様ばんざーい」と言うつもりだったし(地元SGへの気合を買ってみたけどダメだった。そもそも1は1マークで転覆したし…)、今後もデカい舟券を取った時には貢献してくれた選手に対し「○○様ばんざーい」と言うだろう。…そんな機会が次いつ来るかは分からないけど。

*1:セーラー戦士がタキシード仮面「様」と呼ぶのは多分意味合いが違う…と思う(彼女たちの「前世の記憶」がそう呼ばせている、とか?)。

*2:ちなみにこのゲームで源頼朝が日本の国王として登場するのは「1206年」。…ツッコむのはやめておきましょう(笑)。

世話人

当事者からその旨がブログで語られたので別に伏せる必要もなくなったわけで。

 

岩本氏が「4月から土日祝も業務の部署に異動となった」ので香龍会への参加ができなくなった⇒世話人もできなくなった、という事で次回からは堀内氏が世話人を引き継ぐ(香龍会の廃止とかはひとまずなくなった)事になった。

…という事は「彩棋会への参加も不可能(楽観的に考えても「極めて困難」)になった」というわけで、ぶっちゃけ「喜べる要素は何一つない」

 

そう言えば彩棋会の幹事【*1】の佐藤氏も以前「誰か次の幹事やってくれる人いないかな」という話をされていた。

…自分はやる気なし(面と向かって返答したわけではないが)自分には人脈も人望もないし、今の会社は「本州への出向」の可能性もあるので(別に拒否しても何の問題もないとは思うけど)万一幹事を引き受けた後にそんな事になったら最悪であるから。

*1:そう言えば会合によって「世話人」だったり「幹事」だったりと呼称がバラバラだよなぁ(別に問題ないと思うけど)…

香龍会の

先日届いた香龍会グループメールの内容に少なからず驚かされた。

 

…ここで詳細を書く事は控えておく。こう見えても(どう見えているのかは知らんが)「情報」の扱いには(少なくとも「情報(秘密)は漏らすもの」と心得ているようなアホとかより数百倍は厳格な)ポリシーを持っているつもりなので。…書いても問題なさそうな範囲で言うなら「香龍会の廃止」や「関係者(常連参加者や東海地区の詰将棋作家とか)の訃報」とかいう話ではない。

…というか31日付で香龍会ブログに書かれていますね。

 

以前も書いた(と思う)が、「情報の扱い」は気を使う。例えば開発中のゲームの情報にしても中には「その存在すら世間にはまだ知られていない」事も少なくないし、また既報があるゲームにしても未完成品に「後日配信予定のDLC」が含まれている事もあるので、そのゲームがリリースされた後でも機密漏洩してしまう(何気に話した事が実はそれだった、という)可能性すら潜んでいる。

こういったごく限定的な話ならまだいい(それでも億単位の損害賠償に発展する可能性はある)が、国や組織を揺るがすような機密に関しては「握った方」も「握られた方」も気が気でなくなるのは歴史が証明している。「握った方」はそれが原因でいつ消されるか気が気でなくなるし、「握られた方」もいつ裏切られるか気が気でなくなる。徳川家康が「江戸城の最高機密」に関わった人物を完成後に一人残らず処刑し*1というのもそういう心理の帰結。

また「その機密を元手に恩賞に与ろう」と考える小者は掃いて捨てるレベルで存在し、例えば三国志の冒頭の黄巾の乱も当初は内通者を得て内外両面から宦官を討つ計画だったものが内通者への伝令が宦官側に寝返った事で計画が露見・破綻して「統率の取れない民衆暴動」になっている【*2】。…「企業機密を手土産に違う職場に移る」なんてのも同類だろうし、今だったら「その機密を元手に閲覧数を稼ごう」と考える小者以下の物体が掃いて捨てるレベルで存在するのだろう。

 

三国志演義では曹操曹操暗殺計画を密告してきた人を処刑する」というシーンがある。…とだけ言っても作中に「曹操暗殺計画」は何度も出てくるので詳しく書くと「馬騰が処刑される(命からがら逃げ遂せた馬岱からその話を聞いた馬超が復讐の兵を興した)」場面【*3】。密告してきたのは首謀者黄奎(彼も演義だけの登場人物)の使用人で、黄奎を亡き者にして彼の妾を妻に娶るための計画(密告)であったが、それを知った曹操私欲のために主人を売り渡すような奴は生きていても何の役にも立つまいと言われて黄奎や馬騰と共に処刑されている。また後年の漢中攻略戦では(「機密」とはあまり関係のない話であるが)攻略の決め手を欠いていた曹操張魯配下の楊松三国志の中で有数の「強欲」で知られる人物。ちなみにこちらも正史にその名はない)に賄賂を贈って内通させるが、漢中平定後にその楊松が同じ事を言われて処刑されている(張魯をはじめとした他の降伏者は赦されている)。

…事象だけ見ると曹操は恩を仇で返す奴」という風に読めなくもない*4】が、曹操の指摘もある意味非常に理に適っているとも言え、機密を私欲に使おうとする輩にはそれ相応の報いがあってもいいと思う。もっともいざ自分が「大金で売れる機密」を手にした時にも同じ事を言えるのかどうかは正直自信がないけど(笑)

*1:「そんなのは風聞・でっち上げだ」と主張する人も(主に家康擁護者に)いるが、同じような事をやった(可能性が高い)為政者は彼以外にも散見されるので家康がそういう事をやっていても全然不思議ではない。ちなみに「ゴルゴ13」も「依頼を遂行する上でどうしても機密(自分の技術)を明かさないといけない依頼者」に対し「依頼が完了したらお前の命をもらう」という条件を突き付けている(それでもその依頼者はその条件で依頼している。結末は「依頼の過程で敵側に殺されている」)。

*2:その「裏切者」の結末はどこにも書かれていないが、十常侍(政治を牛耳っていた宦官のトップ集団。「十」という漢字が使われているが正史では「12人」)が世間の想像通りの人間だったとしたら「恩賞を受けた後に抹殺された」可能性が高い。

*3:以前も書いたが「馬騰が処刑されるくだりは正史と演義で正反対」なので当然ながら正史にこのエピソードはない。

*4:もっともそんな事を言ったら「機密情報ごと社員の引き抜きを画策する企業(や担当者)」の方が「恩を仇で返す」可能性は高いと思う(実際その手の引き抜きは「欲しいのは情報だけで人の方は用済み」という事が多いと言うし)。

甘寧一番乗り

3月22日に「第134期選手養成訓練修了記念競走」が行われている。今から1年前にふと目についた養成員達の卒業・プロデビューである。入所したのが52人に対し修了できたのは25人という事で、入所してからも半分が脱落する甘くはない世界*1世間には「二世は簡単に選手になれる」などと勝手な事を宣うアホが少なくないが、以前「ミヤネ屋」で養成所が取材された時に「二世の養成員がクビになった」という話があった(134期訓練生の中では今坂勝弘選手の息子も脱落していた)ので、二世だろうが何だろうがダメな奴は振り落とされる業界であるのは間違いない【*2】。

 

前述のレースの優勝戦(養成所で行われる「リーグ戦」の勝率上位6人が出場する。正式には「養成所チャンプ決定戦」と言う)の優勝者は「養成所チャンプ」の称号を賜る。今は「ボートレーサー養成所」が正式名称なため味気ない(?)名前だが、名称がやまと学校*3」の時は「やまとチャンプ」、養成所が本栖湖にあった時代は「本栖チャンプ」と呼ばれていた(中身はどれも実質同じもの)。

その決定戦を勝利したのは「小林甘寧」選手。2コースから差しを決めて1着。…チャンプ決定戦で「甘寧一番乗り」である。…誰だよ、こんな結末考えたのは(笑)。案の定というかSNS上では早速「甘寧一番乗り」のコメントが散見できる。

 

チャンプといってもそれによる恩恵は「デビュー間もなくはB1級相当の斡旋を受けられる」くらいしかなく、しかもチャンプだけの特権でもない(養成所リーグでの成績上位者に与えられる)ので、特に「賭ける側」からしたらそんな称号にはほとんど意味がなく「何でもいいから俺の舟券に貢献しろ」以外の感情は持っていないだろう(笑)。また歴代チャンプは期待通りの活躍をする選手もいればその後鳴かず飛ばす(気が付いたら成績不振でクビ*4)なんて選手もいるし、中にはデビュー後不祥事を起こして逮捕された、なんて選手もいた。

 

ともあれ意外な形(?)で甘寧一番乗り」を果たしたわけだが、今後どれだけの「甘寧一番乗り」を果たすか(例えば「初1着」「初優勝」「初GⅠ」…)、妙に気になってしまう。

*1:試験による脱落よりも「横に並ばれるのが怖い」などといった『(試験科目ではない)ボートレーサーとしての適性のなさ』で脱落する訓練生が多い、という話を元選手・元校長の植木通彦が話していた記憶がある。

*2:ちなみに落第者の再受験・再入所は認められていないが、修了試験に関しては「留年(半年の訓練後再試験)」という事もあるらしい。

*3:現養成所の住所が「福岡県柳川市大和町」だから。ボートレースという呼称を前面に押し出すようになった2010年までは「やまと競艇学校」と呼んでいた(それに合わせて「競艇王チャレンジカップ」「競艇名人戦」なんかも競走名から「競艇」の単語を外している)。モーターやボートなどを製造している「ヤマト発動機」と呼称が一致するのは単なる偶然らしい。

*4:連続4期(2年間)の勝率が3.80未満、あるいは事故率が0.70以上だと引退勧告される。ただし前者はデビューから3年以内の成績はカウントされない(実際はもう少し細かい規定があるのだが詳しい事は忘れてしまった)。

新しいボウリングのルール(スコアシステム)

…があるという事を最近知った。

「io.LEAGUE」という新しいボウリングのリーグ戦(新しい団体ができたわけではなく、JPBA所属のプロが選抜されたMリーグみたいな「チーム対抗戦」のリーグ戦。詳細は書くのが面倒たっだので割愛)がいつの間にか作られており、そこで採用されているスコアシステムが従来のシステムと違う「カレントフレーム・スコアシステム」というもの。…このリーグが発案した独自のシステムというわけではなく、既に一部の国際大会で採用されている方式であり、一部のボウリング場ではこれに対応したシステムも導入されている。…なおここでは便宜上従来のスコアシステムを「トラディショナル(伝統的な)・スコアシステム」と呼ぶ事とし、それぞれ「TSS」「CSS」と略記する。

TSSと大きく違うのは「ストライクやスペア時に次フレームのスコアの影響を受けない」、つまり「常に該当フレーム(カレントフレーム)ごとにスコアが完結する」。具体的には

ストライクは常に30点

・スペアは1投目で倒した本数+10点

第10フレームの「3投目」という概念はなく、それまでと同様に最大2投(ストライクを出したらそれで終わり)

…TSSはある程度嗜んだ人でないと分かりにくいところがあるが、これは(多分)それよりは分かりやすいのかも知れない。またプロレベルから見たら「結局のところストライクを続けないとスコアは出ない」「全部ストライクを出せば300点」というのは同じ(ただし必要投球数は10投なので従来より少ない)なので極端な違和感はないのかも知れない。

 

競技のルールが大きく(?)変わるのはどこでもある事なのでいちいち騒いだりはしない【*1】のだが、このリーグの…というより「CSSを採用した」コンセプトというのが

 

長時間かけて結果を追うよりも、短時間ですぐに結果が分かる事を好む傾向である「Z世代」をターゲットにしたマーケティング戦略(要約)

 

…ごく短期ならともかく、長期的な視野で見たらそういう考え方は高確率で「io.LEAGUE」か「ボウリングそのもの」のどちらか(あるいは両方)が衰退する、という未来しか待っていないように思える。

「Z世代(の特徴)」をどう定義するのかにもよるだろうが、よく聞かれる話(というか評判?)をベースに考えると「Z世代は新しいもの・珍しいものへの食いつきはいいが『飽きるのも早い』となりそうで、そのような「軽い奴」を地盤にしようとしても安定度は極めて悪い、それこそちょっとしたトラブル(や醜聞とか)で地盤から脆くも崩れ去る、なんて事が起きやすい。…今だったらソシャゲなんかがいい見本で、「こんなゲームが10年続くの?」というようなゲームがある一方で1年足らずでサービス終了するゲームが全体の半数以上を占める*2のは「質のいい固定客を掴めたか否か」で決まるところが多い(別の見方をするならすぐに潰れるゲームの大半は「質のいい固定客を掴むとかいう以前のクオリティ」だと言える)し、他の業界でも「話題先行」であっけなく消える会社もある一方で「質のいい固定客」を掴めた会社は一見流行っていないようでも長続きしている(下らん風聞くらいでは地盤は緩まない)事が多い(ラーメン屋なんかがいい例)。

 

「空前のボウリングブーム」があったのは半世紀も前なので、当時を知る人はそのほとんどが今は60代かそれ以上。なので新しい地盤に入れ替えようとするのは正しい(むしろやらない方がアホである)。しかし前述のような「質のいい地盤を作る事を最初から放棄した」ようなコンセプトではどう考えても長続きしそうな気配が全くしない。それだったらまだTSSの方が「『質のいい固定客』=腰を据えて末永くボウリングを楽しもうと考える人の数は多くなる」ように思うのだが…

そしてこの話を飛躍させると、「短時間で結果を求めるような国民の傾向(別に『Z世代』に的を絞った話ではない)を何とかしない事にはどの業界でも「質のいい固定客」がつかない、つまり「何をやってもすぐに潰れる」ような国になってしまうのでは、と非常に悲観的になる。…正確に言うなら『質のいい固定客』になり得る人の絶対数が少なくなるので『質のいい固定客』の獲得が困難になる=企業が長生きできる確率が今以上に低くなる、というロジックである【*3】。…もっともそんな日本になる前に自分はくたばっている(のでそんな日本を見ずに済む)可能性もあるので本気で心配する気になかなかなれないのだけど(笑)。

 

…今回も見事に最初の話から脱線(飛躍)したので調子は悪くないようだ(笑)。なお個人的にはTSSの方が「まぐれのスコアが出にくい(ストライクを続けないといいスコアが出ない)」分だけ「奥が深い」ように感じた(初心者やZ世代からしたら「まぐれでもスコアが出る方が楽しい」のかも知れないけど)。また「理論的に取れない点数」が存在する【*4】、というのも何だか「ルールの不具合」のように感じてしまった。…とりあえず自分が生きている間くらいはTSSが残っていれば文句は言わない(笑)

*1:ちなみにCSSが考案されたのは「ボウリングをオリンピック競技にするためのルールの簡略化」が理由だと言われている(実現するかは別問題だが)。…両方のシステムの違いや特徴については多分考察している人がいるはずなので「カレントフレーム」あたりの単語で検索して下さい。

*2:一般的な「会社」でも「会社の60%くらいは設立から1年以内に倒産している」という話を聞いたことがある。ちなみにそれによると「5年続く会社は全体の2割、10年続く会社は更に2割(つまり全体の4%)」だという。

*3:そんな時代になった場合「会社を立ち上げる事自体が質の悪い運ゲー」なんて言われるようになるかも知れない。

*4:前述のように各フレームで取れる点数は「30点」か「19点以下」なので、「290~299点」というスコアが理論的に取れない(一方でTSSだと理論上は「0~300点の全てを取る」事が可能。ただし「300点以上に実現が難しいであろうスコア」が1つあり、それを出した人というのは全世界探しても数える程しかいないのでは、と思われる)。

2024年3月彩棋会

3月号が無事届いての参加となった彩棋会。参加者は(記憶違いでなければ)7名、岩本氏は欠席。

3月号に全国大会の事がチラッと書いてあった。開催地は山梨県甲府市…行き方がすぐには思いつかなかった。

普通に(?)考えるなら東京方面から中央線で。新宿から特急「あずさ」か「かいじ」(自分はこれらの特急は東京発だとずっと思っていた)1時間半(東京駅からカウントすると更に+15分)くらい。朝イチの羽田行き(9時頃着)に乗れば当日入りでも開始には間に合う(懇親会をパスすればギリギリ日帰りは可能か?)

…ここで疑問となったのは「西から行く人はどういうルートで行くのだろう?」

便宜上名古屋をスタート地点として自分がパッと思いついたルートは

1.中央本線で地道に東上する

2.東海道線で富士まで、そこから身延線甲府

3.東海道線茅ヶ崎まで、そこから相模線→横浜線で八王子、そこから中央線で甲府

4.東海道(新幹)線で新横浜まで、そこから横浜線で八王子、そこから中央線で甲府

5.飛行機で松本空港(「信州まつもと空港」は愛称)へ、そこから近くの駅に移動後中央本線甲府(どちらかと言えば名古屋以西からのルートかも知れない)

 

帰宅後それぞれのルートについて大雑把に調べた結果は

1.「特急しなの」「特急あずさ」と乗り継いで(塩尻で乗り換え)3時間くらい

2.名古屋→静岡まで新幹線で1時間(こだまだと更に+20分)くらい、そこから「特急ふじかわ(途中富士駅から身延線に入る)で2時間15分くらい

3.相模線を使うより東海道線で横浜→横浜線快速で八王子、というルートの方が早いようだ。その場合茅ヶ崎→八王子が80分くらい、そこから「特急あずさ」で60分くらい

4.「のぞみ」で80分、横浜線快速で40分、その先は3.と同じ。東京駅まで出るよりこっちの方が早い

5.松本空港から連絡バスで30分くらい、松本駅から「特急あずさ」で65分くらい

 

3.は明らかに遅そうなので除外、5.は特殊なのでいったん置いておくとして、1.2.4.はどのルートでも3時間からかかる計算になる。つまり「名古屋までならギリギリ日帰りが可能」かも知れない(ただし交通費は完全度外視)

5.について。松本空港との定期便がある空港は

丘珠空港(夏期限定)

新千歳空港

伊丹空港(8月限定)

神戸空港

福岡空港

の5ヶ所。伊丹便以外は全てFDAの運行。

道民にとって重要なのは「丘珠空港との定期便がある事」。なのだが…

FDA224便(丘珠→松本) 11:05出発 12:45到着予定

…全国大会に間に合わないじゃないか(新千歳からの便は「14:55出発→16:35到着予定」でもっと遅い)。一方で神戸からは「7:50出発→8:50到着予定」(と16:45出発→17:55到着予定)、福岡からは「8:20出発→9:50到着予定」(と13:25出発→14:55到着予定)なので松本空港経由での当日入りができる。…費用を度外視すれば案外ルートには困らないのかも知れない。

 

彩棋会はいつもどおりの進行。話のネタは主に詰将棋が掲載されている(いた)媒体」について。データベースの戦闘力(笑)を増やすためにかつて詰将棋が掲載されていた媒体を求めて国会図書館などに赴く、なんて話になったのだが、かつては「妖しい」週刊誌にも詰将棋が掲載されていた時期があったとかで、それを申請する時の微妙な空気(受付は女性が多いようだ)の話になったり。…事情を知らない人からしたら「妖しい週刊誌」を何冊もまとめて読むおっさんはそりゃあ異様に見える事必至だよなぁ。

 

次回開催予定は7月6日、全国大会の1週間前。作品展のテーマは「端玉」そして「盤面6×6以内(右上に限らない)」との事。…端玉は外連が難しいテーマだよな、と思った(例えば「王手飛車」だったら「玉方の応手が王手飛車」なんて事もできるのだが)。…次回荒川氏は「どこからやってくる」のだろうか(今回は「函館で前泊」だったそうだ)。

37年前

オホーツクに消ゆとかえらく懐かしいタイトルを聞いたものである。今でも名作と評される事が多いゲームであり、今年の夏頃にリメイク+α版(「本編の事件の37年後」を描いた完全新作ストーリーが収録されるそうだ)が出るそうで。…相棒でも「37年前の事件」が絡む話はない・・・わけでもなかった【*1】。

 

…PC版が1984年に出ているが世間で圧倒的に知名度が高いのは1987年に出たファミコン(自分もこっちしか触れた事がない。なのでこれ以降の話も基本的にファミコン版準拠)37年前である。何せ札幌駅(本編のラストで登場)が高架になっていない*2

「北海道連鎖殺人」のサブタイトルが示すように北海道のいろいろな土地がゲーム内に登場する。自分の記憶にあるものを(大体本編登場順に)羅列すると

・釧路…北海道編のスタート地点

・北見

・網走…本編後半では刑務所も出てくる

知床五湖…駐車場に止まっているホンダCR-X(っぽい)が主人公たちの車?

紋別

・札幌

摩周湖

・阿寒湖

屈斜路湖、和琴温泉(弟子屈町…ゲーム内では「わごと温泉」となっているが正しい読みは「わこと温泉」。『何か取れ→バスタオル』の場所です

・ウトロ(斜里町「○○よ、こんなところを調べるとは何事だ!」という謎の紙切れが落ちている(誰も覚えていないって)

・函館…函館から道東に行こうとすると車で半日近くかかる(当時は道東道なんて存在しない)のだが「ゲームなので」一瞬で移動できてしまう(笑)

野付半島…所謂「トドワラ」と呼ばれる場所

・夕張…炭鉱の中が3Dダンジョンになっている

…といったところか(抜けや記憶違いがあったら御容赦を)。「トドワラ(トドマツの林が海水の浸水によって立ち枯れた跡)」に一度行った事があるが、「ゲームのように人が倒れているんじゃないか」と思わせるような(崖とかがあるわけではないので「自殺の名所」というわけではなく、サスペンスとかでもトドワラで人が殺されている話は「全く」と言っていいレベルで記憶にない)、何かに喩えるとしたら「…魔界?」というような特異な雰囲気があったのを覚えている。ちなみに今は「立っている」木は数本しか残っておらず、遠くない将来にその光景は見られなくなる、とも言われている。

 

ゲーム中に相棒のシュン(フルネームは猿渡俊介)と「ブラックジャック」で遊ぶ、なんてミニゲームもあり(勝つとシュンが何か閃く事がある)、世の中には「このゲームでブラックジャック(大まかな)ルールを覚えた」という人もいると思う(自分もそうなので)。ちなみに(自分の記憶が確かならば)本編のどこかで「シュンに勝たないと(閃きを引き出さないと)話が進まない」なんて箇所がある。

他にも「一度ゲームを中断して再開」する事で話が進む、という場所もあり、その時の『捜査メモ(パスワード、平仮名で20文字)』を間違えると悲劇である【*3】。この部分がリメイク版ではどうなっているのかは気になる。ついでに言うとブラックジャック15枚ベット*4「進行状況テレホンサービス*5も。

…こういった厄介な仕掛けがあったわけだが、取扱説明書の中に「どういう捜査をしても必ずクリアする事はできます」みたいな文言があったのも覚えている。当時のアドベンチャーゲームには所謂「ハマリ(必要事項を怠るとクリアできなくなる)」があるものが多かったのである意味親切設定(?)なゲームである。…リメイクではハマリがある、とか言うのはさすがに勘弁。

 

発売ハードはSwitchなので仮に全国大会に行く事になったら移動時間の暇つぶしになる…かは微妙な発売時期である。

*1:Season6の元日スペシャル(奇しくもこちらも舞台は北海道。寝台特急カシオペアで北海道に行けた時代の話)でそれくらい前の事件の復讐をしようとする話がある。

*2:札幌駅が高架になったのは1988年~1990年にかけて。

*3:捜査メモ表示後の「つづく」の画面(通常はリセットするしかない)でⅠコンのセレクトと上、ⅡコンのB(ボタンの組み合わせは記憶が曖昧…)を全て押すとリセットせずに再開でき、しかも「中断して再開」のフラグが立っている。…何でこんな事を覚えているんだ、俺は(笑)。

*4:所持チップ15枚ずつに対し一度にベットできるチップは通常5枚(決着には最短でも3連勝が必要)だがⅡコンのBを押しながら5枚賭けるとベット数が15枚になり、一発で決着がつく、という裏技。…だから何で(以下略)

*5:電話を掛けられる場所でとある番号にかけると現在のゲーム進行度を「○点です」と教えてくれるサービス?がある。…番号何番だったかなぁ(市外局番「0125」までは覚えているけどその先が…)

2月14日放送の「相棒22」にseason1以来21年ぶり(!)【*1】に登場した落語家・橘亭青楽(たちばなてい しょうらく)。前回登場から20年以上経っての再登場【*2】なんて他のドラマではまずあり得ない話(水戸黄門だったらあったかも知れない)。

話のタイトルは「子ほめ」。落語の演目の1つで、所謂前座噺ではある。この3日前の11日にNHKの「日本の話芸」で三遊亭歌武蔵(以前もここで少し書いたので略歴等は割愛)が「子ほめ」を演じていたのは単なる偶然なのかそれとも…

話の中の登場人物は落語に関係する単語を用いた人が多い。例えば主要人物の元妻の名前「高尾紺子(たかお こうこ)」なんてどう見ても「紺屋高尾」のアレンジだろうし、殺された「目黒」は多分「目黒のサンマ」。犯人の「瀬尾」は「速水」という偽名を名乗っており繋げると「せをはやみ」=「崇徳院」の歌の最初の5文字。もっともそういう命名手法は別に珍しくもないけど。

 

前回出場時では「元アイドルの妻の過去(薬物使用)をネタにゆすってきたヤクザを歩道橋から突き落として死なせてしまった」のを右京に突き止められる。観念した青楽は直後の高座をキャンセルして出頭しようとするが、この時右京は「お客様が待ってますよ」と「最後に1席演じてから」の自首を許しており、冷徹な右京にしてはやけに寛大だったものである。

その後どれだけの刑に服していたのか、そして出所後どういう生活を送っていたのかはよくわからない。状況的に殺人ではなく過失致死となったかも知れず、後のシリーズでCDが出てきた(…記憶がある)ので、自首である事も含めて案外早くに刑期を終えた(あるいは仮釈放された)可能性はある*3今回の話では刑務所でのボランティアを定期的に行っていた事が描かれており、他にもどこかの小さな落語会(居酒屋とかに小さい高座を作ってキャパ10人くらいで行われる落語会とか)で落語を演じていた可能性はあるが、本格的な定席には出演していなかったようだ。エンディングでは「復帰公演」となる高座で(放送になっていたのは断片的だが)「子ほめ」を演じている。

 

杉下右京は作品中でざっと見積もって400人以上の犯罪者*4と相対しており、そのほとんどに厳しい非難の言葉を浴びせているが、稀に温情みのある言葉や配慮を見せる事もある。…単なるイメージだが「殺した犯人より殺された人物の方が卑劣な存在(≒犯罪者)」である時に、言うなれば「義のある犯罪者」にそういう顔を見せる事があるように思う。

「義」というのは多分一般的な表現ではないと思うが、意味合いとしては「正義」や「大義」とほぼ同義語。しかし人を殺しておいて「正義」「大義」なんて言うのもさすがにおかしいし、「緊急避難」というのも(内容としては近い場合もあるけど)ちょっと違うようにも思うので、そういった「理由」を大雑把にまとめた意味合いの言葉としていつしか使いだした。…もう少し分かりやすく説明するなら「私欲」の対義語かも知れない。

そんな自分なので世の中で起きている様々な出来事の善悪は法律云々よりも「その行為に『義』はあるか?」で量る事の方が多い。無論当事者の主張は当てにならない*5ので、三者目線で見て「この人には『義』がある」と感じるようなら大体の場合義がある。例えば最近やけに目につく「飲食店の備品に対する不衛生ないたずら」、これなんかは(その行為には「閲覧数を稼ぎたい」などの「私欲」しかないので)ハッキリと「こいつらには1μの義もない」と断罪できる

ただそういう基準で行くと安倍晋三岸田文雄を襲撃した人は「義に満ち溢れている」とさえ言えるし、極論するならプーチンを抹殺するために核ミサイルをぶっ放す」事も「義のある行為」になってしまうかも知れないので、「義」というのはそれこそ核や遺伝子以上に扱うのが難しい技術(?)かも知れない*6

*1:一部メディアでは「22年ぶり」と書かれているが、厳密にカウントするなら「21年と4カ月弱ぶり(前回登場が2002年10月下旬、ちなみに度々登場する「ヒロコママ」の初登場回でもあった)」なのでここでは「21年」とした。

*2:ただし演者の小宮孝泰はその間に別役で相棒に出演している。

*3:同じSeason1で殺人で逮捕された別の犯人がSeason6に「仮釈放中」の身で再登場していたので。

*4:プレシーズンから数えてシリーズ400回突破、と少し前に言っていたので「1話あたり犯人1人」としても400人を超える計算になる。中には犯人がいない(被害者は自殺だった)話や犯人が沢山いる話もあるので正確な数字はよほどのマニアでないと把握していないだろう。

*5:プーチンや金の豚なんかは正に「己の正義を信じて疑っていない」典型例だが、あれの正義をどれだけの人が認めていると言うのか? と言えば分かりやすいだろう。

*6:それについて1000字近く記事を続けたが、日を置いて見直した時に「さすがにブログとかで書く事じゃないよな」と思って抹消した。…やはり「見直しは重要」(笑)。