3月22日に「第134期選手養成訓練修了記念競走」が行われている。今から1年前にふと目についた養成員達の卒業・プロデビューである。入所したのが52人に対し修了できたのは25人という事で、入所してからも半分が脱落する甘くはない世界。世間には「二世は簡単に卒業できる」などと勝手な事を宣うアホが少なくないが、以前「ミヤネ屋」で養成所が取材された時に「二世の養成員がクビになった」という話があったので、二世だろうが何だろうがダメな奴は振り落とされる業界であるのは間違いない(今坂勝弘選手の息子も脱落していた。ちなみに落第者の再受験・再入所は認められていない)。
前述のレースの優勝戦(養成所で行われる「リーグ戦」の勝率上位6人が出場する。正式には「養成所チャンプ決定戦」と言う)の優勝者は「養成所チャンプ」の称号を賜る。今は「ボートレーサー養成所」が正式名称なため味気ない(?)名前だが、名称が「やまと学校」の時は「やまとチャンプ」、養成所が本栖湖にあった時代は「本栖チャンプ」と呼ばれていた(中身はどれも実質同じもの)。
その決定戦を勝利したのは「小林甘寧」選手。2コースから差しを決めて1着。…チャンプ決定戦で「甘寧一番乗り」である。…誰だよ、こんな結末考えたのは(笑)。案の定というかSNS上では早速「甘寧一番乗り」のコメントが散見できる。
チャンプといってもそれによる恩恵は「デビュー間もなくはB1級相当の斡旋を受けられる」くらいしかなく、しかもチャンプだけの特権でもない(養成所リーグでの成績上位者に与えられる)ので、特に「賭ける側」からしたらそんな称号にはほとんど意味がなく「何でもいいから俺の舟券に貢献しろ」以外の感情は持っていないだろう(笑)。また歴代チャンプは期待通りの活躍をする選手もいればその後鳴かず飛ばす(気が付いたら成績不振でクビ)なんて選手もいるし、中にはデビュー後不祥事を起こして逮捕された、なんて選手もいた。
ともあれ意外な形(?)で「甘寧一番乗り」を果たしたわけだが、今後どれだけの「甘寧一番乗り」を果たすか(例えば「初1着」「初優勝」「初GⅠ」…)、妙に気になってしまう。